大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(13)
『即戦力の磨き方』(13)
大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。
私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。
年齢は関係ないと思っています。
やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。
これはなかなか定めるのが難しい。
自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。
メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。
以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。
『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。
国が国民の生活のことを真剣に考えていないのは、最近、「将来は年金の支給開始年齢を、70歳に引き上げる」といい始めたこと1つとっても明らかだ
優れた問題解決力の持ち主なら、間違いなく即戦力として、どこの企業からも三顧の礼で迎えられるだろう
21世紀は、答えのない時代なのである
この国のエリートやホワイトカラーたちは、学校の試験のように、あらかじめ答えが決まっている問題を解くことはできても、答えのない問題の答えを 考える思考回路を、持ち合わせていないからである
➳ 編集後記
『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 先ほど、某テレビ局で「平成教育○○○」という番組を放映していました。
答えがひとつしかない、最初から答えがわかっている問題を、お笑い芸人や高学歴のタレント化した人たちが、学生服やセーラー服を着て、解いていました。
たまたま家内と娘が観ていたので、少し観ました。
はっきり言って、これらの問題の多くを解けたからと言って、偉いわけではないし、何の意味もありません。
断片化した瑣末な知識を持っていたところで、何の役にも立ちません。
以前、「トリビア(trivial=ささいな、取るに足りない)」という番組がありましたね。そんなことを知っていて、自己満足しているのか、と思いました。
ただし、問題を絞って深掘りするなら話は別です。
タレントが多く出る、この手のバラエティ番組は嫌いです。
ニュースにしてもどのテレビ局も同様な内容ばかりなので、ほとんど観ません。
テレビ局が自分たちの都合で、一方的に番組を流しているので、「自分が知りたいことを知る」ということを基準にすると、テレビはその要求に応えてくれません。
視聴者をバカにしているとしか思えません。
勝間和代さんが、番組スタッフから
「中学生でもわかるように話してください」
と言われたことは頷けます。
中学生向けの番組なら理解できます。
ですが、大人向けの番組です。
視聴者を大人と想定しているのに、
「中学生でもわかるように話す」ということは、
視聴者は中学生レベルということになります。
番組関係者が、自分たちのほうが視聴者より上だ、という意識が根強いからです。
何でもバラエティ化するテレビ制作者は、固定観念に囚われず、もっと知恵を絞った番組作りをしてほしい、と思います。
ヤラセ番組も多すぎます。そのうち、実際に専門機関から「ヤラセ」と認定されるのはごく一部だけですが。
高視聴率が獲得できないと、スポンサーが離れてしまう、あるいはつかないという現実から一步も抜け出せないジレンマに陥っているのです。
好企画がテレビ局に持ち込まれたとしても、
「それでは視聴率が取れない」
の一言で、採用されないことがある、と考えています。
もっとも、NHKでさえ、視聴率を気にするようになっていますから、スポンサーだけが問題ではないですが。
こうした状況にあるので、私はインターネットや本で調べたり、ラジオを聴いたり、街に出て情報収集するようにしています。
テレビは一部の番組を除き、観ません。
個人体験を大切にするべきです。
言い換えると、経験値を高めていくべきです。
大前氏は、こう指摘しています。
「この国のエリートやホワイトカラーたちは、学校の試験のように、あらかじめ答えが決まっている問題を解くことはできても、答えのない問題の答えを考える思考回路を、持ち合わせていないからである」
日本の教育の問題点は、記憶力を試すことに長年重点を置いてきたことです。
知識や情報を増やすことに専念し、考えることを疎かにしてきたからです。
自分で調べることを怠っている人も多いですね。
およそ90%のことはインターネットで調べることができます。
100%ではありません。当然のことです。
ネット上に公開されていない情報は、ネットで調べても見つからないのは当たり前です。
例えば、ノウハウあるいは頭の中にある情報です。
ですが、先に述べたように、ほとんどのことは調べようと思えば調べられるのです。
ところが調べようとしない人が多いのです。
情報に関して、作家の佐藤優さんは、自著の中で、こう語っています。
「自調自考自動」
という言葉を作りました。
実は「自調自考」は私の言葉ではありません。
中高一貫の進学校、渋谷教育学園幕張の教育方針です。
自分で調べ、自分で考える、というものです。
ただ、私はこう考えました。
学生ならそこまででよいですが、社会人になったらそれでは足りません。
自分で調べ、自分で考えた後で、必要なことは、「自ら行動する」ことです。
行動することで結果が出ます。ここが重要です!
🔷 最近では、「自調自考自働」と考えています。
自分で調べ、自分で考えた後で、自ら働く、他の人に働きかけるという意味です。
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-08-10 20:39:59)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]、高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
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