日経ビジネスの特集記事 70
大転職時代 引き留めるより引き付けよ 2023.02.20 1/3
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
CONTENTS
Prologue 「大転職時代」の到来
PART 1 企業は転職者に何を期待するか 均質な組織を崩す 変革の「起爆剤」たれ
PART 2 ダイレクトリクルーティングが台頭 「待ち」では出遅れる 総スカウト時代に突入
PART 3 面接対策、リファラル採用 キャリア人材を獲得 先進企業の攻略法
PART 4 13万件の口コミデータから検証 20代が集まる人気企業の条件
Epilogue 人材戦略は「脱・囲い込み」 選ばれる企業を目指せ
第1回は
Prologue 「大転職時代」の到来
PART 1 企業は転職者に何を期待するか 均質な組織を崩す 変革の「起爆剤」たれ
を取り上げます。
今はむしろ、多くの企業が中途採用人材を増やしている。多様な人材を組織に集め、変革のきっかけにつなげている。人材を囲い込む時代は終焉(しゅうえん)を迎え、大転職時代の号砲が鳴り響く。
Prologue 「大転職時代」の到来
亀田製菓のケース
亀田製菓と言えば、「柿ピー」が有名で柿の種とピーナッツの重量比率を今までの6:4から7:3に変更したことが話題になりました。
そんな亀田製菓はキャリア採用(中途採用)をどのようにしてきたでしょうか。詳細を見てみましょう。
新卒採用の抑制の影響で、組織の中核を担う30~40代がいないという現状となっているのですね。そこでキャリア採用(中途採用)を増やしているそうです。
一時的な現象ではなく、人員構成を是正するためにはキャリア採用を継続して行っていく必要があります。
終身雇用の終焉
労働者の意識の変化
雇用者側と労働者側の意識変化が転職しやすい状況を生み出した
私が大学を卒業した頃(1978年頃)は、就職先を探すには大学の就職部の紹介や、就職情報誌くらいしかなく、かなり限定された情報の中で求職した記憶があります。半世紀近く前の話なのでまったく参考になりませんね。
現在では、就職斡旋企業によるネットでのきめ細かなサービスが当たり前で、むしろ情報量の過多が求職者の企業選択に迷いを生じさせている可能性があります。
そんな中で、「企業が直接求職者にアプローチできる『ダイレクトリクルーティング』と呼ばれるサービスを提供し始めたことで、より転職しやすい状況が生まれている」(p. 013)そうです。
次の図表をご覧ください。
理由は様々ですが、確実に転職希望者が増加していることが分かります。
ただし、近年非正規雇用者が増加してきた状況のなかで、正規雇用者も転職を志す時代に変わってきたと言えます。
「中途採用」という呼称を「経験者採用」や「キャリア採用」に改める動きが出てきた
ただし、中途採用を経験者採用やキャリア採用に呼称を変えただけで、求職者側の意識に変化をもたらすでしょうか? 本質に変化はないからです。
新卒一括採用のプロパー社員だけでは、事業環境の激変に追いつけない。キャリア採用の強化は「勝てる組織」を作るための重要戦略になりつつある。
PART 1 企業は転職者に何を期待するか 均質な組織を崩す 変革の「起爆剤」たれ
東京海上日動火災保険のケース
私はこの人事担当者の言葉に違和感を感じました。
「うちの社員は皆、真面目で優秀。よく言えば『優等生型』」と述べていますが、企業はそうしたタイプの人たちを採用してきたのですから、そうなるのは必然ではないのかと思いました。
企業の社風とは異質な人間を積極採用してきたのかどうか? 採用時は異質な人間と思われたが、企業の中で時間の経過とともに溶け込んでしまい、異質な部分が影を潜め、同質化してしまったのでしょうか?
