コールセンターを卒業してみて学んだ話
「今日で終わりか、、、。」
終わりの日が近づく前の僕は会社をばっくれたい気持ちでいっぱいだった。
しかし、今日最終日となるとその気持ちがどこえやら、、、。「最後くらいはやったるか!」という不思議な気持ちが湧いてくる。
僕「おはようございます!」
こんな元気のいい挨拶が出来たとは。人間というのは本当に心の左右によってこんなに変わるものか?と自分を見ていて改めて思う。マジで
ちなみに職場の社員さんはすでに僕のことに対しては匙を投げている状態。まぁ、当然といえば当然なんですけどね。社員さんがアドバイスしてきたり注意してきた時に対して、愛想悪く対応したり、何か不満みたいな顔を態度で出したりしていたので今思うと近づいて接してくれていただけで本当に感謝もの。
そんな社員さんが匙を投げたのだ。仕方がない。
人間上手くいっていない時こそ本性が出る。僕の場合は、不機嫌オーラと喋ってくんなオーラ、後は相手の助言に真っ向から無視をしてしまう。要は視野が狭く柔軟な考えができていないのだ。
これは、コールセンターをやっていて本当に自分を知れる大きな収穫だった。この特徴は直すよりもそれを阻止するには?に考えた方が良いことも知れた。
そして、話は戻るけど最終日の結果はどうだったか?もちろん0アポ(終わってるー!)。さすがは僕と言いたとこだ。最後くらいカッコつけて決めてやろう!と思っていたのだが、そんなにカッコよく行けばどれだけよかっただろうか、、。アニメや漫画みたいに最後の最後で覚醒するというのはダメだった。人間日頃の行いの積み重ねが結果に出る。これは、マジで真理だと思う。
ちなみに、最後なんでそんな結果になったのか伝えておこうと思う。
その前に、前の記事でもコールセンターでの僕に語っているので見てみると「こんな奴か〜」と分かるので見ていただければと思う。
人間の行いはなかなか変われないものだ。僕のコール数は120コールぐらいという数字で終わった。他の人は200コール、300コールを叩いている。要は他の人より仕事をしていないということ。
他にも色々あるが数字でいくとそうなる。その上で「ダメだな〜」という自分がいないのはまた面白いというところ。もちろん、結果ワースト1位で終わりました(てへぺろ)。
さて、ここから僕がこの1年間コールセンターで学んだことをシェアしていく。電話技術から組織的在り方、考え方を僕の気づきと共にできているかは置いといて偏見的にだが伝えていくので役に立てれば幸いだ。
コールセンターでの電話技術についての気づき
これ意外だと思うんだけど3つあった。仕事サボりながらよくアポを取っている人達の電話案内を聞いていると共通することがある。
まず1つ目、当たり前感で少し強気。
アポをよく取っている人たちの声を聞いていると、申し訳なさそうな雰囲気で電話してないんだよ。少し強引な感じでトークを進めていき粘り強く、引く時は引く。この肝が据わった人が取るんだなと感じた。だって、声に全く震えがなくトークも安定して相手を不安にさせない速さ。簡単に言えば、申し訳なさそうに話たらお客様は承諾してくれないということがアポに繋がるということが分かった。
2つ目、お客様の断り文句に完全スルーもしくは話題変え。
「結構です」や「弊社はコンサルタントがいますから」、「金額が、、、」という理由で断ってくるパターンが多かった。ただ、アポを取れる人はその断り文句に真剣に対応しない。なぜなら、そこに対応すればお客様の断るリングに上がってしまうからだ。だから、その話が振られた時はお客様を肯定してから少しその話題に触れ、間を置かずに次の話題にトークを持っていくのだ。
これね、、、意外と難しい。どうしてもお客様の質問に全て応えなきゃと意識に持っていかれてしまうのと話題を即変えるという技術をやる人からすると会話が途中で変な違和感(気持ち悪さ)に陥るので、それを自然とできる人というのはやっぱり強い。なので、まとめるとお客様のリングに上がらずこっちのリングに誘導してあげることが大事だと思った。
3つ目、間を置かずにクロージング(締めくくり)まで突っ切る。
これは、話題変えと似ているが対面営業と違ってお客様は見ず知らずの人と電話をする恐怖感があるので早く切りたい気持ちでいっぱいなのだ。なので、どこかのタイミングで断りを入れようかと機会を伺う。(営業の電話がかかってきたら僕だってやるもん!)
