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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(30)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(30)

 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。
 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


夢に限らず、ものを考えるときに一番大事なのがシンキング・パスである

 夢に限らず、ものを考えるときに一番大事なのがシンキング・パスである。どういう道筋でものを考えるかということは、私たちの日常生活のさまざまな場面に関連する。
 たとえば、人とのコミュニケーションがうまくいかなかったとき、相手をなかなか説得できないとき、まず、相手の話を聞いてみる。その人の考えてきた道筋をたどり、理解することが人間関係をよい方向へ持っていく。
 反対に、自分の考えを相手に理解してほしいときにも、まったく同様のことが言える。自分の考え方の道筋を伝えることで、相手は納得してくれるかもしれない。
 結果的に、お互いに相手の意見に賛成できなかったとしても、考え方を知ることはできる。シンキング・パスの効果は大きい。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <88>                  


夢の実現に向かって何をどうしていくか、目的へ到達するまでのアプローチを示すことも、リーダーの大きな仕事である

 夢の実現に向かって何をどうしていくか、目的へ到達するまでのアプローチを示すことも、リーダーの大きな仕事である。夢に向かって進んでいくには、いろいろな到達方法があり得るはずだ。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <89>                  


リーダーには人間性の大きさも求められる

 メンバーにやる気を持たせ、夢を実現していくためには、既に述べてきたことだが、リーダーには人間性の大きさも求められる。自分の考え方を、メンバーがきちんと理解できているかどうか、それがわかるようになれば、その人は名リーダーと言ってよい。そうなるまでにはかなりの経験を要するが、集団をまとめ、引っ張っていくには、メンバーの心を把握することも不可欠である。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <90>                  


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社


✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。
一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「夢の実現に向かって何をどうしていくか、目的へ到達するまでのアプローチを示すことも、リーダーの大きな仕事である」

目的は明示しても、到達するまでのアプローチを示さなければ、途中にある陥穽(わな、落とし穴)にメンバーを突き落としてしまいかねません。

目的へ到達するまでのアプローチ方法は複数あります。その中から最良の選択をするのがリーダーの仕事と言ってもよいでしょう。

リーダーには人間性の大きさも求められる

リーダーという肩書で仕事をする人がいます。パワハラやセクハラをしても許されると考えている人もいます。

彼らは人の上に立つべき人物ではないのにもかかわらず、彼らをリーダーに選任する上司は人を見る目がないということになります。

肩書は役割を示すものに過ぎないのに、自分を偉い人間だと思い込むケースがよくあります。人間の器が小さいのです。




✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。
BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。
『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。
(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。


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藤巻 隆
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