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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー 010
日経ビジネスのインタビュー バックナンバー 010
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ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。
2007年1月8日号からスタートしています。1カ月分毎にまとめてあります。
● 2007.10.01 (No.1)<38>
信頼低下への危機感
西川 善文(にしかわ・よしふみ)氏
[日本郵政社長]
営業の第一線の舞台となる郵便局などにおいて、「きちっとルールを守りなさい」と繰り返し、繰り返し、言ってきました。
ただ、守らせる仕組みというものができていなかった。
それが問題だったのです。
これから作っていく仕組みは、まずは十分な人数で、きちんとした社内監査をする。
そこで不十分な点が明らかになれば、それを指導する。
一定期間を置いて、まだ問題があるなとみれば再び監査してみる。
ダメな場合は、やっぱり配置転換などによって体制を変えていくしかないでしょうね。
現場における相互チェックのようなものも必要だと思いますね。
どこの会社でも、いくつかの問題は抱えているものです。
ある程度は仕方がない。
ただウチの場合、あちこちで、しかも次から次へと問題が起こってくる。それを改めるには、お客さまの信頼を得ていくため。
そんな意識改革をするには、だらだらやっても仕方がない。
だから1年と期限を切ってやっていこうとしたわけです。
● 2007.10.08 (No.2)<39>
「改革」の中身、選別の時
小林 陽太郎(こばやし・ようたろう)氏
[富士ゼロックス相談役最高顧問]
日本も米国も、そして中国も目指す方向は一緒なんですよ。
その実現へ向けた方法とか戦略で違いが出てくる。
世界は、米国一極によるグローバリゼーションの体制が徐々に変わりつつあり、中国の存在感が非常に高まってきている。
中国への脅威、不安があるのは仕方ないことですが、日本は中長期的でしかも世界的な視点に立って方法や戦略の違いを克服し、うまくつき合っていく必要があります。
● 2007.10.15 (No.3)<40>
3つの幻想、バブル生む
行天 豊雄(ぎょうてん・とよお)氏
[国際通貨研究所理事長]
バブルというのは3つの幻想ですよ。
第1に、いつの時代でも、どこのマーケットでもそうなんですが、活況がいつまでも続くという幻想。
2番目は、バブルを支える流動性がいつでも潤沢にあるという幻想。
それから、3番目は、リスクが何らかの手段によって有効にコントロールされ続けるという幻想。
実にはっきりしています。
まさにバブルの典型的な特徴を兼ね備えた状況が続いていたわけですから。
● 2007.10.15 (No.4)<41>
リスク掌握こそが金融
藤田 恒郎(ふじた・つねお)氏
[北海道銀行元頭取]
合併協議を始めた時には、かなり拓銀は追い込まれていましたから、あまり時間的な余裕がなかったのは確かです。
私の感触では、大蔵省サイドには拓銀を救済するというシナリオは最初から
なかったように思えました。
不良債権の査定にしても、もう少し時間をかけてお互いの認識のギャップを縮めていければよかったんですけどね。
サブプライムの話もそうですが、リスクを100%把握するのが難しい以上、常に最悪の状況を想定して物事に臨んでいく、金融ビジネスはこれしかないのかもしれません。
● 2007.10.22 (No.5)<42>
ドル機軸経済に危うさ
安斎 隆(あんざい・たかし)氏
[セブン銀行社長]
今はATMでの提携が中心です。
これは預金を現金に替え、現金を預金に替えるという限定的な分野のビジネスです。
だからこそ、ネットワーク端末の信用が問われるわけです。
「紙幣が足りなくなったから引き出せません」ということがないよう体制を24時間365日きちんと作り上げなければなりません。
耐用年数5年で償却すべきATMを3年8カ月で更新したのは、「処理スピードをもっと速く」というお客さんの声に応えるためです。
お客さんは自分のお金を預けている。俺のお金なのに、なんでスムーズに動かないのかと。
とにかく基本に忠実にやるだけです。
● 2007.10.22 (No.6)<43>
実物経済主導への転機
澤上 篤人(さわかみ・あつと)氏
[さわかみ投信社長]
投資信託ブームといっても、販売会社から完全に独立して、独自に商品を設定して、独自に販売している投資信託がどれだけあるか。
結局、販売会社に売ってもらいやすい商品を運用している面が強いのではないかと思います。
