『お金の流れが変わった!』(9)
『お金の流れが変わった!』(9)
新興国が動かす世界経済の新ルール
PHP研究所 2011年1月5日 第1版第1刷
<目次>
第1章 超大国「G2」の黄昏
Ⅰアメリカ-「唯一の大国」はいかにして崩壊したか
Ⅱ中国-バブル崩壊はいつやってくるか
第2章 お金の流れが変わった!
Ⅰ「ホームレス・マネー」に翻弄される世界
ⅡEU-帝国拡大から防衛のシナリオ
Ⅲ新興国ー21世紀の世界経済の寵児
第3章 21世紀の新パラダイムと日本
Ⅰマクロ経済政策はもう効かない
Ⅱ市場が日本を見限る日
第4章 新興国市場とホームレス・マネー活用戦略
Ⅰ新興国で成功するための発想
Ⅱ日本経済再成長の処方箋
Ⅱ日本経済再成長の処方箋
所得税率を下げて税収が減った国などない
個人の固定資産と金融資産の総計は3500兆円程度であるから、ここに毎年1パーセント程度の税金をかければ35兆円の税収となる
減価償却期間の短縮は、税金を使わない景気刺激策の最大の起爆剤である
日本は早晩、経済大国の看板を下ろさざるをえない
円安が進行し、93.60ー.62円/ドル(2013年2月14日現在)で取引されています。
円安傾向が進行すればするほど、自動車産業などの輸出基幹産業は収益が大幅に改善されます。
今まで円高に苦しめられてきた呪縛を解かれ、一気に回復することでしょう。
一方で、原油や食料品など、商品によっては90%近くを輸入に頼る日本は物価が上昇しています。
インフレターゲットで2%の上昇を目指す自民党政権の思惑通りいくとは限りません。
2%どころか4%~5%、極端な場合10%以上の物価上昇になることもありえます。
所得税に関して言えば、医師優遇税制と宗教法人への課税強化は実施すべきだと考えますが、いかがですか?
開業医は所得の72%が経費と認められ、所得のわずか28%にしか課税されません。
日本医師会は開業医のための団体で、長年にわたって自民党に献金してきました。
ですから、残念ながら、この構造は変えられないでしょう。
宗教法人への課税強化は可能ではないでしょうか。
お坊さんは、宗教法人から給料をもらっている構図になります。
お坊さんの中には高級スポーツカーを乗り回す人がいますが、宗教法人名義にしているため、本人の懐は傷みません。
以上2例は、私たち一般人とはかけ離れた存在ですね。
長らく、『お金の流れが変わった!』の中から名言をご紹介して
きましたが、今回で終わりになります。
次回からは『リーダーの条件が変わった!』を取り上げる予定
です。
ご期待下さい!
以上までの記事は、2013年2月14日に投稿したものです。
2年で円安がさらに進行しました。
現在では、1ドル120円台で推移しています。
円安、円高というのは相対的なものです。
ある基準日と比較して、円安、円高と言っているに過ぎません。
固定相場制が施行されていた当時の為替は、1ドル=360円でした。
ところが、ニクソン・ショック(1971年8月15日)以後、変動相場制に移行し、円高が進みました。
360(円)→ 300 → 250 → 230 → 200 → 180 → 160 → 140 → 120 → 100 → 80 → 100 → 120 → ?
本来、自国通貨は、経済が強ければ、円高になります。
弱ければ、円安になります。
今や、日本円は世界で最も安全な通貨の一つとなりました。
ただし、基軸通貨は依然として米ドルです。
世界中で流通するのは米ドルです。
今後、円安が更に進行するのか、あるいは逆に、円高になるのか、為替の専門家でも見解が別れます。
円安にせよ円高にせよ、メリットとデメリットの両面があることは、ご存じのとおりです。
輸出産業にとっては、ドル建て決済が通常ですから、円安になると、増益になります。円高になると、減益になります。
輸入産業にとっては、輸出産業での状況の真逆のことが起こります。
消費者の立場から見ると、円安になると輸入品の値段が高くなり、円高になると安くなります。
では、ドルのまま受け取ればいいではないか、と考える人がいますが、給料をドルで受け取れますか?
