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大前研一 名言集 『チャイナ・インパクト』(7)
『チャイナ・インパクト』(7)
『チャイナ・インパクト』(初版 2002年3月29日 講談社)は、中国を正しく理解するための視点を提供してくれる本です。中国関係では、この本を含めた3部作(『中国シフト』『中華連邦』)は必読です。
20年前に出版された本とは思えない内容です。中国に関する情報としてかなり確度の高い内容であったと今になってよく分かります。
中国問題の専門家とは異なる視点で書かれています。大前氏は自分の頭で考えるだけでなく、必ず現地へ足を運び、自分の五感を使って自分の考え方と実際にはどう違うのか確かめ修正します。大前氏は行動の人です。
空洞化しても、国の経済は全然おかしくならない。日本は空洞化をどんどん進めるべきなのだ
空洞化については、みな錯覚している。空洞化しても、国の経済は全然おかしくならない。日本は空洞化をどんどん進めるべきなのだ。今後、外に出て行く日本企業には、むしろ奨励すらしてあげてもいいと思う。なにせ税金での救済を求めずに、自分で生存地を求めていくのだから。
今の日本人は、あまりに世界のことを知らなすぎる。学者やジャーナリストも、一部の国や事例しか見てきていない。要は、チャイナ・インパクト(中国の衝撃)をいかに自分自身の変革の原動力とするか、という応用問題なのだ
今の日本人は、あまりに世界のことを知らなすぎる。学者やジャーナリストも、一部の国や事例しか見てきていない。それで、空洞化対策だ、デフレ阻止だ、失業対策だ、セーフガードだ、とやるものだから、国民は全体像を見る機会がない。やはり、お隣の中国のことくらいは、自分の足を使いその目で見てきたほうがいいのではないか。また、多くの人が中国を見ることによって、日本に対して正しい危機感を持ってもらうのはよいことだ。日本には、まだまだ打つ手があるし、またダメージを少なくする手も今ならある。要は、チャイナ・インパクト(中国の衝撃)をいかに自分自身の変革の原動力とするか、という応用問題なのだ。
キーワードは、「富の創出機構」「連邦制」「四つのC」だ
私がこれほどまで中国の発展を確信するのには、いくつかの根拠がある。キーワードは、「富の創出機構」「連邦制」「四つのC」だ。これらが互いに相乗効果を発揮しながら、中国の爆発的成長を支えているのである。
➳ 編集後記
『チャイナ・インパクト』(初版 2002年3月29日 講談社)は、中国を正しく理解するための視点を提供してくれる本です。20年前に出版された本とは今振り返っても凄いと思います。大前氏は常に先を観ています。
今読んでも、内容は古さを感じません。陳腐化していません。
その理由は、大前研一氏が物事の本質を述べているからです。洞察力が素晴らしいと思います。ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化します。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔶 「今の日本人は、あまりに世界のことを知らなすぎる」という大前氏の20年前の指摘は、今でも変わっていないと思います。
テレビのワイドショーなどで、時事問題に関して専門家だけでなく、芸能人や芸人にコメントさせているケースがあります。視聴率さえ取れればスポンサーの支持が得られると考えているフシがあります。
頓珍漢なコメントや明らかな間違いのコメントを流すのは視聴者をバカにしていると思います。視聴者に正しい判断ができればよいのですが、間違いや嘘を真に受けてしまう恐れがあります。
大前氏の「4つのC」とは「キャピタル(資本)、コーポレーション(企業)、コンシューマー(消費者)、コミュニケーション(情報)」です。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は14年前にFC2ブログで書きました(2008-02-08 07:12 by 藤巻 隆)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]、高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
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