たぶんそうではなかったと考えています。社風に合う人を積極的に採用してきたと思います。異質な人は採用の対象外の扱いを受けてきたと推測します。
キャリア採用の現状と今後
自前主義を捨て、変化を加速
NECのケース
同質性が高いとイノベーションは生まれない
キャリア採用に軸足を移した経緯
コンサルティング業務を拡充
NECは外部人材を登用し、企業文化を変えるためコンサルティング業務の拡充に注力するようになったのです。
転職人材を積極的に受け入れることでどのような効果を生んだのでしょうか?
最近では、人材(ヒューマンリソース)に変わる言葉として人的資本(ヒューマンキャピタル)が使われるようになってきました。
NECは人的資本(ヒューマンキャピタル)ではなく、資産(アセット)と捉えています。
Wikipediaには、人的資本(ヒューマン・キャピタル)を次のように定義しています。
同様に、資産(アセット)は次のように定義しています。
つまり、人的資本とは人間が持つ能力(知識や技能)を資本としてとらえる考え方であり、資産は人が生み出す経済的な価値全体と見なす考え方と言えます。
転職人材を活用することについては外資系企業のほうが先行しています。
アクセンチュアのケース
「end to end」
「end to end」の業務範囲
国内にも、外部人材を活用している数少ない企業があるそうです。それはオリックスです。
オリックスが他社とかなり異なると思われるのは次の点です。
外部人材を活用できているオリックスにも危機感はあるということです。
あなたの会社は何型? 年齢比に見る組織の特徴
日経ビジネスは会社を3つに分類してその組織の特徴を解説しています。
3つとは、
1 ひょうたん型
2 ピラミッド型
3 ひし型
です。
順に解説を見てみましょう。
1 ひょうたん型(40代が少なく、若手とベテランが多い)
2 ピラミッド型(意思決定のスピードは速い)
3 ひし型(すでに戦力となっている社員が多いため、事業継続・発展がしやすい)
あなたの会社(あるいは組織)はどの型に当てはまりますか?
次回は
PART 2 ダイレクトリクルーティングが台頭 「待ち」では出遅れる 総スカウト時代に突入
PART 3 面接対策、リファラル採用 キャリア人材を獲得 先進企業の攻略法
をご紹介します。
🔷編集後記
今特集は、「大転職時代」を迎え、企業も社員も転職に真正面から向き合い、互いにとってメリットのある選択をすることが必要になったと言えます。
私は転職(転社とも)を複数回しましたが、その頃は勤め先を変えるのは良いことではないという考え方が支配的でした。一度入社したらその会社に定年退職するまで働くのが普通でした。
私が社会人であった時代とは異なり、現代では転職(転社)について社会が許容するようになってきました。働きにくい職場だと感じたら、さっさと辞め、求職することはごく普通になりました。
その一方で、ヘッドハンティングによって転籍することもまれではなくなってきました。業界で高い評価を得た人物は同業他社だけでなく、異業種からも声がかかることもあるでしょう。
ただし、注意しなければならないことがあります。ヘッドハンティングされたと有頂天になっていたら、実体は現在勤務している企業がヘッドハンティングという形をとり、追い出すのが目的だったという嘘のような本当の話があります。
🔴情報源はできるだけ多く持つ
海外情報を入手しようとすると、英語力が必須であったり、膨大な情報がクラウドサービスを利用すれば手に入りますが、それでも非公開情報はいくらでもあります。そうすると文献に当たることが必要になります。
日本の国立国会図書館のウェブサイトや米国の議会図書館のウェブサイトに当たってみるのも良いかもしれません。
もちろん、ロイターやブルームバーグなどの報道機関の日本版(PCやアプリ)がありますから、これらを利活用すればある程度の情報を収集することは可能です。これらのLINEアプリもありますので、情報を収集することはできます。
あるいは『日経ビジネス』や『東洋経済』、『ダイヤモンド』、『プレジデント』などの雑誌やウェブ版から情報収集することもできます。これらの雑誌やウェブ版の購読をお勧めします。
あとは自分で、関心のあることに絞って検索したり、ChatGPTやBardに質問してみて、知見を広めるのが良いでしょう。
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