大前研一 名言集 『サラリーマン再起動マニュアル』(05)
『サラリーマン再起動マニュアル』(05)
今回から『サラリーマン再起動マニュアル』から名言を取り上げます。
大前研一氏は、私にとってメンター(師匠)であり、グールー(思想的指導者)の存在でもあります。
大前氏の著作を読んでいつも感じるのは、物事の本質を捉える、ずば抜けた能力です。
凡人である私は大前氏の足元にも及びませんが、不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、と思っています。
『サラリーマン再起動マニュアル』
目次
[イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない
第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?
第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動
第3章[実践編]「中年総合力」を身につける
第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件
第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ
[エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある
根本的に「自己改造=再起動」するためには、三つの方法しかない
すなわち「お金の使い方」と「時間の使い方」、そして「住む場所」を変えることだ
私を含め、旧大陸に属していた人たちにとっては非常に厳しい指摘ですが、今からでも遅くないので、一歩踏み出すことが大切であると思います。
東日本大震災の多くの被災者のことを考えますと、自分たちはまだまだ甘いと言わざるを得ません。
「『自己改造=再起動』するためには、三つの方法しかない。
すなわち『お金の使い方』と『時間の使い方』、 そして『住む場所』を変えることだ」
という大前さんの指摘は、真剣に考えなければならない時期に来ている、と考えています。
三つの方法のうち、「時間の使い方」と「住む場所」は、在宅勤務やノマド(「企業に『雇われずに働く』という意味」 『ノマドと社畜』谷本真由美 P.158)
という選択によって実現が可能です。
ただし、『ノマドと社畜』の著者、谷本真由美さんに
よれば、
また、
という現実を知らないといけません。
つまり、流行だからという安易な気持ちでノマドを選択するのは、危険だということです。
そして、金をどう稼ぐかよりも、金をどう使うかの方がずっと難しいことです。
大金を稼いでも、それ以上使ってしまえば、お金が足りなくなるからです。
自分の価値を高めるための自己投資が、重要になることは、誰よりもあなたが認識していることでしょう。
➳ 編集後記
『サラリーマン再起動マニュアル』 はタイトルから推測すると、マニュアル本のように感じられたかも知れませんが、いわゆるマニュアル本ではありません。
私たちが身につけるべき、本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている普遍性のある本です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。
私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 「根本的に『自己改造=再起動』するためには、三つの方法しかない。
すなわち『お金の使い方』と『時間の使い方』、そして『住む場所』を変えることだ」
最近では、ノマドという言葉は滅多に見聞きしません。代りにフリーランスはよく目や耳にします。ほとんど同じ意味で使われています。
フリーランスの方が言葉そのものから受ける印象で理解しやすいでしょう。
むしろ、FIRE(Financial Independence, Retire Early 「経済的自立」 「早期リタイア」)の方が注目されていますね。
ただ、生活費を切り詰めて、切り詰めて、投資に専念するということは、人生の他の楽しみを放棄して何十年も続けていけるものでしょうか?
仮に目標金額に達したとします。
その後の人生を何に使うのでしょうか?
貯まったお金を取り崩して生活していく勇気はあるのでしょうか?
きっと将来に対して不安を抱くと思います。
一度しかない人生をFIREで達成感はあるのでしょうか?
もちろん、FIREを目指すのもしないのも本人の自由です。
私がとやかく言う権利はありません。
一番難しいと言われているのは、お金の使い方です。
一般的に言われているのは、投資(資金運用)、消費(日常生活に必要なものを買う)、浪費(不相応な欲しい物を買う)の3つです。
ですが、人によってこの3つのお金の使い方の解釈は異なっていると考えています。
他人から見ると、「あれはどう見ても浪費だろ」と思っても、本人にとっては必要不可欠なものかもしれません。
同じように、本人は投資のつもりでも、他人から見るとリスクが大きいギャンブルかもしれません。
それでも本人は投資をしているつもりで、実際に一財産を築くこともあります。
株式投資の格言に「人の往く裏に道あり花の山」があります。
多くの人が進む道とは異なる道を選択することで、投資に成功するという意味です。
他人と同じことをしていては億万長者にはなれないということです。
もちろん、億万長者になることが幸せになることであるかは人によります。
🔶 他人が成功したからといって、同じようなやり方で実践しても上手くいくとは限りません。
成功した人はたまたま運が良くて上手くいったのかもしれません。
あるいは成功者が「こんな方法で上手くいきました」と言ったとしても、再現性がないことはよくあります。
結局、人の真似をしても上手くいく保証はありません。
成功者の考え方からヒントを得て、自分でアレンジして実践し、試行錯誤するしかないと考えています。
🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。
大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
大前研一オフィシャルウェブ
このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。
⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-10-18 20:33:30)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。