大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(14)
『ロウアーミドルの衝撃』(14)
「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。
しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。
派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。
そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。
現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
ロウアーミドル以下が八割を占める今の時代、地価の下落は日本が「生活者大国」になっていくための必要条件だと考えなければならないのだ
日本の建築基準法にはあまりにも理不尽な規制が多く、海外から建物や建材を入れられないようにしているからだ
必要な情報の提供だけを義務付けるようにして、後はユーザーが自分で選べばいいのである
➳ 編集後記
ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 「ロウアーミドル以下が八割を占める今の時代、地価の下落は日本が『生活者大国』になっていくための必要条件だと考えなければならないのだ」
現在、地下はじわじわ上昇している印象があります。
特に一等地として知られている地域です。
ところが、ドル高円安の現状で海外投資家(投資ファンドなど)は日本の土地は安いと判断しているそうです。
日本の一等地が買い占められるのではないかと危機感を抱いています。
⭐ 参考になるデータは下記のサイトでご確認ください。
【土地価格】2012~2021年の10年間推移データ
このデータを見ると、
2021年では全般的に地価はやや下落しています。
ただ、実感とは乖離しています。高止まりしている印象があります。
このサイトの〈まとめ〉を見ると、下記のように書かれています。
「10年間の推移を見ると、2012年から緩やかな上昇傾向だった土地価格も2021年では下落に転じた都市が多い」
「一部の地域では上昇が見られることからも、土地価格には地域差があり、一律同じような動きをしない」
⭐ 出典元: TAS-MAP 2021-08-16 10:00
こちらもご覧ください。
海外ファンド、日本の不動産買いを加速
このサイトを見ると、下記のような記述があります。
「海外の投資会社が日本の不動産への買い姿勢を強めている」
「ゴールドマン・サックス証券は日本の組織を今月1日に再編。物流施設やレジ、オフィスなどにコアからオポチュニスティックまでフルラインナップで投資する体制を整えた」
「米ブラックストーンは昨年、日本の賃貸レジに3000億円規模の大型投資を行い話題を集めた」
「米ハイトマンは自社のファンドを通じて東京都心周辺の賃貸レジ8物件(総戸数329戸)を8日までに取得した。都心のワンルームが中心。同社は欧米で約2万戸の住宅を運用していて、日本ではオフィスや商業施設などの投資実績があるが、レジを買うのは今回が初めてという」
国民が知らないうちに、この建物や土地の所有者が外国法人や外国人に変わっているかも知れません。
⭐ 出典元: 不動産ニュース 2021年11月11日
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-06-13 21:56:11)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]、高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
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