大前研一 名言集 『チャイナ・インパクト』(11)
『チャイナ・インパクト』(11)
『チャイナ・インパクト』(初版 2002年3月29日 講談社)は、中国を正しく理解するための視点を提供してくれる本です。中国関係では、この本を含めた3部作(『中国シフト』『中華連邦』)は必読です。
20年前に出版された本とは思えない内容です。中国に関する情報としてかなり確度の高い内容であったと今になってよく分かります。
中国問題の専門家とは異なる視点で書かれています。大前氏は自分の頭で考えるだけでなく、必ず現地へ足を運び、自分の五感を使って自分の考え方と実際にはどう違うのか確かめ修正します。大前氏は行動の人です。
中国と台湾は、公式には国交が断絶していて、表向き直接の行き来ができない。現在は「小三通(さんつう)」といって、例外的に福建省と台湾の馬祖島、金門島との間で通商、通航、通信が開放されているだけだ
現在の大連は、建物も美しく清潔で、歩道には塵一つ落ちていないほどだ
「間接業務のユニクロ化」とは、バックルームと呼ばれる間接業務のうち、比較的労働集約型で付加価値の低い業務を、人件費の安い海外へアウトソーシングするという発想である
➳ 編集後記
『チャイナ・インパクト』(初版 2002年3月29日 講談社)は、中国を正しく理解するための視点を提供してくれる本です。20年前に出版された本とは今振り返っても凄いと思います。大前氏は常に先を観ています。
今読んでも、内容は古さを感じません。陳腐化していません。
その理由は、大前研一氏が物事の本質を述べているからです。洞察力が素晴らしいと思います。ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化します。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔶 現在では、中国は台湾を攻撃し、完全に掌握し、中国の統治下に置こうと目論んでいます。しかし、簡単なことではないでしょう。
台湾の近くには沖縄があります。地政学的に考えると、沖縄駐留の米軍基地が台湾を守るという構図が成り立ちます。米国にとって台湾は重要な存在です。実質的に「一国」と捉えています。
TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)は米国のIntelとともに2大半導体メーカーとして君臨しています。
日本にとっても重要な企業です。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は14年前にFC2ブログで書きました(2008-02-10 09:57 by 藤巻 隆)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]、高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。