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大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(4)

『ロウアーミドルの衝撃』(4)

「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。

しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。

派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。

そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。

現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
 
 

マーケットの劇的な変化を引き起こし、企業戦略の転換や組織体系の改編を
促すとともに、日本の社会や国家の仕組みそのものにも大きな変革をもたらすことになる


所得格差の拡大にともなう所得階層の二極化、とりわけロウアーミドルクラス以下が国民の大半を占めることが及ぼす影響は、ここの生活にとどまらない。
マーケットの劇的な変化を引き起こし、企業戦略の転換や組織体系の改編を
促すとともに、日本の社会や国家の仕組みそのものにも大きな変革をもたらすことになる


『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 1 〈256〉                     



日本の大多数を占めていたミドルクラスが崩壊し、ロウアーミドル以下の層とアッパー層に完全に二極化し、所得階層の分布がM字型を描く「M字型社会」に移行していることは明らかなのだ


日本の大多数を占めていたミドルクラスが崩壊し、ロウアーミドル以下の層とアッパー層に完全に二極化し、所得階層の分布がM字型を描く「M字型社会」に移行していることは明らかなのだ
アメリカではレーガン革命以降、こうした傾向が特に顕著になったが、日本も20年遅れてこの流れを踏襲していると言える。

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 2 〈257〉                             
                                  
         







成果主義の導入や終身雇用制度の廃止などにより、勤続年数にしたがって昇進・昇給していく「年功序列」の常識が崩壊したことも、所得格差拡大の大きな要因のひとつである


成果主義の導入や終身雇用制度の廃止などにより、勤続年数にしたがって昇進・昇給していく「年功序列」の常識が崩壊したことも、所得格差拡大の大きな要因のひとつである

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 3 〈258〉                                                                     



➳ 編集後記

ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。

🔷 日本は、99%の貧困層と1%の富裕層の二極分化社会(K字経済)へまっしぐらに進んでいます。

非正規雇用者の比率が高まり、正規雇用者は減らされます。
しかし、正規雇用者、非正規雇用者という分類はほとんど意味をなさなくなるかもしれません。

正規雇用者には、さらに高い成果を求められるのようになり、達成できる人ばかりではないからです。

ただ、私はこう考えます。
雇用者(正規でも非正規でも)に成果主義を導入し、目標達成の可否によって評価するのであれば、経営者層を監督する人(例えば社外取締役)が経営者層を厳格に評価するという、成果主義も導入されなければならない、と思います。

自分たちが不利になると考える経営者層にとっては、経営者層への成果主義の導入は否定的でしょうが。

企業が傾いたり、破綻する要因は、経営者層の経営能力の欠如によるものです。

私の体験から実感しています。

在籍中に企業が破綻した経験が1回、企業業績が急激に悪化し、リストラされ、退職後に破綻した経験が1回あります。

どちらのケースでも、経営者に経営能力が欠如していたことは明白です。

従業員に成果を求めるのであれば、経営者層も命懸けで経営に取り組んでいただきたい、と思います。

従業員をリストラし、生活をめちゃくちゃにしたことを経営者は自覚し、もっと真摯に受け止めることを、切に願っています。

「お前たちとは違うんだぞ!」と開き直られ、一蹴されそうですが……。


大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-05-18 20:49:31)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。



✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。









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