大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(21)
『即戦力の磨き方』(21)
大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。
私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。
年齢は関係ないと思っています。
やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。
これはなかなか定めるのが難しい。
自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。
メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。
以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。
『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。
やはり組織が大きく変わるためにはチームが必要だ
とにかく定年後というのは、サラリーマンにとって、やりたいこと、好きなことをやれる、最大かつ最後のチャンスなのである
会社の名刺が使えるうちに、できるだけ多くの人に会って社外人脈を広げておくというのは、すぐにできるだろう
➳ 編集後記
『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 シグマクシス会長兼社長の倉重英樹さんは、『日経ビジネス』の有訓無訓の中で、大前氏から言われた言葉を覚えている、と語っています。
倉重さんは、プライスウォーターハウスや日本テレコムの社長を歴任した後、65歳でシグマクシスを立ち上げました。
プライスウォーターハウスに在任中に感じたことは、クライアントに問題解決策を提案していたわけですが、自社内には問題が山積していたそうです。
「紺屋(こうや)の白袴」ですね。
そのため、この状態はおかしい、自ら改革しなくてはクライアントに正しい提言はできないということで、自社改革を遂行したそうです。
そうした経験から生み出されたのが、「やるべきこと」「やりたいこと」「できること」です。
これらを定義し、3つの輪に例え、この3つの輪を大きくしていくことで、仕事が面白くなる、と語っています。
🔶 「会社の名刺が使えるうちに、できるだけ多くの人に会って社外人脈を広げておくというのは、すぐにできるだろう」
この言葉には1つ注意すべきことがあります。
それは、名刺交換の際に、相手があなたの名刺に印刷されている「会社」を見てあなたという人物を判断しているのか、それともあなたの「名前」を見てあなたという人物を判断しているのか、ということです。
つまり、「会社」が主で「あなた」が従なのか、それとも「あなた」が主で「会社」が従なのかということです。
名刺交換した相手が、「あなたの会社」で判断し、「あなた」は二の次の存在であるのか、「会社」がどこであろうと「あなた」を高く評価し、信頼しているのかということです。
多くの場合、「あなた」の名前より「社名」で判断されます。
ですから、定年退職したり、独立して第二の人生をスタートさせた場合、前の会社の存在がどんなに大きなものであったかを思い知ることになります。
自分ではどんなに素晴らしい業績を上げたと思っていても、その会社があったからできたという判断をされることが多くあります。
この点は十分に留意したほうがいいです。
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
⭐ 参考になるデータをご確認ください。
ストリートスマートとアカデミックスマートの違い
【全文】大前研一講演:泥沼を這い上がったストリートスマートから学ぶ「経営者の勘所」
このウェブサイトを見ると、大前氏が次のように発言していることが分かります。ストリートスマートとアカデミックスマートはとても対照的な存在です。
「日本の経営史を読むと、したたかな経営者というのは、いわゆるストリートスマート。ストリートスマートというのは、アカデミックスマートと呼ばれる学校の出来る子と違って、嗅覚とか感覚が非常に研ぎ澄まされているわけ。今、何作ったら売れるかということに、非常な勘がある。今の経営者には、これがなくなってるんだ」
上記の言葉は2014年8月13日に投稿されましたが、今でも当てはまることが多いのではないか、と私は考えています(「なお本稿は、2012年5月20日に行われた、アタッカーズ・ビジネススクール(ABS)での特別講義の模様(一部)を書き起こしております」と最後に書かれています)。
大前氏は、ヤマハの中興の祖の川上源一氏やファスナーのYKKの創業者の吉田忠雄氏、世界的な建築家の安藤忠雄氏のエピソードを語っています。
とても面白いですよ。
⭐ 出典元: U-NOTE編集部 2014/08/13(最終更新日:2014/08/13)
大前研一オフィシャルウェブ
このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。
⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-08-25 21:30:46)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]、高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。