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大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(12)

『即戦力の磨き方』(12)

大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。

私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。

年齢は関係ないと思っています。

やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。

これはなかなか定めるのが難しい。

自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。

メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。

以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です
 

いつでも通用する勝利の方程式はないというのが、株式投資の大前提なのである


勘違いしてもらっては困るのだが、この「大前三原則」さえ踏み外さなければ、絶対にケガをしないといっているわけではない。

いつでも通用する勝利の方程式はないというのが、株式投資の大前提なのである

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 1 〈370〉                           






                             

シミュレーションだけして、机上で「ああ、儲かった、損した」では実力はつかないのだ


しかし、怖がって周りから眺めているだけでは、いつまでたっても力はつかない。

シミュレーションだけして、机上で「ああ、儲かった、損した」では実力はつかないのだ

上達したければ、骨の2、3本は折るのを覚悟で、始めるしかない。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 2 〈371〉                             


大事なのはしくじったとき、そこで再起不能にならないよう、少額から分散して始めることだ


大事なのはしくじったとき、そこで再起不能にならないよう、少額から分散して始めることだ

それでも、どうしてもリスクを負うのは嫌だという人は、仕方がない、プロフェッショナルになるのは諦めて、この国と心中してもらうほかない。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 3 〈372〉                           


➳ 編集後記

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔷 「大前三原則」というのは、

1.株の性格と常識を勉強する
2.身近に株を一緒に勉強する仲間をつくる
3.世界を知る


です。


何かを始める場合、共通することですが、まず、基礎となること、基本となることをしっかり身につけることが大切です。

基礎ができて、応用へ進むということが、大原則です。

闇雲に突っ込んでいったら、討ち死にするのがオチです。


私も株式投資(「IPO=新規株式公開」を含む)や投資信託をしたことがあります。現在も株式投資や投資信託を運用しています。

一時、大きな利益を出していたことがありましたが、トータルでは損失を出しました。

ただ、現物取引しかしませんでしたので、致命的な損失にはなりませんでした。

先物取引やオプション取引をしていたら、「底なし沼」に沈んでいたかもしれません。追証(追加証拠金)を証券会社から請求され、決済しなければならないのです。

もちろん、現物の株式を保有していれば売却し、追証に当てることができます。現金が用意できれば、それで決済します。

お金という「財産」は失いましたが、経験(経験値)という「財産」は増えました。

お金という「財産」は増えることもあれば、減ることもあります。

一方、経験(経験値)という「財産」は減ることがなく、経験すればするほど、どんどん増えていきます。

経験(経験値)という「財産」は他のものには代えがたいものです。

つまり、「知識と経験」の両方が不可欠なのです。

大前氏が指摘しているのも、まさにそのことです。


投資する場合、リスクをどこまで負えるのか、が重要になります。

ローリスク・ハイリターンの商品はありません。
あるとすれば、それは詐欺です。

ハイリスク・ハイリターンであり、ローリスク・ローリターンもしくは、ローリスク・ミドルリターンです。

リスクと言った場合、勘違いする人がいますが、下げるだけがリスクではありません。上げるリスクもあります。

投資信託の場合、想定したリターンを大幅に上回った場合、それもリスクと言います。

なぜかといいますと、株価操作といった株価を故意に釣り上げるような動きが市場に影響を与え、株価の乱高下を引き起こすことがあるからです。

それ以外にも、想定していなかった要因が、株価に影響を与えるということがあるからです。

株式投資の格言に

「山高ければ谷深し」

があります。


株価が急激に上がれば、そこで利益確定(利確)売りをして、売り逃げる人がいます。

投資信託や機関投資家(ファンドマネジャーなど)と言われる人たちは、そこで利益を確保するのです。

ところが、株価はまだ上がるはずだと思い込み、買うタイミングが遅れるとピーク近くで買うことになり、後は下がる一方となり、損切りしなくてはならなくなります。

いわゆる「高値づかみ」です。

もう一つ、

「もうはまだ。まだはもう」

という格言もあります。


「もう」、ここまで上がったから売ろうかと思うが、「まだ」上がるという強気(ブル=牛の角は上を向いていることから)でいったほうがいいという考え方と、「まだ」上がると思っていると下がるので、「もう」ここでやめようという弱気(ベア=クマは攻撃する時、振り上げた腕を下ろすことから)になった方がいいという考え方の2つがあります。

これを「ブルとベア」といいます。
上げ相場の見方と下げ相場の見方です。

一般的に、欧米の機関投資家は、前もって設定していた目標値に達したと確認できたら、たとえ更に上がりしそうであっても利益確定売りをします。

顧客に損をさせないためです。
さらに、顧客との信頼関係を損なわないためです。

その理由は、欧米のファンドマネジャーの多くは、企業に属するのではなく、信頼と実績をもとに、ファンドマネジャー個人で、顧客から莫大なお金を預かり、運用していることが多く、しかも自らも投資しているからです。

つまり、自らリスクを負っているのです。

熱くなってしまっては自分も損することになります。

ところが、日本のファンドマネジャーは企業に属する人がほとんどです。すると、顧客よりも会社の利益を優先します。

会社が儲かる道を選択することになります。

そのため、欧米のファンドマネジャーが設定したファンド(投資信託)は15%以上上昇しても、日本のファンドは数%しか上昇しないというケースがでてきます。

その差は、ファンドマネジャーの能力差もありますが、置かれている立場の違いに起因することもあります。




🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。




⭐ 参考になるデータをご確認ください。

リスクとリターン

リスクとリターンについて分かりやすい説明が書かれています。

POINT 1
金融商品の「リスク」とは「リターンが不確実である」こと。

POINT 2
POINT2「リスク」と「リターン」は比例します。

POINT 3
金融商品の価格は様々な要因によって変化します。

⭐ 出典元: リスクとリターン 投資の時間 日本証券業協会





大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-08-10 20:39:59)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。











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