だからこそ、早めにクロージングをかけるのだがこれの何が良いかというと、アポ上げなので時間設定という話題に持っていけるのだ。いきなり話題の質が変わり振られるのでお客様はそれについて一度YESかNOを迫られる権利が急に持たされるのだ。しかも、説明はある程度してある状態なので断る理由をお客様は探す必要になる。そこでお格様から質問が色々出てくるので、真剣に聞く体勢に着かせることができるのだ。だからこそ、上手い人は断り文句をものともせず最後まで突っ走るトークをするからこそアポが取れるんだなと感じた。まとめると、聞く体勢に持っていきクロージングでYESかNOを聞き出す。
ここまでが1年間コールセンターで学んだ上手い人が共通するアポ取り技術なのではないかと思った。
仕事環境についての気づき
いやー、これも学びが多かった。まず社員もアルバイトの人たちも情報を共有して見える化する必要があるなと実際現場を体験して気づけたこと。
なぜ、情報を見える化するかというと一つはお互いの苦労が分かるからだ。社員さんは毎日、全体の目標アポ件数を設定してくるのだがここに”なぜ?”の説明がないのだ。なので自分事に捉えきれず、アポを上げなくても最低限給料はもらえるので、その件数を目指すという気になれないのだ。そして2つ目がアルバイターの主体性を出させるためのコールデータの共有だ。
これ、意外と効果がある。まず、アポが取れている人のデータが見れるので自分がアポを取る過程でどこの数値を上げていけばいいかということと競争意識、サボり防止など全体での基準値を保つ・上げるのに結構良いんではないかと気づけたことだ。
あと、僕がいた職場は環境(システム)を変えることはせず、人の力(コールをもっと叩け、トークをもっと上手く、断り文句にこう答えて)でやれ方針にもかかわらず、ロープレ(トーク練習)を全くしない。これも毎日30分した方が良いんじゃないか?とも思ったがこれは恐らく贅沢というものだろう。しかし、自分が会社を起こすなら営業に限っては練習を毎日入れようと思った。
後、もう一つが大事で1時間やった後に毎回7分休憩があるのだが、それが終わった後、社員さんから”士気”がある。しかし、基本ネガティブ(「この時間帯はアポが取れていませんが、、、」、「みんな暗いですね」、「声が全く聞こえませんが、、、」など)から始まりコールについてのアドバイスがあってから仕事が再度始まる。
「それって士気?」とあなたは思うだろう。
僕も思う。”士気”というのはチーム全体のモチベーションをあげることだと思う。そこにアドバイスやネガティブや現状報告などいらない。要はアルバイターの気持ちを上げればいいだけなのだ。それに気づけたことは大分大きかった。昔、フルコミッション営業していた会社が現場に向かう前のミーティングで必ず遊び的ゲームや声出しなどをやっていたがあれにはしっかり意味があったんだなとつくづく思う。
思想や概念についての気づき
これが一番大きな学びと気づきだった。3つある。
終わりがどうであるか
セールスの概念
人が感じる感動とは
終わりがどうであるか、、、
コールセンターを卒業してから家に帰って気づいたこと。
僕以外に卒業されていく方が何人かいた。卒業していく人たちには特徴がある。みんなアポ件数があまり振るわなかった人。そして僕は彼らを最後だけ観察できた(まぁ、サボってたからね!)。そして、社員さんにいうのだ。「役にあまり立てなくてすいません」と。
「いや、1年間全く成果出せなかった僕はどうなんねん!」と心の内でツッコミながらも面白いことに気づいた。人との別れ、仕事の辞表など全て前の終わり方と実は似たような結果(現象)を繰り返しているだけなんじゃないか?と思った。
例えば、彼女との関係で最後に喧嘩別れをしているなら次の恋愛でも同じ原因で何かしら喧嘩別れをしていることや、職場の辞職が結果を出せなくて辞めているとすれば次の似た業種でも同じことをして辞めているのではなかということ。
何事にもそうだが始まりと終わり(仕事の成果、人間関係、目標)を細く決めて最後いい結末で終わらせる、そんな必要があるなと思った。
人が感じる感動とは
社員「君の真面目さを買っていたんだよ。なのにこんな少ないコール数って。流石に裏切られた気分だよ、、。」
僕「お前に真面目さを売った覚えはねぇ!」
これは、コールセンター最終日直前に言われた出来事。
僕は、成績としてかなりひどい営業マン。しかし、以前までは社員さんは僕に対してかなり頑張る子として良い評価をもらっていた。だから、やめさせられることはなかったんだと思う(僕としてはとっとクビにするか会社の今後の人材育成のために僕を実験動物として扱った方が良かったと思うが)。そして、僕がアポをあげるものなら社員さん全員で大喜びをしていた。
だが、最終日には僕のことを煙たがっていた。この出来事の変化について気づいたことがある。それは、期待値のギャップだ。
期待値のギャップとはヤンキーを例えにすると、学校では暴れるのに段ボールに捨てられた猫を拾ったり、花の手入れをしていたらそのヤンキーを見る目は怖い人から良い奴に見えるというものだ。
これが、僕にも起こった。僕の場合、真面目で仕事を一生懸命してくれる人。ただアポはなかなか取れないよね、という印象を社員さんは持っていた。
つまり、ここでは頑張るけど弱い人という良い部分と悪い部分のギャップができていた。だから、社員さんは期待したいという気持ちが出たんだろうではないか。そして、会社卒業日に僕は真面目な僕からコール数を上げない仕事をサボる僕に変わったことによって社員さんが僕に対する印象が変わった。だから、
社員「君の真面目さを買っていたんだよ。なのにこんな少ないコール数って。流石に裏切られた気分だよ、、。」
という真面目で頑張って最後ものすごい結果を出すんじゃないか?という期待が仕事をサボる子に急に変わったのでこういう言葉が出たのではないかと推測した。
しかしながら、この期待のギャップはビジネスや人間関係のにも使えると思った。だって、相手の感情の起伏を起こさせれば嫌いから好きに変えたり感動を生み出す力の理屈がここでわかったからだ。ひょっとしたら、これがコールセンター1年間でもっとも大きい収穫だったと思う。
社員さんには迷惑をかけたが、実際働く環境はめちゃくちゃよかったのだ。素晴らしい会社に入れ働けたことを辞めた今だからこそ感謝ができる。良い経験ができたこと感謝だ。