大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(25)
『即戦力の磨き方』(25)
大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。
私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。
年齢は関係ないと思っています。
やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。
これはなかなか定めるのが難しい。
自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。
メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。
以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。
『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。
ディスカッションというのは、あくまで組織の直面している問題の解決策を見つけるのが目的なのである
もっとも重要なのは、常にロジカルに考え、ロジカルに話せること
ロジカル・シンキングとロジカル・コミュニケーションの二つができれば、自分の力で問題を探し出し、仮説・検証をしながら、答えを見つけることができる
➳ 編集後記
『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 ロジカル・シンキングとロジカル・コミュニケーションは、私たち日本人が最も苦手にする分野かもしれません。
一般的に言えば、学校でも家庭でも、それらを学んだり実践する機会がないからです。
書店行けば、ビジネス書コーナーに「ロジカル・シンキング」関連の書籍が多く並んでいます。
どの書籍も一長一短で、これこそはロジカル・シンキングの強化書(教科書)と言えるものには、なかなか遭遇しません。
テクニックに重点を置いたり、心得を説いたものなど様々ですが、残念ながら「これ1冊」さえあれば、という書籍は私が知る限りありません。
私は、遠回りでも大前研一氏の書籍を多読するのが、一番良いと思っています。
ロジカル・シンキングやロジカル・コミュニケーションを目的とする読書の仕方ではなく、結果として自然に身につくということのほうが、重要だと考えています。
何事においても当てはまりますが、テクニックばかり覚えても、ある特定の条件下でしか通用しないテクニックでは、実戦に役に立ちません。
つまり、ハウツー本に頼ってはいけないということです。
リベラル・アーツ(一般教養)が不可欠なのです。その点を見失ったり、軽視してはならない、と思います。
⭐ 参考データをご紹介します。
大前研一流 問題解決手法とは?(1)はじめに
https://www.ohmae.ac.jp/mbaswitch/_feature_psa1/
このウェブサイトを見ると、ロジカルシンキングの基本的な考え方が述べられています。
「これからは、他人の真似ではなく、社会という知的ジャングルの中で、道なき道を見つけること(パスファインディング)が必要になったといえます。では、その道なき道を見つけていくために、私たちはどうしたらよいのでしょう?
答えは1つ。それは、考える力を付けることです。『論理力』と『創造力』を持つことです。もっと詳しく言うなら、複雑に絡み合った諸事情の中から、物事のあるいは、直面する問題の実態や本質を的確に捉えて対処していく『問題発見能力』と『問題解決能力』を備えることです」
大前研一流 問題解決手法とは?(2)自分の未来は自分で切り開け!問題解決力があれば世界で活躍できる
このウェブサイトからも重要なポイントを抜粋します。
「自分で見つけなければどこにも答えのない今の時代、そのような『問題発見能力』『問題解決能力』を身につければ、ビジネスで成功できるチャンスは大きくなると言えます」
「経験上、ほとんどの場合は、5割以上のウェートを持っている本質的問題=原因は、1つか2つしかありません」
「本質的問題=原因を見つけ出し、それを解決しない限り、問題現象は決して消えないのです」
大前研一流 問題解決手法とは?(3)私が「PSA=プロブレム・ソルビング・アプローチ」の伝道師になるまで
このウェブサイトからも重要なポイントを抜粋します。
日立製作所で高速増殖炉もんじゅの設計をしていた大前氏が、マッキンゼー・アンド・カンパニーで経営コンサルタントに転職した経緯を語っています。
「とにかく経営について一から勉強することにしました。マッキンゼーでは、先程述べた質問の仕方や考えるプロセスだけでなく、経営やコンサルティングの仕方についても誰も教えてはくれません。最初の一年間は、ただひたすら勉強をしたものです」
「アフター5と休日は、ずっと会社内のライブラリーに籠もりました。そこでマッキンゼーが手がけた仕事のデータを収めたマイクロフィッシュ(印刷物を縮小複写したマイクロフィルムのカード)を読み耽ったのです。その結果、私はマッキンゼーの業務内容と問題解決手法を理解し、実際の仕事をあまりしないうちに、当時の先進的なコンサルティングの手法も頭に入れることができました」
「数ヵ月後、私は日本企業のアメリカ進出に関する初仕事を任されました。その時のディレクターが後にトム・ピーターズと一緒に「エクセレントカンパニー」を書いたボブ・ウォーターマンで、マネージャーがJ・アビーでした。この二人に、私は最初のオン・ザ・ジョブ・トレーニングを受けたのです」
「加減乗除だけで問題が解決できて金が稼げる経営コンサルタントというのは不思議な商売だな、と思ったものです」
「なぜ収益が悪化しているか、シェアが落ちているかという原因分析、すなわち根源的な問題発見法を自ら開発していかなくてはならず、結果として『問題解決法』という独自のツールを作り出すことができたからです。このツールは後にマッキンゼーで使われるようになり、ツールのエッセンスが『企業参謀』(プレジデント社)という本にもなりました」
大前研一流 問題解決手法とは?(4)PSAを理解する「問題解決3つの原則」
このウェブサイトからも重要なポイントを抜粋します。
「今、日本人に最も欠けているのは、前例のない問題に直面したときに、それを解決していく力です。具体的に言えば、ロジカル・シンキングとそれを土台にした問題解決法(PSA=プロブレム・ソルビング・アプローチ)のスキルです」
「すべての問題には解決策がある、という強い信念を持ち、必ず今よりも良くなると信じて考え、行動をする。それがプロブレム・ソルバー(問題解決者)に求められる最も大切な態度なのです」
「PSA を使って原因を探っていくと、問題はまったく違うところにあるということが殆どなのです」
これ以降も続きますが、今回はここまでで終わりにします。
⭐ 出典元:
大前研一流 問題解決手法とは?(1)はじめに 2019年4月1日
大前研一流 問題解決手法とは?(2)自分の未来は自分で切り開け!問題解決力があれば世界で活躍できる 2019年4月2日
大前研一流 問題解決手法とは?(3)私が「PSA=プロブレム・ソルビング・アプローチ」の伝道師になるまで 2019年4月3日
大前研一流 問題解決手法とは?(4)PSAを理解する「問題解決3つの原則」 2019年4月4日
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
大前研一オフィシャルウェブ
このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。
⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-09-09 18:49:41)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]、高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。