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日経ビジネスのインタビュー     バックナンバー 040

日経ビジネスのインタビュー         バックナンバー 040


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ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が携帯サイトで運営して
いた時のコンテンツです。

2007年1月8日号からスタートしています。1カ月分毎にまとめて
あります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。データを消失して
しまったため再現できません。

「日経ビジネス 電子版使い方ガイド」(全24ページ)を見ると
「雑誌『日経ビジネス』のバックナンバーの閲覧について」で、
閲覧できるのは2011年10月から最新号と書かれています。

そのため、2008年8月18日、25日分の記事は確認できません。
しかも紙の雑誌は、かるか昔に処分しています。


● 2010.4.5 (No.1)<165>
宵越しのカネは持たすな
宇南山 卓(うなやま・たかし)氏
[神戸大学大学院経済学研究科准教授]

近年の研究で、人間には本能的に行動する自己と、合理的に行動する自己が同時に存在するという「二重自己モデル」が提示されている。

より多くの現金が手元にある時、本能的な自己を抑制して適切に使うには、より強い意志が必要になる。

このため、総額は同じでも、一度に多くの現金を渡されると、望ましい行動を取るのが難しくなる。

つまり、支給パターンは受給者の行動を変化させるのだ。

この現象は、現実でもよく見られる。

例えば、ジャズバンドのリーダーであった米国の著名な音楽家デューク・エリントンはこの事実を体得していた。

メンバーが飢えないように、給料を週払いではなく、日払いにしていた。


● 2010.4.12 (No.2)<166>
人作りなくして改革なし
山本 忠人(やまもと・ただひと)氏
[富士ゼロックス社長]

自分の部署の業務フローやドキュメント(文書)の作成、コミュニケーション(情報交換)などに潜むムリやムダ、ムラを洗い出す。

そして、それらの解消に取り組めば、ソリューションを顧客に提案するために必要なプロセスを学べるし、効果も実感できる。

その結果として、社員の問題解決力を一気に高めようというわけだ。

同時に、営業の生産性の向上にも取り組んでいる。

事前に営業部門の社員が顧客を訪問している頻度を調べたところ、100時間のうち20~25時間しか費やしていないことが分かった。

残りの75~80時間は提案書の作成に当てている。

それも、各自がそれぞれのやり方で作成していた。

さらに、契約が成立した後の機器の搬入も1人でやっていたりする。

提案書の作成や機器の搬入を複数の営業社員が協力して行ったり、提案書の書式そのものを標準化したりすれば、顧客の訪問にもっと多くの時間を割くことができる。

それだけ先方の課題を探りだせる可能性も高まる。


● 2010.4.19 (No.3)<167>
理念の徹底、信頼を守る
ポール・ブルケ(Paul Bulcke)氏
[ネスレCEO(最高経営責任者)]

ネスレは、「社会と株主の双方に共通する価値を創造する」「堅実な経営」の「信頼される企業である」という強力な理念を持っています。

株主と社会への共通価値を作り出すためには、全社員が、それが一体どういうものなのかを具体的に理解できていなければなりません。

実は、4年前から、創造した共通価値についてのリポートを公表しています。

それを見ていただければ、ネスレの考える共通価値がどういうものであるかが分かってもらえると思います。

企業理念の具体化、可視化が重要なのです。

28万人もの世界中の社員が、同じ野心と情熱と戦略の方向性を共有するためには何事も分かりやすく形式化し、理解しやすい言葉に落とし込むことが大切なのです。

我々は、この会社のあるべき姿を「誰もが認める栄養、健康、ウェルネス(質の良い暮らし)のリーディングカンパニー」であること、と定義しています。

簡単ではありますが、この言葉を通じて一体何を社会に伝えたいのかさらに説明することで、言葉が生命を持つようになります。


● 2010.4.26 (No.4)<168>
見える化でトラブル8割減
藤沼 彰久(ふじぬま・あきひさ)氏
[野村総合研究所会長]

夜間コールと休日コールは、担当者ごとに数字が出る。

その中に、1カ月に50回という人がいた。

こうなるとまともに仕事などできない。

そこの本部長を呼んで、どうなっているのか質したこともあった。

すぐには解決できないので、例えば1人で受けていたのを3人で受けるようにさせた。

小さいシステムになると運用にかかわる人が少なくなる。

そうした時にシステムがボロボロだと、コール数が一気に増えてしまうわけだ。

気をつけなければならないのは、数字だけ、結果だけを見て判断してしまうことだ。

経営者がきっちりプロセスを見ないと、「数字さえ下げればいいのか」という変な議論になってしまう。

私は数字よりもプロセスが大事だと思う。

プロセスをきっちりやれば、数字はどこかでついてくるからだ。




🔷 編集後記


この元記事をアメブロに投稿したのは、8年前のことです(2014-01-16 23:18:45)。

読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。

それだけ歳をとったのだと実感しています。

編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。

月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。

しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。

今回のインタビューの中から興味深い言葉を拾い出してみます。

宇南山 卓(うなやま・たかし)氏
[神戸大学大学院経済学研究科准教授]

の言葉から。

総額は同じでも、一度に多くの現金を渡されると、望ましい行動を取るのが難しくなる。つまり、支給パターンは受給者の行動を変化させるのだ。

                
 

🔴「総額は同じでも、一度に多くの現金を渡されると、望ましい行動を取るのが難しくなる」

意味が異なるのですが、高校生の時、「漢文」の時間に教わった「朝三暮四」の話を思い出しました。単なる連想です。

『朝三暮四』 書き下し文・現代語訳(口語訳)と文法解説
(「朝三暮四」の物語の原文)
の中で意味を解説しています。

この故事は、「目先の利益に目がいってしまい、結果的には利益が同じであることに気づかない」、または「言葉の上でうまく人をだますこと」などを意味する四字熟語、「朝三暮四」の由来になったものです。

『朝三暮四』 書き下し文・現代語訳(口語訳)と文法解説
(「朝三暮四」の物語の原文)


『朝三暮四』 書き下し文・現代語訳(口語訳)と文法解説
(「朝三暮四」の口語訳(現代語訳))

「お前たちにどんぐりを与えるのを、朝に3つ夕方に4つにしようと思うが、足りるか。」と。
(すると)猿は皆立ちあがって怒りました。
(そこで彼が)急に言うことには、
「お前たちにどんぐりを与えるのを、朝に4つ夕方に3つにしようと思うが、足りるか。」と。
猿たちは皆ひれ伏して喜びました。

『朝三暮四』 書き下し文・現代語訳(口語訳)と文法解説
(「朝三暮四」の口語訳(現代語訳))


この物語に面白さはココにあります。

朝に3つ晩に4つだろうが、朝に4つ晩に3つだろうが、猿にとってもらえるどんぐりの数はどちらも同じで、7つなわけです。しかし猿たちにとって、どんぐりを朝に3つ夕方に4つもらうよりも、1日のうち早い時間帯の朝に4つどんぐりをもらうほうが得な気がして(目先の利益に目がくらんで晩のことまで考えられないでいる)、それでいいよとOKを出してしまったところにこの物語の面白さがあります。

『朝三暮四』 書き下し文・現代語訳(口語訳)と文法解説
(「朝三暮四」の口語訳(現代語訳))


これは笑い話ですが、悪用すれば詐欺なることがありますね。
うまい話には裏(嘘)があるという格言でもあります。



1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。

2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。
データを消失してしまったため現時点では再現できませんが、日経ビジネスの電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。

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藤巻 隆
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