堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(36)
『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(36)
『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。
略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。
優れたビジネス書を数多く執筆しています。
今日繁栄している企業に入るということは、過去の延長線上にしか未来を見ていない見方の現れである
中には二十年、三十年かかるものもあるが、それほどの長期にわたらないものでも、人間が何か目的に向かって努力を始めるとき、その努力の成果が現れるのは、大雑把に言って五年ぐらいかかるものである
真の先見力とは、実態として現れない五年前の段階でその萌芽を見いだすことのできる力である
✔ 出典元
『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社
✍ 編集後記
🔶 『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。
私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。
勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!
何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。
「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。
一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。
🔷 「真の先見力とは、実態として現れない五年前の段階でその萌芽を見いだすことのできる力である」
この文脈における真の先見力を身につけるためには、一見すると遠回りをしているように見えても、結局、普段からいろいろなものごとに関心を持ち、自分で手間を惜しまず調べ、自分で考え、自ら働くことを通してしかできないと考えています。
手前味噌になりますが、自調自考自働です。
つまり、一朝一夕には身につかないということです。
近視眼的に、ノウハウが書かれた本に飛びついても、それは著者が過去を振り返り、うまく行った成功例を挙げているだけで、急激な変化を遂げる今日においては、すぐに使えなくなります。陳腐化しているからです。
付け焼き刃ではすぐに折れてしまいます。
”急がば回れ”という考え方は今日でも生きています。
✒ 堀 紘一氏の略歴
ドリームインキュベータ代表取締役社長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。
BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。
『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。
(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)
✒ 堀 紘一氏の略歴補足
2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。