必ず、円転(ドルから円に転換)しなければなりません。
日本国内では、ドルのままで、ものを買うことはできませんね。
➳ 編集後記
『お金の流れが変わった!』という本について
『お金の流れが変わった!』 は世界と日本の金融を考えると、以前とは全く異なる状況になってきたことを大前氏が、理路整然と具体的に、かつ分かりやすく解説している本です。
時の流れは急速で、昨日までの常識が今日には非常識になることは珍しくありません。
経営資源
経営資源として言われているのは、ヒト・モノ・カネ・情報・時間です。
他にシステム等が加わることもありますね。
はじめの5つに共通点がありますが、何でしょうか?
それは「流れ」です。
人流 (入社・退社・異動・昇進・降格)
物流 (売買・配送・輸出入)
金流 (売買に伴うお金の移動・給与・ボーナス)
情報流(情報を収集し、発信)
時間は、刻一刻と流れています。
時間の流れは、過去→現在→未来ではなく、「未来→現在→過去」です。
現在は一瞬のうちに過去になってしまいます。未来と思っていたことが
現在になり、過去になります。
私たちは、「流れ」にコントロールされているとも考えられます。
✅ 医師優遇税制
措置法第26条による概算経費率の適用について
(税理士法人 FP総合研究所)
このウェブサイトの(2)必要経費に算入する金額をご覧ください。
社会保険診療報酬 概算経費額の計算式
2,500万円以下 社会保険診療報酬✕72%
2,500万円超 社会保険診療報酬✕70%+50万円
3,000万円以下
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開業医と比較すると、サラリーマンは経費として認められる金額は微々たるものですね。
✅ 宗教法人への課税
巨額寄付を集める旧統一教会に批判の声、なぜ宗教法人は非課税なのか
(弁護士ドットコム)2022年08月04日 10時19分
このウェブサイトからポイントを抜粋します。
●宗教法人の「収益事業」以外の収益は課税されない
●旧統一教会、3000万円の聖本が非課税になる理由
信者は自由意志ではなく、マインドコントロールや脅しによって献金を強要されています。
しかし、現時点では状況証拠であり、直接証拠を見いだすことが困難であるため、税務署の税務調査や警察の捜査ができないのです。
●宗教法人のビジネスモデルはどこも似ている
●宗教に関する規制が難しい理由
旧統一教会の場合、宗教法人として認可しているために税制面で手が出せないのですが、反社会的団体ということが断定できれば、刑法と税法の両面で追及できるのですが……。
私が考える大前研一氏の考え方
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。
私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の言葉は、いつでも私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔶 大前研一氏と私は年齢がちょうど一回り(12歳)離れています。
しかし、その年齢以上に遥かに頭の中身と行動力に差がある、と大前氏の著作を読むたびに痛感します。
構想力、コンサルタント力、提案力、実行力……。
どれをとっても私が及ぶようなものは何一つありません。
それでも、いや、だからこそ大前氏の著作やメルマガを通じ、大前氏の考え方を素直に受け入れることにしているのです。
時には、かなり過激な表現も見受けられますが、それは大前氏がそれだけ真剣に物事を考え、モノマネではなくオリジナルな提案をし、自ら実行しているからです。
そうした姿勢をいつも背中から見ていて、頼もしく感じ、(勝手に)この人に師事し、グル(思想的指導者)と仰いでいるのです。
⭐ 関連書籍
🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。
大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
大前研一オフィシャルウェブ
このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。
⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は7年前にAmebaブログで書きました(2015-06-20 21:25:27)。
「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
⭐ 今までにご紹介してきた書籍です。