『お金の流れが変わった!』(6)
『お金の流れが変わった!』(6)
新興国が動かす世界経済の新ルール
PHP研究所 2011年1月5日 第1版第1刷
<目次>
第1章 超大国「G2」の黄昏
Ⅰアメリカ-「唯一の大国」はいかにして崩壊したか
Ⅱ中国-バブル崩壊はいつやってくるか
第2章 お金の流れが変わった!
Ⅰ「ホームレス・マネー」に翻弄される世界
ⅡEU-帝国拡大から防衛のシナリオ
Ⅲ新興国ー21世紀の世界経済の寵児
第3章 21世紀の新パラダイムと日本
Ⅰマクロ経済政策はもう効かない
Ⅱ市場が日本を見限る日
第4章 新興国市場とホームレス・マネー活用戦略
Ⅰ新興国で成功するための発想
Ⅱ日本経済再成長の処方箋
マスコミ報道を見ていますと、大別して2つの問題が連日のように取り上げられています。
1つは尖閣諸島をめぐる中国と日本の対立構造であり、もう1つは事故が頻発し、住民に不安を増幅させている沖縄に配備予定のオスプレイの問題です。
最初の問題は、最近になって状況に変化が見られました。
アメリカ議会で親日派議員が日本支持を表明したことで、中国政府がそれまでの対応と打って変わって、日本を挑発する発言を差し控えるようになったことです。
あとの問題は、尾を引きそうになっています。
オスプレイはヘリコプターと飛行機の機能を併せ持つ特殊輸送機で、ヘリから飛行機へ、飛行機からヘリモードへ変換する際に操縦が困難になるそうで、事故が発生するのはそうした時だそうです。
オスプレイは従来型機と比べ、ほぼ倍のスピードで飛行でき、飛行距離は一度の給油で600㎞飛べると言われています。
つまり、飛行性能は優れていますが、扱いが難しい機種ということが言えると思います。
普天間基地移設問題もあり、沖縄は大きな問題を抱えた地域であることに間違いはありません。
さて、今回は、以前から大前研一氏が指摘してきた、「ボーダーレス」「サイバー」「マルチプル」の3つのキーワードで、世界で何が起こるのかを詳細に語っています。
Ⅰマクロ経済政策はもう効かない
【ボーダーレス化】
【サイバー化】
【マルチプル(倍数)化】
✅ 大前研一氏の警句
以上の記事は、2012年9月22日に投稿したものです。
約3年経過して変化したことは、円高から円安に振り子が逆に振れたことと、日経平均株価が2万円の大台に乗せたこと、さらに消費増税が実施されたことなどです。
庶民の生活の質は向上していません。
物価が上昇しても、賃金のアップは物価上昇をカバーできていません。消費増税が重しになっているからです。
沖縄尖閣諸島問題や、沖縄普天間基地移転問題は一向に解決していません。
本国へのオスプレイ配備も今後、問題を生じかねません。
さらに憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使容認を国民に迫っています。
憲法改正ではなく、現行のままで「解釈の変更」という奥の手を使ったのです。
解釈は、拡大させることも、歪曲させることも可能です。
憲法改正論議で路線を変更しました。
憲法改正には、大きな障害があるからです。
憲法改正の条件
1 各議院の総議員の3分の2以上の賛成
2 特別の国民投票又は国会の定める選挙の際
行われる投票において、その過半数の賛成
憲法第96条第1項に規定されています。
ただ、規定が曖昧なため、憲法改正推進派の都合によって、どのようにでも解釈することが可能になってしまいます。
「総議員」と言っても、国会に「出席」した議員総数なのか、単純に衆参両院の総議員なのか、もはっきりしません。
国民投票にしても、低投票率でも有効なのか、という問題があります。
そこで、まず、1の条件が厳しすぎるとして、安倍政権は、「過半数」に緩和させようと画策しました。
1の条件をクリアできなければ先に進めないからです。
日本は、非常に危険な方向に進んでいる、と言わざるを得ません。
安倍政権は戦争を始めたくて仕方がない、と思えてなりません。
国民は、日本政府の動きを、今後も注意深く、監視していかなくてはなりません。
二度と「悲惨な戦争」を起こしてはならないからです。
日本は世界に類を見ない、原爆を2度(広島、長崎)も投下された国である事実を、決して忘れてはなりません。
そのような悲劇に遭ったのは、時の政府が戦争に突き進んで行ったからです。
メディアがその動きに迎合しました。
嘘の報道をし、国民を間違った道に誘導したのです。
➳ 編集後記
『お金の流れが変わった!』という本について
『お金の流れが変わった!』 は世界と日本の金融を考えると、以前とは全く異なる状況になってきたことを大前氏が、理路整然と具体的に、かつ分かりやすく解説している本です。
時の流れは急速で、昨日までの常識が今日には非常識になることは珍しくありません。
経営資源
経営資源として言われているのは、ヒト・モノ・カネ・情報・時間です。
他にシステム等が加わることもありますね。
はじめの5つに共通点がありますが、何でしょうか?
