大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(25)
『ロウアーミドルの衝撃』(25)
「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。
しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。
派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。
そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』(発売日 : 2006/1/26)です。
現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
所得への課税をやめて資産に課税することには、2つのメリットがある
ひとつは、勤労世代を元気にすること
もうひとつは資産の流動化を促進すること
私が考えるもうひとつの税体系は、付加価値税である
国内における、各段階で生み出された付加価値の総計がGDPだ
日本のGDPは約500兆円あるから、付加価値税を10%に設定すれば50兆円、5%でも25兆円の税収になる
➳ 編集後記
ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 大前氏は、経営コンサルタントとしての長い経験と実績に裏打ちされた、提言を今までに数多くしています。
ですが、その場では納得しても結局、何も実践しない議員や役人が大多数で一向に改善されることはありません。
それでも、大前氏は、起業したBBT(ビジネス・ブレーク・スルー)を通じて、BBT大学院などで講義したり、出版したりして啓蒙しています。
大前さんは、「有言実行の人」です。口に出して実行するという、現代では最も尊敬に値することを以前から行っています。
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
⭐ 参考になるデータは下記のサイトでご確認ください。
諸外国における付加価値税の概要
このサイト(pdfで作成されています)は財務省の公式サイトです。
日本、フランス、ドイツ、スウェーデン、英国の付加価値税を比較しています。
日本は2022年6月6日現在、消費税を採用し、付加価値税を採用していませんが、消費税を付加価値税と同様に扱っています。
(データは2022年1月現在)
諸外国の税率比較
日本 フランス ドイツ スウェーデン 英国
10% 20% 19% 25% 20%
(8%) (10%他) (7%) (12%他) (5%)
(軽減税率)
詳細については上記サイトをご覧ください。pdfで一覧表示しています。
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-07-11 21:47:44)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]、高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
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