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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(15)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(15)


 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。

 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


まず第一に挙げたいのは、リーダーは「夢を語る」べき人であるということだ

 
 真のリーダーシップを発揮できる人とは、どんな人を指すのだろうか。どんな人物がリーダーと呼ぶにふさわしいのだろうか。私は、本当の意味でのリーダーとなるためには、以下に列記する七つの行動ができる人であることを、必要かつ重要な条件として挙げたい。
 言い換えれば、この七つの行動をとれない人物には、真のリーダーシップを発揮する力は存在しないということである。
 まず第一に挙げたいのは、リーダーは「夢を語る」べき人であるということだ。トップに立つ人が夢を語らないのでは、その下にいる人間は夢を持つどころか意気消沈してやる気を失ってしまう。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <43>          



二つ目の行動は、「自ら手本を示す」ことである

 
 山本五十六が言ったといわれてきた「やってみて、言って聞かせてさせてみて、誉めてやらねば人は動かじ」は名言中の名言だとしみじみ思う。ここにはリーダーシップの要点が凝縮している。
 二つ目の行動は、「自ら手本を示す」ことである。それでは甘やかしではないか、自分で考えてやったほうが実力がつくという意見もあるだろう。しかし、経験の少ない人間は、仕事の内容や進め方をよく理解できていないはずだ。
 そういう彼らに対して、実務の手順などを実際に目の前で示すことは仕事の能率上からも非常に有効な手だてである。そのためには、リーダー自ら手本を示すことができることが望ましい。それができないようでは、なかなか人はついてこない。 

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <44>         



七つの行動の三つ目は、「チャンスを与える」ことだ

 
 リーダーを志す者は、若いときから幅広い仕事を体験しておくべきである。
 七つの行動の三つ目は、「チャンスを与える」ことだ。人にチャンスを与える、場を与えるということは、リーダーにしかできない特権である。
 人はチャンスを与えられるとやる気を起こして頑張るものである。たとえその人の力が十分でないとしても、思い切ってチャンスを与えることで本人は成長していく。今ひとつ仕事に自信が持てない人にも、チャンスを与えて自信を持たせる。
 どんどんチャンスを与えることが、リーダーの資質を表すことにもなる。
 さらに、チャンスを誰に与えるかを決めることも、リーダーの大事な仕事である。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <45>         


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社



✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。

一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「やってみて、言って聞かせてさせてみて、誉めてやらねば人は動かじ」

手本を見せ、やり方を教え、次にやらせてみて、成果の如何を問わず、努力したことに対しても誉めてやらなければ、人を動かすことはできないということでしょう。

五七五七七という短歌形式にしたことでリズム感があり、多くの人たちに知られています。



✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。

1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。

BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。

『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。

(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。

近況は下記をご覧ください。

「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



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藤巻 隆
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