大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(30)
『ロウアーミドルの衝撃』(30)
「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。
しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。
派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。
そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』(発売日 : 2006/1/26)です。
現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
新しいものが生まれてきたら、古いものは自然淘汰されるなどして改革は楽に進む
これからの日本を世界のトップレベルに維持していくために必要な人材は、世界のどこに出しても活躍できる、北欧型人材であろう
我々は「王位継承(次期首相の任命)」に関して物申さなくてはいけない
➳ 編集後記
ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 日本の場合、「前例がない」という理由で却下されるケースが多いですね。
とりわけ、官僚の世界ではそれが顕著です。
ですが、民間企業においては「前例がないからやる」という気概がないと、新市場を切り拓いていくことはできません。
そもそも、その「前例」ですが、最初から存在していたわけではありません。
スタート時には「前例」はなかったのです。
既得権益を守るために、自分たちの都合を第一に考えて、屁理屈を述べているに過ぎません。
今、『野蛮人のテーブルマナー ビジネスを勝ち抜く情報戦術』(佐藤優 講談社 2007年12月3日第1刷発行)を読んでいるのですが、この本の中に「なるほど」と思った個所がありました。
なるほど、日本は与党が民主党から自民党に替わっても、省庁の主要スタッフは誰も入れ替わりませんね。
日本は大統領制をとっていない国だからです。
だから、官僚は既得権益を手放さず、代々継承され、天下りもなくならないのでしょう。
長い間、読んでいただき、ありがとうございました。
次回からは、『即戦力の磨き方』を取り上げます。
ご期待ください!
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
⭐ 参考になるデータをご確認ください。
前例のないことが続くとき リーダーはどうあるべきか
このウェブサイトを見ると、以下のことが書かれています(抜粋)。
「答えがないかもしれないとき、あるいは準備ができていないときこそ、自分の本当の実力を発揮できる」
「前例のない状況にあるとき、楽天主義はダメです。部下に対して、『大丈夫だ。我々ならなんとかこの危機を乗り越えられるのだ』などと、根拠もなくいってはいけません。『何事が起きているのかもわからない』という前提に立たないといけません」
「会社という組織のレベルでいうと『我が社の業績は今回のことで悪化している』となる。しかも『改善する見こみもあまり立たない』。この真実を隠さないで、ちゃんとチームのメンバーに伝える、ということがリーダーの役目です。それなのに真実を隠蔽してしまうと、信頼を失うことになるでしょう」
「会社という組織のレベルでいうと「我が社の業績は今回のことで悪化している」となる。しかも『改善する見こみもあまり立たない』。この真実を隠さないで、ちゃんとチームのメンバーに伝える、ということがリーダーの役目です。それなのに真実を隠蔽してしまうと、信頼を失うことになるでしょう」
「たとえ最悪の事態を招くことになるとしても、このリーダーだったらついていきたいと思えるリーダーにならないといけない」
「組織のために、部下のために働くのがリーダーです。もちろん自分一人で何もかもはできないのですが、リーダーとして『できるかぎりのことをしたい』ということを、きちんといわないといけない。そのためには、根拠のない楽天主義を振りかざしてはいけない」
リーダーと部下との間にラポール(信頼関係)が成立していなければ、部下は何を言っても面従腹背で、本気でついていこうとはしないでしょう。
⭐出典元: 日経電子版 前例のないことが続くとき リーダーはどうあるべきか 2022年4月16日 2:00
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-07-20 22:31:24)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]、高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
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