こういう話を昔なじみのファンドマネジャーたちとすると、「分かっている。分かってはいるんだけど・・・」という反応になる。
実は海外でも同じ問題があって、70年代は機関投資家は正統派の本格的な長期投資でしたが、どんどん短期志向になってきた。
今の運用スタイルは、株価指数などをベンチマークにして、どれくらい上回った下回ったとやっているんだけれども、本来それは違うんじゃないかと。
5年先、10年先を見据えて投資しようという時に、ベンチマーク運用なんてあり得ないと思うけど。
● 2007.10.29 (No.7)<44>
ビジョンより結果で勝負
マーク・ハード(Mark Hurd)氏
[米ヒューレット・パッカード会長兼CEO]
CEOには3つの中核となる仕事があると私は考えています。
まず、戦略策定に集中することです。
会社の使命と方向性は何なのかを考え、戦略的に何をすべきかを明確にします。
2番目は、戦略を実行しやすいシンプルな事業モデルを作ることです。
そして3番目が、その事業モデルを実行するために最高の人材を集めることです。
この3つがうまく機能すれば、通常、会社はいい方向に向かうはずです。
ただ、素晴らしい戦略と事業モデルを作り、有能な人々を集めることができても、最終的にはそれを日々の業務遂行に落とし込まなくてはなりません。
つまりこの3つの大きな仕事を成功させたうえで、日々の業務に常に時間を費やし、きちんと実践されるように努力することが重要です。
それこそ私がやろうとしていることです。
私が顧客やパートナーに会いに行き、市場で戦略が実行されているのかを日々確かめるのはそのためなのです。
🔷 編集後記
この元記事をアメブロに投稿したのは、9年前のことです(2013-12-26 19:03:45)。
読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。
それだけ歳をとったのだと実感しています。
編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。
月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。
しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。
今回のインタビューの中から興味深い言葉を拾い出してみます。
安斎 隆(あんざい・たかし)氏[セブン銀行社長]
の言葉から。
今はATMでの提携が中心です。これは預金を現金に替え、現金を預金に替えるという限定的な分野のビジネスです。だからこそ、ネットワーク端末の信用が問われるわけです。
「紙幣が足りなくなったから引き出せません」ということがないよう体制を24時間365日きちんと作り上げなければなりません。
セブン銀行が他のネット銀行と大きく異なる点は、セブン銀行はセブン-イレブン各店舗に設置しているATMによるサービス(現金預け払い、振込)に特化していることです。
2022年8月末現在のセブン-イレブンの総店舗数は 21,372店 です(セブン-イレブン・ジャパン 「国内店舗数」から)。
では、ATMの設置台数はどうかといいますと、2022年3月末現在で 26,253台です(セブン銀行 主要データの「ATM設置台数」から)
データ集計の時期は異なりますが、ATM設置総台数はセブン-イレブン総店舗数より約5,000台多くあります。
つまり、ATMはセブン-イレブン全店舗に設置され、セブン-イレブンの店舗外でも設置されていると考えることができます。
ATMの総利用件数は 2022年3月期上期現在で 447百万件で、2022年3月期下期現在で 461百万件です。2022年3月期全期で 908百万件 です。
これだけ多くのATM利用件数があれば、大きな収穫(手数料収入)が得られますし、セブン-イレブンに来店しているのですから、セブン-イレブンで買物をしていく客も数多くいるはずです。
だからこそ、「ネットワーク端末の信用が問われるわけです」という発言に繋がります。
私も出掛けた時には、セブン-イレブンのATMを利用することがあります。
1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。
2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。
途中、数件記事が抜けている個所があります。
データを消失してしまったため現時点では再生できませんが、日経ビジネスの電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。
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