大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(36)
『即戦力の磨き方』(36)
大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。
私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。
年齢は関係ないと思っています。
やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。
これはなかなか定めるのが難しい。
自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。
メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。
以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。
『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。
日本のロウアーミドルが貧しい原因の一つは、本当に好きなことがないからだ
エスカレーター教育を即刻やめて、代わりに自分の足で高く跳べる人間を育てる方向に教育をシフトするのだ
今後さらに少子高齢化が進んでも、それほど心配することはないと私は思っている
➳ 編集後記
『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 少子高齢化が原因の労働力不足に対して、大前氏が考える対策は、極めてシンプルです。
一時、産業の空洞化が騒がれましたが、結局、なるようにしかならなかった、という現実があります。
円高で疲弊した輸出企業のすべてが、海外へ生産拠点を移したわけではありませんでした。できるところと、できないところに二分されたのです。
円安であろうと、円高であろうと、モノづくりで日本の産業を維持しようとするのであれば、「自動化」と「人員削減」は避けて通れません。
企業は、さらなる少人数ででも、対応できる体制づくりに移行していくことになるでしょう。
少子高齢化で若手の働き手が少なくなるのであれば、「自動化」は必然となります。
その際、ネットワーク化による「自動化」が重要なポイントとなるでしょう。
新興国に対抗するには、競争力が弱いため、対抗するにはそうした方法しかない、と考えられるからです。価格競争に巻き込まれたら太刀打ち出来ません。
私は、選択肢は3つしかない、と考えています。
大前氏が指摘するように、
① 海外に完全に生産拠点を移す。
② 3Dプリンターやスマロボ(スマートロボット)などのICT(情報通信技術)を駆使して、多品種少量生産でも採算がとれる道を選択する。
③ 設計や企画、デザインなどのコア(中核)ビジネスは日本に置き、インターネットを使い、データを送信して海外拠点で生産する。
これら3つの選択肢しか残されていないように思います。
あなたは、日本の将来についてどう考えていますか?
『即戦力の磨き方』は今回が最終回となります。
次回からは『サラリーマン再起動マニュアル』から名言を厳選して掲載します。
⭐ 参考データ
DX化とIT化は違う!DX化の必要性やメリット、成功のポイントを事例つき解説
このウェブサイトに記載されている内容を見ると、DX化を下記のようにとてもシンプルに捉えています。
「デジタルを活用することで、ビジネスや私生活を取り巻く環境がより豊かになること」
誤解しやすい点があります。下記の説明で、氷解することでしょう。
「デジタルトランスフォーメーション(DX)とは技術の話ではなく、企業の在り方や働く人たちを変化させることです。その前提として、デジタルテクノロジーがあると考えてください」
DXを推進していかなくてはならない切実な問題は、”2025年の壁”があると考えられていることです。
「今後のビジネス活動においてDXを推進できなければ、2025年以降に最大で年間12兆円もの経済損失が生じる可能性があるとしています。これがいわゆる”2025年の壁”といわれるものです」
DXを行うメリットは4つあるそうです。
・働き方改革の実現
・人材不足の解消
・業務効率化
・新規事業や新サービスのスムーズな開発
これらを考慮すると、対外的な問題解決というよりも、組織や社内の問題解決のために存在すると捉えられます。
では、DXとITはどう違うのでしょうか?
「ITとは、情報技術のことで、インターネットなどのネットワークを駆使して便利に物事を進める技術であり、様々なものや仕組みを便利に行うための技術のことを指しています。
一方DXとは、こうしたIT技術等を使ったサービスや仕組みを浸透させて、ヒトやモノ、企業をより便利にしていくための変化や改革、流れをさす言葉です」
⭐ 出典元: ワイマガ DX化とIT化は違う!DX化の必要性やメリット、成功のポイントを事例つき解説 2022/06/27
🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。
大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
大前研一オフィシャルウェブ
このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。
⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-09-30 22:09:35)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。