ユニクロ大転換 柳井正の決断2014.03.24 Vol.61 1/2 2014-05-13 21:20:33
日経ビジネスの特集記事 Vol.61
ユニクロ大転換 柳井正の決断 2014.03.24 Vol.61 1/2 2014-05-13 21:20:33
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
売上高1兆円超えを達成したユニクロが、2020年8月期の目標売上高5兆円を実現するためには、個店にするしかない。そのためには、店舗の主役を「店長」から「スタッフ」へ方向転換することが不可欠であること
が主要テーマです。
「ユニクロがパートやアルバイトを1万6000人正社員へ」という報道があり、一体どうしたのだろうか、というのが第一印象でした。
日経ビジネスは第一特集の「食卓ルネサンス」から「ユニクロ大転換 柳井正の決断」を表紙に持ってきました。きわめて異例のことです。
それだけ大きな変化だったということになります。
尚、この特集を組む前に、柳井正会長兼社長にインタビューしています(2014年2月27日)。
このインタビューの概要は、近い将来にご紹介します。
大転換を決断した理由を率直に語っています。
特報 パート、アルバイト 1万6000人を正社員化
その日、東日本大震災発生からちょうど3年後の3月11日に、パシフィコ横浜で、ファーストリテイリングが半年に1度開く巨大会議「FRコンベンション」が開催されました。
会議の冒頭から、柳井正会長兼社長の口から発せられた言葉は異例続きの内容でした。
柳井さんが懺悔したのです。「えっ!?」
さらに続けます。
柳井さんがこう宣言した時、会場に詰めかけた人たちの心に去来するものは何だったでしょうか?
安堵感? それとも、いっそうの緊張感?
この会議で柳井さんが、発表したことをまとめますと、以下のようになります。
1 パートタイマーとアルバイトを正社員化 (R社員=リージョナル社
員、地域限定)
2 今までの社員を2つに分ける
(1)N社員=ナショナル社員、国内転勤
(2)G社員=グローバル社員、海外勤務
3 店舗の主役を「店長」から「一人ひとりの スタッフ」へ
4 店舗のローカル化
5 2015年には、国内外の店舗数が逆転するため国内の社員一人ひとり
の質の向上が不可欠
スタッフを経営者に
東京・六本木にファーストリテイリング東京本部があります。
(本社は山口県山口市佐山 10717-1)
2月下旬、東京本部会議室に、30人の店長たちが集まりました。
これは、国内ユニクロの店長と柳井さんが直接対話する社内研修「店長ダイレクトミーティング」です。
その日、柳井さんは店長たちに繰り返し説きました。
柳井さんが、店舗の主役を「店長」にした経営を続けてきたため、まず、店長の意識改革を早急に行う必要に迫られたのです。
現在のユニクロの社員数は約3400人ですが、2~3年後には約6倍の約2万人に膨れ上がることになります。
優秀な店長が運営する店ではどのような取り組みがされているか、つぶさに調べた結果、判明したことがありました。
売上を伸ばしている店舗では、店長とスタッフが密にコミュニケーションを取っていることが分かったのです。密なコミュニケーションがスタッフたちに「明るさと活気をもたら」していたのです。
指示待ちでは、「行動が遅くなる→労働時間が伸びる→コストが増加→売上増加せず→増益にならない」という悪循環になります。
本部も店舗に大幅な権限を移譲し、店舗からの発注の自由度を拡大する策を取っています。
店舗にとっては励みになると同時に、発注の結果、売れ残りに対する責任が重くなります。店舗全員で、必死になって「売り切る」ことでしょう。
会社や上司から仕事を「やらされている感」を払拭し、「自主的にやる」という方向性を打ち出したのです。
個店と個客
「個店」で、連想した言葉がありました。それは、「個客」です。
個店は“個”性的な店という意味だと思いますが、個客の“個”は個別の個です。もちろん、“個”性的なという意味も含まれている、と考えています。
『個客ジャーナリズム』(谷口正和 ダイヤモンド社1995年2月9日 初版発行)という本を15年以上前に読みました。
この本の中で、「個客」を次のように定義しています。
サービス業に共通する「個客」への対応の仕方が書いてあります。
今、思いついたことがあります。
ビームス社長・設楽洋社長が日経ビジネスの社長インタビューで次のように語っています。
ビームスは「個店作り」をしてきたのですね。
次回は、
「ユニクロ人の作り方」世界同時大量出店に挑むために
についてお伝えします。
🔷編集後記
この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことで、アメブロでも9年前(2014-05-13 21:20:33)のものです。加筆修正してあります。
ユニクロの成長は目覚ましいものです。
ユニクロのCMを最初にテレビで観た時には、ダサいといいますか、奇妙なものだったことを思い出します。
「やすかろう悪かろう」と叩かれたこともありました。
時が経って、フリースが全国的に爆発的に売れ、ユニクロの名称は一躍有名になり、企業業績も大幅に向上しました。
その後のユニクロの躍進については、私よりもあなたのほうが詳しいかもしれません。
東京証券取引所に上場し、現在は東証プライム銘柄であり、また日経225銘柄でもあります。
株価の最高値が2021年に110,500円になったこともあります。
2023年3月1日付で株式1株を3株に分割しました。
今日(2023/05/09)の終値は30,870円でした。
時価総額は9,823,481百万円(15:00)、約9.8兆円でした。
ユニクロは米国や欧州、アジアでも店舗展開をしていて、現在は日本国内よりも海外の売上高のほうが多くなっています。
つまり、ユニクロはグローバル企業になったのです。
アパレル業界でのポジション
今回の記事は、ユニクロがグローバル企業に脱皮するための大転換の萌芽が見られるという意味で、貴重な内容だったと思います。