東電解体 議論は尽くされたのか2013.12.2 #34 2014-03-30 22:38:53
【『日経ビジネス』の特集記事 】 #34 初出 <バックナンバー>
⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所や重要と考えた個所を抜粋しました。
⭐ 当面は、Ameba(アメブロ)に投稿していた記事を再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、「バックナンバー」と表示し投稿します。
⭐ 1つのテーマについて複数回投稿している場合(ほとんどが該当します)には、1つにまとめて投稿します。タイトルの後の日付は雑誌の発行日で、最後の日付は投稿日を表わしています。
⭐ 一方、新規で投稿した記事については、異なる壁紙を用意し、本文内に「タイトル」と「雑誌発行年月日」を表示します。
再投稿することにした経緯
再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。
自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。
当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。
記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。
さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
(プロフィールから)
2022年9月7日現在、週刊誌『日経ビジネス』を購読していませんが、新たに電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で今年の9月以降に定期購読する予定です。
日経ビジネスの特集記事 #34
東電解体 議論は尽くされたのか 2013.12.2 1/3 2014-03-30 22:38:53
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
私たちは納得できない
東日本大震災に伴う、福島第一原発事故が起きてから、2年9カ月が、たとうとしています。
最近では、ほとんど新聞や週刊誌、あるいはテレビで扱われなくなってきました。
アベノミクスの熱気に浮かれ、やれ株価が上がっただの、冬のボーナスが増えただの、来年の新卒者の求人が増えたなど、光の当たる部分を取り上げて景気が良くなったかのような印象を、国民に与えています。
2020年東京五輪開催決定が、さらに日本の実態を覆い隠すような効果に拍車をかけたような気がしてなりません。
「本当にそうなのだろうか?」と疑問を抱いていたさなかに、グッドタイミングで、日経ビジネスは「東電解体」という、大胆な提言を出し、特集記事を掲載しました。
このように、日経ビジネス取材班(以下、取材班)は、「東電解体」というテーマに深く切り込んでいきました。
最近になって、政界を引退した小泉元首相の「脱原発」発言が、論議を呼んでいます。現役の時には小泉さんは原発推進派だったはずです。
なぜ、180度転換してしまったのでしょうか。
私は2つの理由があると思います。
1つ目の理由は、「もう政治家ではない、一般人である」という自己認識にあると睨んでいます。
政界に在籍していれば、こうした発言はなかなかできないはずです。
自民党が一枚岩でないことを野党に追及されるからです。
もう1つの理由は、福島原発の事態の深刻さと使用済み核燃料の最終処理場は、そう簡単には決められないという実態を知ることになったからだ、と考えています。
小泉さんの発言は「これから日本で最終処分場のメドをつけられると思う方が楽観的で無責任すぎる」というものでした。
汚染水、もれるため息
東電は、柏崎刈羽原発の再稼働を強く国に迫っています。
再稼働がないと、黒字転換できない、という実情があるからです。
安全よりも企業利益を優先するという、企業のエゴです。
今回、「東電解体」というテーマで、取材班は福島第一原発事故現場へ足を運び、現場取材し、そこで働く作業員の人たちにインタビューを敢行しました。
東電本社からすれば、「嫌なこと」だったでしょう。
腹を探られたくないからです。
取材班が現場を訪れて分かったことは、汚染水処理に携わっている作業員の方たちの士気の低下と疲労感、そしてそれが原因で起こったミスの続発でした。
取材班はこう伝えています。
心配なのは、現場で働く人たちの被曝状況です。
何年か経過した後、長期の大量の放射被曝が原因による、甲状腺ガンなどの発症が懸念されます。
さらに、汚染水処理問題と最終的な廃炉に至るまで30年から40年かかるとされています。その間に、熟練作業員を長期的に確保できるのか、という深刻な問題があります。
現場の作業員の士気が低下する理由は、賃金の「中抜き」という実態があるからです。
汚染水問題は相当深刻です。漏れた汚染水を集めて、貯蔵すればそれでいい、というそんな単純なものではないようです。
事故後、退職者は約1400人に達しているそうです。
今後も大事故を防ぐ手立てが必要です。
現状を見ると、ゾッとします。
小泉元首相、横浜市内で講演
自らの発言に対する批判の声に反論(13/11/03)
(YouTube) 再生できません
この動画は、関係者が、今後不利益を被ると判断したためか、削除されています。
次回は、「破綻、はなから棚上げ」についてお伝えします。
日経ビジネスの特集記事 #34
東電解体 議論は尽くされたのか 2013.12.2 2/3 2014-03-30 22:53:36
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
破綻、はなから棚上げ
税金を投入し、東電が実質的に国有化されました。
国有化されてことによって、東電は独自の施策を行うことが困難になっています。
広瀬社長が、経済産業省や財務省、環境省さらに金融機関の要求に右往左往する姿がよく見られるということです。両手両足を縛られ、身動きがとれなくなっているのでしょう。
除染処理の問題一つとっても、一向に進んでいないのが現状です。
除染費用の予算を計上しても、未処理のままになっている個所がかなりあるようです。
いったい国と東電はこれまでどうしてきたのでしょうか。
日経ビジネスの指摘は、最初から決まっていたのだ、というものです。いわゆる「出来レース」ですね。
社内分社は甘すぎる
東電をどうするのか、という議論をする場合、日経ビジネス取材班は、
3つの案に大別できるといいます。
他の案についてはどうでしょう。
では、残る②の分割・売却案はどうでしょうか。
日経ビジネスは東電を解体すべきだと考えています。
では、廃炉関係について、日経ビジネスはどう考えているのでしょうか。「シンプルに考えたい」とは?
