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大前研一 名言集 『サラリーマン再起動マニュアル』(06)

『サラリーマン再起動マニュアル』(06)

今回から『サラリーマン再起動マニュアル』から名言を取り上げます。

大前研一氏は、私にとってメンター(師匠)であり、グールー(思想的指導者)の存在でもあります。

大前氏の著作を読んでいつも感じるのは、物事の本質を捉える、ずば抜けた能力です。

凡人である私は大前氏の足元にも及びませんが、不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、と思っています。


『サラリーマン再起動マニュアル』

目次
 [イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない

 第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?

 第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動

 第3章[実践編]「中年総合力」を身につける

 第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件

 第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ

 [エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある


 

独学で建築を学んだ安藤さんは、クレヨンと画用紙を渡せば、あれよあれよという間にコンセプトを決めてパース(設計の完成予想図)を描いてしまう

新大陸時代に伸びる人とは、具体的にはどんな人だろうか?

象徴的な例は、建築家の安藤忠雄さんである。

独学で建築を学んだ安藤さんは、クレヨンと画用紙を渡せば、あれよあれよという間にコンセプトを決めてパース(設計の完成予想図)を描いてしまう

あまりにたやすく描くので「そんな構造で大丈夫なんですか?」と聞いてみたら、 「それは俺の仕事やない。東大を出た優秀なやつらが計算すればいいんや」という。

ほとんどイメージだけなのだが、そのイメージを描ける建築家は他にいないのだ。

『サラリーマン再起動マニュアル』 大前研一の名言 1 〈450〉              
             
                             
                                                      




➳ 編集後記

『サラリーマン再起動マニュアル』 はタイトルから推測すると、マニュアル本のように感じられたかも知れませんが、いわゆるマニュアル本ではありません。

私たちが身につけるべき、本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている普遍性のある本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います

私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。



🔷 「独学で建築を学んだ安藤さんは、クレヨンと画用紙を渡せば、あれよあれよという間にコンセプトを決めてパース(設計の完成予想図)を描いてしまう」


安藤忠雄さんは大学を卒業していません。それでも、独学で建築を学び、東大教授になった方です。アメリカでも教鞭をとっていました。

安藤さんは英語が話せなかったそうですが、授業の進行に問題はなかったということです。というのは、優秀な通訳がいて、安藤さんの話した内容を学生たちに伝えたからです。コンセプトや考え方が極めて重要であることが理解できるでしょう。

安藤さんは世界的な建築家です。

世界的建築家、安藤忠雄さんは、地頭がいいということと、感性が他の人とはまったく異なる、ということだと思います。

建築学を学校で学んで身につけたのではなく、社会でもまれた経験から学んだ、ということなのでしょう。

アカデミック・スマートではなく、ストリート・スマートということです。

「机上の空論」ではないということです。
その点がいわゆる学者との差だと思います。

独学で建築学を学び、世界的な建築家になったのですから、その努力は並大抵なものではなかったはずです。

安藤さんは、『仕事をつくる 私の履歴書』
(安藤忠雄 日本経済新聞出版社 2012年3月11日 第1刷)
の中で、次のように書いています。

仕事は判断力と実行力が全てだ。

音楽や絵画、演劇、文学など、様々な芸術分野のことに自分から興味を持ち、積極的に学ぼうとする姿勢が肝心だ。

そして、自然の中で精一杯遊ぶ時間の中で得た様々な経験が、決断する力と実行する力を育む。

仕事をつくる 私の履歴書                                 
p.84                                 


同様なことを、ノーベル物理学賞を受賞した、中村修二さんも、
『負けてたまるか! 青色発光ダイオード  開発者の言い分』
(中村修二 朝日新聞社 2004年3月25日 第1刷発行)
の中で、書いています。

今の子どもが自然と触れ合う機会を失いつつあるのは非常に残念なことだ。私は自然の中で育てることが、教育の第一歩だと思っている。

身近な疑問は、好奇心や研究心を養う。

子どもは自然の中でこそ育てるべきなのである。

負けてたまるか! 青色発光ダイオード  開発者の言い分                
p.84                  


家の中でゲームに興じたり、記憶力を競うだけの勉強ばかりで、外遊びをしない子どもたちは、大人になって世界との競争で勝ち残っていくことは、難しいかもしれません。


安藤忠雄さんの経歴は下記のウェブサイトをご覧ください。


中村修二さんの経歴は下記のウェブサイトをご覧ください。

中村修二さんは2006年に米国籍を取得しました。
残念なことに、日本は頭脳流出を許しました。


🔶 知識の詰め込み教育では安藤忠雄さんや中村修二さんのような人物は育たないのかもしれません。

日本人は優秀な人たちが多いと思いますが、世界的に知られた人物が最近はめっきり少なくなってきたと感じています。

その理由は、チャレンジ精神や反骨精神ではないかと考えています。
他人と同じことをしたり、考えたりしていたのでは埋もれてしまいます。
オリジナリティが重要です。スタンドプレーではダメです。
基本をしっかり身に着け、いかにして応用へ発展させるか、が問われています。


安藤忠雄さんの本


中村修二さんの本





🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。

大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。



🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。



大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。

⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ




大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-10-21 20:21:32)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。



✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。













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