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大前研一 名言集 『サラリーマン再起動マニュアル』(26)
『サラリーマン再起動マニュアル』(26)
今回から『サラリーマン再起動マニュアル』から名言を取り上げます。
大前研一氏は、私にとってメンター(師匠)であり、グールー(思想的指導者)の存在でもあります。
大前氏の著作を読んでいつも感じるのは、物事の本質を捉える、ずば抜けた能力です。
凡人である私は大前氏の足元にも及びませんが、不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、と思っています。
『サラリーマン再起動マニュアル』
目次
[イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない
第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?
第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動
第3章[実践編]「中年総合力」を身につける
第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件
第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ
[エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある
✅ 小学館 出版年月日 2008/9/29
私が実際に行なっている「三つのインプット術」を公開しよう
一つ目は、新聞記事からのインプットである
二つ目は、クラスディスカッションからのインプットである
三つ目は、自分の足で歩き回るインプットだ
私が実際に行なっている「三つのインプット術」を公開しよう。
一つ目は、新聞記事からのインプットである。
私は新聞記事を中心に1日平均500本のニュースをチェックしている。
しかし、新聞は1紙も購読していない。
では、どうやって新聞記事を読んでいるのか?
インターネットのクリッピングサービスを利用しているのだ。
ただし、既製のクリッピングサービスではない。
私は、かつてのパソコン通信の技術を改良して再利用し、RSS(※)という技術を使って、ロボットエンジン「エアキャンパス」を独自に開発した。
この「エアキャンパス」が、日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞、BBC、CNNなど、あらかじめ私が指定したウェブサイトを巡回し、最新ニュース記事を自動的に集めてくるのだ。
すべての指定サイトを回ってくる「全巡回」の所要時間は3分程度だ。
(中略)
二つ目は、クラスディスカッションからのインプットである。
よく「なぜ、大前さんはそんなにいろんなことを知っているの?」と聞かれるが、それは私が主宰・運営している『経営管理者育成プログラム』『アタッカーズ・ビジネススクール』『ボンド大学ーBBT MBAプログラム』『ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学院大学』の授業、あるいは『平成維新フォーラム』などを通じて毎日3000人の人たちとサイバースペースで“会っている”からだ。
(中略)
三つ目は、自分の足で歩き回るインプットだ。
これは経営用語でいるとMBWA(Management By Walking Around)。
『エクセレント・カンパニー』の著者トム・ピーターズが創り出した言葉で、一時流行したが、この「自分の足で歩き回らねばならない」という考え方だ。
(中略)
ただし、ここで気をつけなければならないことがある。
それは「先入観によってしか物事は見えない」ということだ。
つまり、人間は先入観を持っていると、目の前に見えているものを素直に見ることができず、先入観に基づいて「解釈」してしまうのだ。
※RSS/リッチ・サイト・サマリーまたはRDFサイト・サマリーの略といわれ、各ウェブサイトで最新情報の見出しや要約などを特別な書式にまとめたもの。ニュースサイトやブログなどで最新記事を読者に配信したり、サイトの更新状況を知らせたりするために使われる。
➳ 編集後記
『サラリーマン再起動マニュアル』 はタイトルから推測すると、マニュアル本のように感じられたかも知れませんが、いわゆるマニュアル本ではありません。
私たちが身につけるべき、本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている普遍性のある本です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。
私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の言葉は、いつでも私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 今回は、引用部分が普段よりもかなり多くなりました。
大前氏が、とても重要なノウハウを公開している個所でしたので、あえて取り上げました。
私は、特に三つ目のMBWA(Management By Walking Around)が大切だと思いました。
他人から聞いたり(伝聞情報)、懸れたものを通じて知ったり(文字情報)、という二次情報や三次情報ではなく、一次情報を大切にする姿勢です。
待ちの姿勢で情報を得るのではなく、こちらから出かけていって、先入観を持たずに現場を見るということです。
これは何歳になっても行なうべきことでしょう。
そう入っても現実的にはかなかできないことですが。
だからこそ、大前氏は精力的に行動する人物であり、尊敬に値するのです。
大前氏は「自調自考自働(自分で調べ、自分で考え、自ら働き、他者に働きかける)」の人です。
⭐ 自調自考自働
🔷 この記事をアメブロに投稿してから7年の歳月が流れました。
大前氏が、現在でも、私を含め大多数の人たちとは一線を画す方法で情報収集し、その情報に独自の見解を付加し、情報発信していることは素晴らしいことです。
大前氏のメルマガは読む価値があります。
✅ ニュースの視点
🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。
大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
大前研一オフィシャルウェブ
このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。
⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は7年前にAmebaブログで書きました(2015-01-23 22:58:18)。
「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
⭐ 今までにご紹介してきた書籍です。
⭐ 私のマガジン (2022.08.12現在)
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