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大前研一 名言集 『質問する力』(3)

『質問する力』(3)

 『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。

 今でこそ「質問力」をテーマにする本はかなりありますが、19年前に出版された本書はこのテーマの最初の本と言えるかもしれません。

 

政府がデフォルトを起こしたら、国の借金証文である国債は紙屑になります。すると、まず日本の銀行はどこも確実に吹き飛びます


政府がデフォルトを起こしたら、国の借金証文である国債は紙屑になります。すると、まず日本の銀行はどこも確実に吹き飛びます。なぜならほとんどの銀行は莫大な額の国債を保有しているからです。彼らは銀行本来の貸し出し業務で資金を運用せず、それを止めて国債を買っているのです。

『質問する力』 大前研一の名言 1 〈163〉


不良債権の処理とは、経営の危なくなっている企業に銀行が貸し出したお金を、回収してしまうことです。といっても貸したお金の一部しか戻ってはきません


不良債権の処理とは、経営の危なくなっている企業に銀行が貸し出したお金を、回収してしまうことです。といっても貸したお金の一部しか戻ってはきません。それをやると、銀行の損が確定し、一方では資金を取り上げられた企業が潰れます。 
不良債権を処理すると、不良債権はなくなるでしょう。全く不良債権のない国ができるのかもしれません。
しかし、それと景気とは別の問題です。

『質問する力』 大前研一の名言 2 〈164〉


預金者に金利を払わない銀行というのは、(不正蓄財を極秘で預かってくれる)スイス以外では聞いたことがありません


現在の低金利も、不良債権を抱えた銀行やゼネコンを助けるためのものです。
政府が不景気を理由に金利を下げ続けてきたため、預金につく金利がほとんどゼロという状況がもう何年も続いています。
預金者に金利を払わない銀行というのは、(不正蓄財を極秘で預かってくれる)スイス以外では聞いたことがありません

『質問する力』 大前研一の名言 3 〈165〉



➳ 編集後記

『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。

🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。

まず、やってみるという姿勢が大切です。

大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。

➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。

🔷 19年前と現在では日本経済は大きな違いがあります。

1991年に不動産、株式のバブルが弾け、19年前の2003年でも日経平均は8,000円台でした。

2022年4月14日現在、27,000円台まで回復しました。
しかし、1989年12月29日の史上最高値38,915円には回復していません。

2003年時点では、まだ不良債権処理は十分に進んでいませんでした。
倒産件数・負債総額は莫大でした。

東京商工リサーチの調査によれば、「2年連続減少ながら、破産は過去最多件数 負債額は戦後7番目」ということでした。

具体的な数字は、「2003年(平成15年)[1〜12月]の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は、16,255件。負債総額は、11兆5,818億4,100万円となった」そうです。



大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
その本が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。







🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は14年前にFC2ブログで書きました(2008-02-27 11:18 by 藤巻 隆)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。

現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。










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