大前研一 名言集 『サラリーマン再起動マニュアル』(44)
『サラリーマン再起動マニュアル』(44)
今回から『サラリーマン再起動マニュアル』から名言を取り上げます。
大前研一氏は、私にとってメンター(師匠)であり、グールー(思想的指導者)の存在でもあります。
大前氏の著作を読んでいつも感じるのは、物事の本質を捉える、ずば抜けた能力です。
凡人である私は大前氏の足元にも及びませんが、不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、と思っています。
『サラリーマン再起動マニュアル』
目次
[イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない
第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?
第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動
第3章[実践編]「中年総合力」を身につける
第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件
第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ
[エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある
✅ 小学館 出版年月日 2008/9/29
人が減れば減るほど仕事の権限がどんどん増え、給料もどんどん上がる
だからみんないっそう一所懸命に働いて、個人の能力も会社の業績も上がっていく
➳ 編集後記
『サラリーマン再起動マニュアル』 はタイトルから推測すると、マニュアル本のように感じられたかも知れませんが、いわゆるマニュアル本ではありません。
私たちが身につけるべき、本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている普遍性のある本です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。
私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の言葉は、いつでも私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔶 業種業態を問わず、人件費が大きなコストであることに、違いはありません。
ただし、コストカットして企業業績が向上すればいいのですが、うまく機能しない会社が多いのです。
そこで、どうしてなのか考えてみました。
リストラ策を断行しようとしたところ、残って欲しい人が先に辞めてしまい、辞めて欲しい人が残る、という事態に遭遇するからではないか、と思いました。
自分の能力に自信のある人は、他でも生きていけます。
しかし、この会社しかないという人はしがみつくしか、生きていくすべがないのです。
以前読んだ本の中に、次のようなことが書かれていました。
「優秀な人材が2割、普通の人が6割、残りの2割は劣る人という経験則がある。ならば上位2割を残して残りの8割を解雇してみた。
結果は、残した2割の優秀な人材と思われた人たちが、2:6:2に分かれた」
この話から、リストラを繰り返しても、2:6:2に分かれるようです。
であるならば、一番ボリュームが大きい6割の人たちの底上げが必須であるということです。
🔶 人員削減のメリット・デメリット
このウェブサイトからポイントとなる個所を抜粋します。
✅ 人件費削減のメリット
1.他の経費も削減できる
2.浮いた資金を他の目的に活用できる
3.金融機関から融資を受けやすくなる
4.株価の上昇
✅ 人件費削減のデメリット
1.従業員のモチベーション低下
2.会社のイメージダウン
3.人材不足に陥る
4.違法になる可能性も?人件費削減の法的リスク
🔶 人員削減(リストラ=本来の意味は事業の再構築で人員削減は最終手段)を行うと、現場が大混乱するケースが頻繁にあります。
部署の人員が減っても業務量は減らないので、しわ寄せがきます。それでも残った社員の給料は上がりません。
業務内容を見直し、社内で抱えず外注に回したり、手作業から、少人数でも効率化できる自動化などへ舵を切ること(現場のIT化<手段>やDX化<目的>)も検討するべきでしょう。
会社の業績が悪化した原因は、営業力や製品力、戦略・戦術だけでなく、経営陣による経営判断の誤りや経営能力の欠如もしばしばあります。
ところが、経営陣は自分たちの責任を棚上げし、役員報酬や役員賞与に手を付けないというケースがあります。
私がサラリーマンだった当時、複数の企業で、経営陣の経営判断の誤りや経営能力の欠如によって企業業績が悪化したことがありました。
*DX(デジタルトランスフォーメーション)化:
経済産業省の定義を引用すると「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
(DX化とIT化は違う?DX化のメリットや課題を解説!成功事例も紹介)
⭐ 関連書籍
🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。
大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
大前研一オフィシャルウェブ
このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。
⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は7年前にAmebaブログで書きました(2015-05-17 21:45:58)。
「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
⭐ 今までにご紹介してきた書籍です。