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大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(29)

『即戦力の磨き方』(29)

大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。

私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。

年齢は関係ないと思っています。

やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。

これはなかなか定めるのが難しい。

自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。

メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。

以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です
 

学生時代に答え合わせばかりやってきているから、社会に出てもマニュアルやノウハウが大好きだし、そういうものがない場合は、すぐに教えてくれ、解説してほしいと、誰かに頼めばいいと思っている

漫画で思考力が奪われてしまったのか、自分の頭で考える癖がまったくついていない。

考えなくても「ドラゴンボール」の続きは、一週間経てばちゃんとわかるように、じっくり待っていれば、誰かが答えを教えてくれると思っているのだ。

もっとも、これは偏差値教育の影響のほうが大きいかもしれない。学生時代に答え合わせばかりやってきているから、社会に出てもマニュアルやノウハウが大好きだし、そういうものがない場合は、すぐに教えてくれ、解説してほしいと、誰かに頼めばいいと思っている

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 1 〈421〉                           






                             

私の本を読んでも、「『即戦力の磨き方』と書いてあるから、どうやったら磨けるのか詳述しているのかと思ったら、考え方や精神論ばかりで具体案は何も書いてない」と、アマゾンの書評欄に投稿するのもこの連中である

私の本を読んでも、「『即戦力の磨き方』と書いてあるから、どうやったら磨けるのか詳述しているのかと思ったら、考え方や精神論ばかりで具体案は何も書いてない」と、アマゾンの書評欄に投稿するのもこの連中である

それでこちらが懇切丁寧に解説すると、その場ではわかったような顔をするのに、翌日にはもう忘れている。

「自分でやってみろ」といわれても、実はできない。

その代わり、「この方法でやってみてください」というと、素直についてくる。

この従順さは恐ろしいくらいだ。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 2 〈422〉                             


「見えないものを見る」、あるいは架空の発想という、サイバー社会ではもっとも重要なことも、同じ理由で少年ジャンプ世代は、大の苦手としている

彼らにとって勉強とは、試験で点数をとるためのものだから、試験が終わればその瞬間に覚えていたことを、きれいさっぱり忘れていいのである。

三つ子の魂百までとはよくいったもので、そういう習慣は大人になっても抜けないらしい。

「見えないものを見る」、あるいは架空の発想という、サイバー社会ではもっとも重要なことも、同じ理由で少年ジャンプ世代は、大の苦手としている

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 3 〈423〉                           




➳ 編集後記

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。



🔷 敢えて自分の能力を顧みず、私見を述べさせていただきます。何事でも基礎を勉強してから応用へ進むものですね。

そうしないと、いきなり応用問題に立ち向かっても歯が立ちません。

自分でまず調べて、その上で考え、その考えに基づいて自ら働く、他者に働きかける(私の造語で「自調自考自働」*参照 下記のnoteの投稿記事)ということをやらないのか、できないのか分かりませんが、せっかちに正解を求める風潮があることを危惧しています。


テレビのクイズ番組の影響もあるのかもしれません。

大前氏が指摘しているように、

「学生時代に答え合わせばかりやってきているから、社会に出てもマニュアルやノウハウが大好きだし、そういうものがない場合は、すぐに教えてくれ、解説してほしいと、誰かに頼めばいいと思っている」

という状況に陥るのではないか、と考えています。

考え方がワン・パターン化していると言いますか、答えが一つしかないと思い込んでいるのかもしれません。

あるいは、前もって答えが用意されていない状況で(社会生活ではよくあること)、どのように考え、どのように行動したらよいのか(しばしば選択肢は複数あり、その中で最良の選択をする)、という環境に自ら身を置くことをしない限り、変わらないのではないか、考えています。

「簡単にできる」「お手軽にやれます」「楽して稼げる」といった言葉が踊る、広告や情報商材が溢れています。

全てとは言いませんが、99%がウソです。

そんなに簡単に、お手軽に、楽にできるなら、皆んなが大金持ちになれるはずですね(笑)。でもなれません。

儲けることができるのは、宣伝する側の人や、商材の販売者だけで、購入した人の99%は今までと一向に変わりません。

それは、真剣に取り組んでいなかったからではなく、敢えて、反感を買うことを恐れずに言えば、その商材が元々インチキだったからです。

購入者は「カモネギ(鴨が葱を背負って来る)」だったのです。

こうした商品が次から次へと販売されるのは、騙されても騙されても懲りない人たちがいるからです。

少し言い過ぎたかもしれません。

ですが、それが現実です。

基本をしっかり抑えておけば、「これはおかしい」と分かるはずです。




⭐ 参考データをご紹介します。

【大前研一】これからは「構想力」の時代だ

このウェブサイトにぜひ一度目を通していただきたいと思います。
今後、数十年間働く人たちのためにとても大切なことを語っています。

このウェブサイトから重要と思われる個所を抜粋します。

「私が強調したいのは、人類社会の大きな構造変化の『第四の波』が到来しているということです」

「アメリカの未来学者であり、生前は大前氏も親しくしていたという故アルビン・トフラー氏が提唱した考え方で、人類社会が、第一の波(農業革命による農業社会)、第二の波(産業革命による工業社会)、第三の波(情報革命によるIT社会)を辿って発展してきたとするものである」

「そのトフラー氏の理論を発展させて、私が提唱しているのが第四の波。

シンギュラリティ(AIが人類の知能を超える技術的特異点)に到達することで、IT社会から、AIをベースとしたサイバー社会に、世の中の構造が転換するということです」

「サイバー社会における特筆すべき事項は、弁護士や医師、教師といっ
『プロフェッショナル』と呼ばれる仕事こそが失われる脅威にさらされる点だ」

「すでにアメリカやカナダでは、司法の場にAIが取り入れられています。『このケースはこの論拠で戦いなさい』とAIがアドバイスしてくれるんですね。

AIをうまく活用して、経験の浅い若手の弁護士も活躍できるようになっているとの話も聞いています」

ただし、AIにも弱点があります。
それは---------

「サイバー社会で“飯のタネ”になるのは、人間にしかできない仕事。コンピュータは記憶には強いですが、“0から1”を生み出すことには弱い。

だからこそ、見えないものを見る力、『構想力』が求められるのです」

しかしながら、問題点があります。

「約20年後に起こるシンギュラリティ以降も、構想力を用いて新しい何かを生み出すか、AIが苦手とする領域の仕事に就けば、何も恐れる必要はありません。しかし問題は、日本の教育が全くそれに気づいていないことです」

🔶 大前氏は他の人が滅多に言わないような内容であったり、構想力や発想力を活用した提言を行っています。



🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。



大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。

⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ




大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。








🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-09-20 18:53:08)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。



✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。












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藤巻 隆
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