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大前研一 名言集 『サラリーマン再起動マニュアル』(30)
『サラリーマン再起動マニュアル』(30)
今回から『サラリーマン再起動マニュアル』から名言を取り上げます。
大前研一氏は、私にとってメンター(師匠)であり、グールー(思想的指導者)の存在でもあります。
大前氏の著作を読んでいつも感じるのは、物事の本質を捉える、ずば抜けた能力です。
凡人である私は大前氏の足元にも及びませんが、不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、と思っています。
『サラリーマン再起動マニュアル』
目次
[イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない
第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?
第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動
第3章[実践編]「中年総合力」を身につける
第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件
第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ
[エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある
✅ 小学館 出版年月日 2008/9/29
新大陸のサイバー経済やマルチプル経済に対応するためには、新しい情報をどんどんインプットしておかねばならない
新大陸のサイバー経済やマルチプル経済に対応するためには、新しい情報をどんどんインプットしておかねばならない。
それを怠ったら、新大陸で生まれ育った若い人たちに太刀打ちできないのだ。
この時代についていくためにも、30~40代のビジネスマンは日々いろいろな情報を集めて自分の「整理棚」に収納し、そのうちのいくつかを反芻(はんすう)して意味合いを考える、という作業を継続しなければならない。
つまり、インプットした情報をプロセッサーにかけて自分なりに“醸成”し、いつでも「整理棚」の引き出しを開けてアウトプットできるようにしておく。
世の中の森羅万象に常日頃から関心を持つ。
会社内の他部門にいつ配置転換されてもやっていけるような幅広い関心を持つ。
それが“中年力”を高めることにもつながるのだ。
➳ 編集後記
『サラリーマン再起動マニュアル』 はタイトルから推測すると、マニュアル本のように感じられたかも知れませんが、いわゆるマニュアル本ではありません。
私たちが身につけるべき、本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている普遍性のある本です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。
私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の言葉は、いつでも私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 私は30歳になった時から『日経ビジネス』(日経BP社)を年間購読しています。今年で30年目になります(2022年8月16日現在、購読していません)。
こんなに長く読み続けている雑誌は他にありません。
まったく飽きません。毎週ホットなテーマを提供してくれるからです。
さらに、取材班の記事の取りまとめ方や、文章の書き方はとても参考になります。
社内でリポートをまとめる機会のある方は、大いに参考になることでしょう。
物事の趣旨を具体的に、分かりやすく相手に伝えることは、現代人の大切なスキルです。
私にとっては、『日経ビジネス』が毎週どんなテーマを扱うのか楽しみにしていますし、ブログのネタを提供してくれることも、『日経ビジネス』のお陰です。
今振り返ってみますと、1つの雑誌を継続して読むことによって、自分が関心を持っているテーマだけではなく、全く関心を持っていなかったテーマの記事にも、自然に目が触れることになり、関心を持つようになったことは、
大きな収穫です。
いつの間にか、少しずつ関心を広がってきたな、と思うようになりました。
何事も一朝一夕には達し得ないので、これからも『日経ビジネス』をずっと読み続けていきたい、と考えています。
「継続は力なり」を実感しています。
あなたもぜひ、『日経ビジネス』を年間購読してみてください。必ずプラスになります。
『日経ビジネス』は、日本のNo.1の経済誌です。
🔷 情報収集力の“精度”が求められる
大前研一「国内メディアだけ見る人は危ない」
大前氏が情報収集に関して述べている記事があります。
このウェブサイトからポイントとなる個所を抜粋します。
アメリカのグローバル企業の多く、ブルーチップと呼ばれる優良企業の多くは、M&Aを通じて本社をアイルランドに移すなどして、アメリカの40%という高い法人税率を逃れています。アメリカ政府はこれを取り締まる方法がない状況です。
グローバル企業の課税逃れがどのくらいすごいのか、アメリカの経済誌『フォーチュン』が2015年11月1日号で「21世紀企業の特徴」という特集を組み、公表しています。それによると「世界企業の72%はタックスヘイブンを使っている。250兆円がオフショアに備蓄され、毎年20兆円以上が課税を逃れている」ということで、とんでもない状況です。アメリカの企業がこんなことをやっていて合法だというのは、日本では考えられないことです。
(中略)
こうした世界の変化は日本ではあまり知られていないように思います。そのことと、日本のメディアが国内のことばかり見て報道していることは、無関係ではないでしょう。
こうした中で絶対に必要なのは、「自分で考える力」です。疑問を持ち、自分で調べ、この国の経済がどれくらい大変な状況なのかを知る。そして、自分の判断で生きていく工夫をしなければなりません。
手前味噌になりますが、これはまさに「自調自考自働」ですね。
皆が右へ倣えの状況でも「私は違うと思います」と言ってみる。まず疑問を持ち、自分で証拠を集めて自分の意見を形成する。この能力を、とにかく磨いてください。
危うい日本をいかに再生させるか。それは国内メディアのニュースだけを見て日本経済が分かったかのような勘違いをすることなく、あなた自身の目と耳と頭で世界を知り、あなた自身が解決策を考える以外に方法はないのです。
⭐ 関連書籍
🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。
大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
大前研一オフィシャルウェブ
このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。
⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は7年前にAmebaブログで書きました(2015-02-01 22:03:10)。
「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
⭐ 今までにご紹介してきた書籍です。
⭐ 私のマガジン (2022.08.16現在)
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