それは「流れ」です。
人流 (入社・退社・異動・昇進・降格)
物流 (売買・配送・輸出入)
金流 (売買に伴うお金の移動・給与・ボーナス)
情報流(情報を収集し、発信)
時間は、刻一刻と流れています。
時間の流れは、過去→現在→未来ではなく、「未来→現在→過去」です。
現在は一瞬のうちに過去になってしまいます。未来と思っていたことが
現在になり、過去になります。
私たちは、「流れ」にコントロールされているとも考えられます。
✅ 安倍晋三元首相は旧統一教会にコントロールされていた、と言わざるを得ません
2022年7月8日午前11時半ごろ、安倍元首相が参議院議員選挙の応援演説中に、奈良県奈良市の近鉄大和西大寺駅北口付近で銃撃を受け、死亡したことはご存じのとおりです。
銃撃したのは、母親が旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の信者で多額の寄附の強要により自己破産し、家庭を崩壊された息子によるものでした。
この事件をきっかけに、安倍元首相は祖父(岸信介氏)の代から半世紀以上にわたる今日に至るまで、旧統一教会との深い関係が続いていた事実が、国民の知るところとなりました。
安倍元首相だけでなく、安倍派の多数の議員も旧統一教会と持ちつ持たれつの関係を続け、その関係を指摘されても、今日まで開き直ってきました。
安倍氏は相当な不正を働いていたと推測されますが(森友学園、加計学園、桜を見る会の問題、東京五輪の汚職疑惑、旧統一教会の関連団体にオンライン演説などなど)、首相という政治権力によって国家公安委員長の人事にまで介入し、検察へ圧力をかけ続け、検察の介入を妨げてきました。
検察はこの事件が発生する以前から、東京五輪汚職疑惑や参院選広島選挙区の候補者陣営への公職選挙法違反にも、安倍氏が関与していた疑いで内偵中でした。
メディアは安倍政権に気を使い、「ペンは剣よりも強し」という報道の本来の使命を果たしてきていませんでした。
官僚も安倍氏に「忖度」してきました。公文書の重要な個所を黒塗りするというような公文書改ざんや公文書の抹消を繰り返してきました。捏造、改ざん、抹消という情報操作をしてきたのです。
こうした諸々の事情が複雑に絡み合ったことが、事件の背景にあったと私は考えています。
憲法第九条改正(改悪)を実現したかった安倍氏にしてみれば、志半ばでこの世を去る事になったわけですが、悪事が明るみになり、国民不在の政治が行われ続ける危険性は一時的にとどまっています。
『権力必腐』というタイトルのノンフィクションがあります。
この本を20年以上前に上梓した、経済小説の第一人者高杉良氏によって、当時の金融機関の腐敗ぶりが明らかになりました。
歴代首相たちだけでなく、政官財(政界、官界、財界)の大物たちも一枚噛んでいたことが実名で書かれています。
ある出版社の社主、実態は政官財と太いパイプを持っていた中心人物が、実名で悪事を明るみに出されたことで、怒りを買い、高杉良氏が脅されたことまで書かれています。
この本が出版されて数十年経っても、日本の政官財は変わっていなかったのですね。
「権力・カネ・名誉」に執着する人たちは古今東西に存在し、これからも存在し続けることでしょう。
⭐ 安倍晋三銃撃事件
エリザベス女王が逝去し、多くの国民に愛されたエリザベス女王の国葬が執り行われるのは分かりますが、安倍元首相の評価がきちんと定まっていない現状で、日本は国葬どころではないでしょう。
私が考える大前研一氏の考え方
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。
私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の言葉は、いつでも私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔶 大前研一氏と私は年齢がちょうど一回り(12歳)離れています。
しかし、その年齢以上に遥かに頭の中身と行動力に差がある、と大前氏の著作を読むたびに痛感します。
構想力、コンサルタント力、提案力、実行力……。
どれをとっても私が及ぶようなものは何一つありません。
それでも、いや、だからこそ大前氏の著作やメルマガを通じ、大前氏の考え方を素直に受け入れることにしているのです。
時には、かなり過激な表現も見受けられますが、それは大前氏がそれだけ真剣に物事を考え、モノマネではなくオリジナルな提案をし、自ら実行しているからです。
そうした姿勢をいつも背中から見ていて、頼もしく感じ、(勝手に)この人に師事し、グル(思想的指導者)と仰いでいるのです。
⭐ 関連書籍
🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。
大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
大前研一オフィシャルウェブ
このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。
⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は7年前にAmebaブログで書きました(2015-06-14 13:42:32)。
「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
⭐ 今までにご紹介してきた書籍です。