大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(10)
『ロウアーミドルの衝撃』(10)
「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。
しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。
派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。
そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。
現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
教育方針について両親が共通理解を持ち、二人が同じ考えで接していくことが大切なのである
年収600万円以下のロウアーミドルクラスでも、世界的な水準で見れば完全なアッパークラスだ
日本の業者の厳しさは、小さな傷ひとつさえ商品の価値をゼロにし、かつ消費者の選択の余地を奪うまったく無意味なものだ
➳ 編集後記
ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 日本の消費者は世界で最もうるさい、と言われています。
そのため、日本で売れれば、世界中のどこででも売れる、という人もいます。
先日の『日経ビジネス』でサイクロン式掃除機や羽のない扇風機で有名な、ダイソンを取り上げました。
創業者でCTO(最高技術責任者)である、ジェームズ・ダイソン氏はインタビューにこのように答えています。
このような対応をとっているのは、まさに世界中で販売するためです。
⭐ 参考になるデータは下記のサイトでご確認ください。
日本人の平均収入、世界と比べると多い少ない?世界の平均年収ランキング!
2000年と2020年で比較しています。
2000年では日本人の平均年収は世界で17位だったそうです。
2020年では22位に下落しています。
注視していただきたいことは、2000年と2020年と比較すると、どちらも約40,000USドルだということです。
つまり、20年間で年収がほぼ同じだということです。
USドル/円の年平均レートを比較してみましょう。
同じ40,000USドルでもレートが異なれば、円転したら異なる数値になるからです。
USドル/円の為替レートの推移(1980~2022年)
2000年USドル=107.7655円 40,000USドル≒4,310,620円
2020年USドル=106.7746円 40,000USドル≒4,270,984円
レートはわずか1円の差です。 ほぼ430万円です。
2000年 1位 ルクセンブルク 2位 スイス 3位 アメリカ
2020年 1位 アメリカ 2位 アイスランド 3位 ルクセンブルク
2000年の1位ルクセンブルクのUSドルベースの平均年収は、
約57,000USドルですが、
2020年の1位アメリカのUSドルベースの平均年収は、
約70,000USドルと10,000USドル以上増加していることです。
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-06-03 19:30:05)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]、高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
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