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【ASMLとは何か?(1)】

🔷 ハイテク業界でオランダのASMLの存在感が増しています。

ASMLとは何か?

ASMLは「2020年(令和2年)現在、世界唯一の極端紫外線リソグラフィ(EUVL)装置メーカー」(Wikipediaから 「」内は以下同様)です。

🌟 ASML


ASMLの沿革の概要 (日本との関連を中心に)

1984年 フィリップス社とASMインターナショナル社が50%ずつ出資する合弁会社ASM Lithographyとして設立」

1988年 スピンオフし独立した企業となり、旧社名の省略形のASMLを社名とする」

2000年 アメリカの同業SVGを買収した事によって、それまでにアジア新興勢を取引先としていたASMLが最大の半導体メーカー米インテルへのアクセスを確保、一気にシェアを拡大」

2012年 次世代露光技術の一つである極端紫外線の開発の加速化のため、世界半導体大手の3社インテル、サムスン、TSMCから約50億ドルの投資を受け入れる。ニコンと長いパートナー関係のインテルが6割の30億ドルを担う事になる。ニコンは同技術の普及が起こる可能性が低いと判断し、2010年代初頭に開発から撤退した」

2017年 ニコンがASMLを再び特許侵害で提訴

2019年 ニコンとの和解成立」 この沿革を時系列で眺めますと、<ニコンが極端紫外線の技術の普及が起こる可能性が低いと判断し2010年代初頭に開発から撤退した>ことが、その後のASMLの独走を許したことになります。

🔶 ニコンはあまり資金力がなかったことと国の支援が得られなかったであろうことは推察できます。

🔶 レーザーテック(6920)はASMLの業績にかなり影響を受けます。


レーザーテック

レーザーテックは「EUVマスク裏面検査/クリーニング装置」(レーザーテックの公式サイトから)を製造しているからです。

🌟 レーザーテックのEUVマスク裏面検査/クリーニング装置 BASICシリーズ


🔶 2021年10月21日にレーザーテックが大きく売られました。1,920 円安の 24,880 円(-7.16%)で引けました。 しかし、翌22日にはほぼ半値戻ししました。これは「前日はオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング<ASML>が発表した10~12月期売上高予想が市場の期待に届かなかったことが嫌気された」(「株探」の銘柄ニュース 2021年10月22日09時46分)からでした。

🌟 レーザーテックなど半導体製造装置関連が一斉高、米半導体主力株の上昇で安心感


ASMLの露光装置の世界シェアは世界一

🔶 ASMLの露光装置の世界シェアは81.2%(2019年 Wikipediaから)で世界一ですが、1996年には日本のニコンが約50%弱、キャノンが約25%のシェアを獲得していた(Wikipediaから)そうです。

シェアの逆転

🔶 なぜシェアが逆転したのでしょうか?

もちろん、理由は1つではないでしょう。

ただし、いくつかある理由の1つは「ASMLは本来オランダの政策金融で破綻を免れた後、日本勢の独走に危機感を感じていたアメリカ官民の理解を得て、技術導入と買収によって成長した企業という背景をもつ」ということが挙げられます。

日米半導体交渉

🔶 私見ですが、日米貿易摩擦の1つである日米半導体交渉でアメリカは体力を消耗した歴史があるからだろうと考えています

今や「産業の頭脳」「産業の心臓」と言われる半導体を再度日本に握られることを嫌ったからだと思います。

では、なぜオランダの1企業にアメリカは官民で支援したのでしょうか?

この件については次回お伝えします。

お楽しみに!



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藤巻 隆
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