東電、福島第1原発5・6号機の廃炉決定
11月中にも自治体に伝達(13/11/20)
(YouTube) 再生できません
この動画も、前回の小泉元首相の発言同様、関係者が不利益を被ると判断されたためか、削除されています。
次回は、「電気料金半減の条件」ほかについてお伝えします。
日経ビジネスの特集記事 #34
東電解体 議論は尽くされたのか 2013.12.2 3/3 2014-03-30 23:16:22
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
電気料金半減の条件
2014年4月から消費増税が行われます。
その前に公共料金の値上げが目白押しで、私たち庶民は、一段と生活が厳しい環境にさらされます。
不満ばかり言っていても、何ら解決にはならないので、自衛策を講じなければなりません。
ある人がお金の使い方には3つある、と言っていました。
「消費」「投資」「浪費」ということです。
「消費」は生活する上で、欠かせないものへの支出。
「投資」は積極的にお金を増やすためにリスクを負うということ。
「浪費」は生活する上で、不可欠ではないものへの支出。
ただ、「浪費」はしてしまいがちですね。
そうかと言って「投資」にはゼロになったり、マイナスになる可能性があり、どこまでリスクを負えるかが、ポイントになります。
そうなると、「消費」に手をつけるしかないことになります。
電気料金を安くするための一つの解答があるそうです。
これはどういう仕組みなのでしょう。
このケースに似たものは、日産自動車の電気自動車、リーフを使い、夜間に電気を備蓄し、その電気で昼間、自宅で使う、というシステムがありましたね。
ただ、そのためにはリーフを購入しなければならないという、「こちらが立てば、あちらが立たず」という二律背反があります。
蓄電池のケースでも、ハウスメーカーが蓄電池付きを売り物にする建物の販売はありました。この場合でも、家の購入が必須でした。
その点で、オリックスグループの試みは、レンタルサービスにしたことに意味があります。普通に購入すると、蓄電池は100万円以上するということですからね。
電気料金を下げるためには、参入障壁を下げることはもちろん、公平さが求められます。大手電力会社は、もともと大型設備とノウハウを蓄積しているからです。
国は、ようやく新しい試みに着手しました。
「減原発」の道しるべ
このブログのシリーズ第一回に、小泉元首相の「反原発」発言についてお伝えしました。
その時、私は次のように感想を書きました。
「福島原発の事態の深刻さと使用済み核燃料の最終処理場は、そう簡単には決められないという実態を知ることになったからだ、と考えています」。
日経ビジネスが伝えるところでは、フィンランドの使用済み核燃料の最終処理場を視察してから、「反原発」へ気持ちが大きく傾いたということです。
この施設で驚くべきことは、管理期間です。
なんと、10万年というのです。10万年ですよ!
そこまで誰がどうやって管理していくのか、考えてしまいましたが。
この事実を知ると、日本の原発政策への不信感が募ります。
東電福島第一原発の事故処理だけでなく、日本全国で約50基ある原発の使用済み核燃料の最終処理場の決定問題が一つ。
さらに、フィンランドのように10万年とまででなくとも、相当の期間管理しなくてはなりません。
フィンランドで、どのようにしてこのような決定ができたのでしょうか。
日経ビジネスは次のように結んでいます。
国民として、原発と使用済み核燃料の再処理について、無関心であってはならない、とつくづく思いました。
⭐ 参考データ
オンカロを訪ねる
世界初の処分場、フィンランドに 日本、「住民意思の尊重」課題―核のごみ
🔷 編集後記
この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことです。私のブログは8年前(2014-03-30 22:38:53)のものです。
私がブログに投稿してから8年後の2022年8月に、岸田首相は原発の再稼働を表明しました。
岸田首相の発言要旨 「原発再稼働へ国があらゆる対応」
GX実行会議、首相挨拶
老朽化した原発の安全性が確認されていない現状で、再稼働によってどんなことが起きるのか想定しているのでしょうか?
あまりに楽観視してはいないでしょうか?
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と数十年にわたる自民党との黒く深い関係、東京五輪の汚職事件、安倍元首相の国葬の問題は全く解決していません。
「新資本主義」という意味不明の、言葉だけが独り歩きする中身のない政策を行うのではなく、首相として説明責任を果たし、国民が納得するように上記3件を決着して欲しいと思います。
優先順位の高いことをすべきです。
このままでは岸田政権の支持率はさらに大きく下落するでしょう。
東京五輪の汚職事件に関わっている可能性が高い、森喜朗氏が首相だった当時の支持率9%を下回る恐れがあります。
もしそうなれば、解散総選挙にならざるを得ません。