新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26 Vol.78 2/2 2014-06-16 21:23:08
日経ビジネスの特集記事 Vol.78
新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26 Vol.78 2/2 2014-06-16 21:23:08
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
今週号の特集記事のテーマは
通信業界で、世界的規模の覇権交代が進んでいる。
LINEなどメッセージアプリを開発する新興事業者が一気に主導権を握リ始めた。
「産業の主役」が変わる時、何が起き、企業の明暗はどこで分かれるのか
ということです。
前回は、通信業界で覇権交代が急激に進んでいる実態の一部をお伝えしました。
今回は、メッセージアプリの新覇者候補はどこで、そのうちのどのサービス提供業者が勝ち残るのか、などの推察を交えて日経ビジネスのホットな情報をお伝えしていきます。
PART 2 新覇者候補はどこか
前回、韓国ではメッセージアプリと言ったら、「カカオトーク(以下、カカオ)」である、とお伝えしました。
韓国では敵なしのカカオですが、海外に目を転じると、はるかに規模の大きな業者が複数あります。
こうした状況に、カカオの経営者は憂鬱な日々を送っています。
では、なぜ海外展開に出遅れたのでしょうか?
日経ビジネスは、「資金力の無さだ」と指摘しています。
その根拠を次のように解説しています。
他社から出資を受け入れているとは言え、金額的には微々たるもので、海外へ打って出られるほどに財務体質を強化できるものではありません。
それどころか、本丸である韓国内のメッセージアプリ市場をLINEが虎視眈々と狙っているのです。
LINEが韓国のメッセージアプリ市場を侵食し始めたら、カカオは海外展開どころではなくなり、国内の市場で防戦一方となるおそれがあります。
覇権を狙うプレーヤーたち
下の図表をご覧ください。
この図表を元に比較しやすいように一覧表に作り直しました。
10社です。
名称 国 登録者数 月間利用者数
Viber (楽天) キプロス 3.5億人 1億人
Telegram ドイツ 非公開 3500万人
WeChat (テンセント) 中国 6億人 3.6億人
Kakao Talk (ヤフー) 韓国 非公開 1.4億人
Between 韓国 700万人 非公開
LINE 日本 4億人 非公開
Kik Messenger カナダ 1億人 非公開
WhatsApp (フェイスブック) 米国 非公開 5億人
Blackberry カナダ 1.1億人 8500万人
Messenger
Tango 米国 2億人 7000万人
この一覧表を見ると、「非公開」が非常に多いので、単純に比較することはできませんが、 WeChat (テンセント)、LINE、WhatsApp (フェイスブック)が3強と言えるでしょう。
新覇者候補① LINE
今年2月に韓国でテレビドラマ「星から来たあなた」が放映されたそうです。どんな内容なのでしょうか?
ポイントは、「このドラマで頻繁に登場するのがLINEだ」ということです。
視聴率が上がれば、必然的にLINEの画面が映し出されることになります。
その結果、LINEにとって好循環が生まれました。
話はこれだけで終わりません。
中国でも、先のドラマがインターネットサイト経由で視聴する人が増加し、社会現象を起こしたそうです。
その結果、
快進撃を続けるLINEですが、死角はないのでしょうか?
今後海外展開は、強力なライバルとの消耗戦に突入することになります。
中国でのライバルは「WeChat(ウィーチャット)」を運営するテンセントです。
新覇者候補② テンセント
テンセントについて、日経ビジネスの解説を見てみましょう。
テンセントは巨大企業だったのですね。
「このテンセントが提供するメッセージアプリがウィーチャット」
(p. 038)です。LINEにとっては手強い相手です。
ウィーチャットは、競合するメッセージアプリ同様の機能を備えているのは当然です。
ウィーチャットの特徴は、
するところにあります。
テンセントはさらに先を目指しています。
この記事を読んで、思い出したのは、以前、日経ビジネスの特集記事で取り上げた、米スクエアの「Squareリーダー」のことです。
覚えていますか?
詳細はこちらのページをご覧ください。
新覇者候補③ ワッツアップ
中国市場で、でんと構えているのがテンセントなら、欧米市場で圧倒的な存在感を示してるのは、フェイスブックが買収したワッツアップです。
ワッツアップについて確認しておきましょう。
LINEやテンセントとの違いはどこにあるのかが、気にかかります。
ワッツアップにとって大きなことは、何と言っても潤沢な資金を保有し、莫大な広告収入を稼ぐフェイスブックの傘下に入ったことで、「資金面に不安がなくなった」ことです。
いずれにせよ、「LINEにとっては、テンセントに負けず劣らず厄介な存在になることは間違いない」(p. 040)ことです。
では、LINE、テンセント、ワッツアップの3社で覇者となる可能性が高いのはどこでしょうか?
この点について、日経ビジネスはこう考えています。
結局、断定することはできない、ということになります。
日経ビジネスは、「2つの教訓」を示しています。
強みが弱みになることもある、という教訓は私たちも自覚しておく必要があります。
SWOT分析で、自己分析することが前提です。
Strengths(強み)
Weaknesses(弱み)
Opportunities(機会)
Threats(脅威)
自社(自分)の強みと弱みを客観的に把握し、異業種(他業界)への参入(転職)が機会はあるか、また異業種から参入される脅威(ライバルの増加)はないか、と分析する時間を取ることは、決してムダなことではありません。
🔷編集後記
この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことで、アメブロでも9年前(2014-06-16 21:23:08)のものです。加筆修正してあります。
日経ビジネスのこのオリジナルの記事が公開されてから、今年(2023年)で9年が経ちました。
今現在の通信の覇者はどのなのでしょうか?
Bing AIに質問してみました。
日経ビジネスは「通信産業の新覇者に最も近いのは、フェイスブックの買収によって『シンプルであり続けること』が可能になったワッツアップだ」
(新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26 p. 041)
と述べていました。
見事に当りましたね!
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