【アイドルマスター】シンデレラガールズ10thライブ千秋楽とシャイニーカラーズ4thライブから見る「過去から未来へ」の表現の仕方
はじめに
先日機会があってシンデレラガールズ10thライブとシャイニーカラーズ4thライブを現地で見ることが出来ました。
奇しくも両ライブともコンセプトが「過去から未来へ」だったのですが、それぞれのライブで表現の仕方が全く異なっていて面白かったので、それについて書かせて頂こうかと思いました。
※正確にはシンデレラガールズは「10年間の歴史の振り返り」で、シャイニーカラーズは「過去・現在・未来」なので異なっておりますが、過去の振り返りという共通点があるので同列視をさせて頂きました。
両ライブのセットリスト
まずはシンデレラガールズとシャイニーカラーズのライブセットリストから見ていきましょう。
シンデレラガールズ 10thライブ 千秋楽 セットリスト
シャイニーカラーズ 4thライブ セットリスト
ライブ参加メンバーと曲数についての違い
まずボリュームの少ないシャイニーカラーズの方から見ていきましょう。
シャイニーカラーズは7ユニットが揃ってから初めての周年ライブで、ライブ出演者は土曜が26人、日曜が27人と、身内に不幸があって急遽不参加になった近藤玲奈さん以外の全員参加となりました。
(予定では全員参加でした)
曲についてはユニット曲はTHE IDOLM@STER SHINY COLORS L@YERED WINGシリーズから2曲で計14曲、加えてSynthe-Side楽曲としてユニット合同曲を3曲、両日のライブで変えずに披露しました。
全体曲はBRILLI@NT WING、FR@GMENT WING、GR@DATE WING、L@YERED WING、そしてPANOR@MA WINGから計10曲を5曲づつ2日に分けて披露しました。
ユニット曲14曲+Synthe-Side楽曲3曲+全体曲5曲の両日とも合計22曲の楽曲がライブで披露されました。
一方シンデレラガールズはオールシークレットメンバーで、二日で参加者合計77人。
楽曲は両日合わせて100曲でした。
突然数字だけ言われても訳分からないですよね。
まずアイドルマスターシンデレラガールズですが、シンデレラガールズが初出演のアイドルが190人、韓国版モバゲーが初のアイドルが3人います。
その中で、CVが決定しているアイドルが193人中94人います。
なお、アイドル以外にはトレーナーさんが5人、アシスタントのちひろさん、美城専務、そしてプロデューサー3人にCVが付いております。
今回は77人が出演ということなので、77/94が参加したということになりますね。大体全体の4/5位です。
今回のライブ出演状況について、スプレッドシートを添付します。
DAY1のみ参加は19名、DAY2のみ参加は28名、そして両日参加は30名となっております。
ライブ出演されていない19名に関してはボイスのみ参加しておりまして、アイドルとしてMCを担当してくれました。
またプロデューサー3名と美城専務もボイスでMC参加、ちひろさんは佐藤利奈さん本人がロングMCの時に両日現地に来てくれました。
楽曲は両日異なる楽曲で100曲です。シンデレラガールズの楽曲は最近発表されたソロ3曲を入れて321曲なので、おおよそ全体の1/3ですね。
このペースだったら1週間で全曲ライブで披露するのも夢ではありません。
なお、ライブで披露された100曲に関してはアプリゲームのシンデレラガールズスターライトステージで全曲プレイすることが出来ます。デレステの収録曲は全362曲です。
ライブの公演時間について
曲数と出演者だけでみると大きく差が開いておりますが、ライブの公演時間はそこまで差は開いておりません。
シンデレラガールズが4時間半で、シャイニーカラーズが3時間半ほどです。
この差についてはシンデレラガールズの方はとにかく曲を多く演奏する為に出演者によるMCや挨拶は全カット、代わりに尺を決めて収録したアイドルによるMCを採用しています。
またメドレーや曲の尺を縮めて曲数を多くするという手法も利用して4時間半で50曲というライブを実現しました。
逆にシャイニーカラーズの方は出演者の挨拶、MCは全て行い、更には「過去・現在・未来へ」というテーマに沿ってユニット曲の前に、DAY1では「現在の自分から過去の自分へ」の手紙を、DAY2では「現在の自分から未来の自分へ」の手紙を読むという演出を行っていました。
またシンセサイド楽曲ではライブのキービジュアルを意識した集合ポーズを決めるなど、一つ一つの演出に多く時間を取っておりました。
それぞれが魅せた「過去・現在・未来」について
アイドルマスターのライブ演出は多くはJUNGOさんが携わっておりますが、シャイニーカラーズのライブ演出はSHOW DESIGNという会社の井實 博昭さんが担当しております。
同じようなテーマのライブですが、演出家とコンテンツ、歴史の違いもあって、それぞれ全く異なる「過去・現在・未来」の表現がされていて、その差が非常に興味深かったです。
シンデレラガールズ
まずシンデレラガールズが10周年ライブで魅せた「10年の集大成」についてですが、とにかくボリュームがすごい!!
youtubeや特設サイトまで使って、とにかく10年の歴史をぶつけてきます!!
また、今回のライブを「10年の集大成」と書きましたが、正確には「10年の集大成を表現したライブ」です。
正確に言うと1日目がライブの振り返りで、2日目がコンテンツの振り返りで、シンデレラガールズ劇場などのアニメやゲームなどシンデレラガールズが関わってきたコンテンツについて、ライブを通じて振り返ってきました。
なお楽曲コラボとかアニメ、シナリオなどのストーリーについてはまた別です。今回はライブとコンテンツのざっくりとした振り返りです。
その振り返り方法も誰かの視点で語られるなどということはありません。最初に「1stライブ」などと振り返る項目を提示して歌に入ります。「これやで。思い出せー!」とその思い出など精神的なことは全て受け手のライブ鑑賞者や演者に任されます。
またこれまでの10年間で色々なライブがあり、演者さんも様々な衣装を着てきました。
今回のライブで全部着ました。
説明はありません。
最初にちらっと振り返るテーマを出して、早々に曲に移ります。
曲の演出や演者の心情についてはtwitterやブログ、デレラジ、過去の思い出を参照してください。
例えて言うならば満漢全席です。次々にごちそうが運ばれて「おいしいよ!食べて!」と何の説明もされずにモリモリ食べさせられる感じです。
こちらは圧倒的なボリュームと満足感で、胸も腹もはち切れんばかりです。
こんな雑な提示の仕方でも思い出は蘇ってくるもので、次々に湧き上がる思い出で涙が止まりませんでした。
ここまで10年の集大成の「過去」について書いてきましたが、「未来」については2日目の楽曲で表現をしております。
「ココカラミライヘ」です。
これはシンデレラガール総選挙10周年の記念楽曲で、歴代シンデレラガール10名によって歌われました。
言いたいことはDAY2の48,49,50曲目に全て詰まっています。
まず「ココカラミライヘ」であなたと一緒にこれからも進んで行くよという意思を、「always」でいつも一緒にいてくれることに対しての感謝を、そして「お願い!シンデレラ」でこれからもプロデュースよろしくお願いします!という願いを伝えています。
これ以上の言葉はいらない。
言いたいことは全て歌とライブに詰まってる。
MCを削って、挨拶を削って、とにかく曲をぶち込んだシンデレラガールズのライブ。とにかく大ボリュームで、それぞれのプロデューサーが選んだ道が膨大にあるシンデレラガールズ。多くは語らず、それぞれが感じた思いが正解という、シンデレラガールズらしいライブでの表現だと思います。
シャイニーカラーズ
一方シャイニーカラーズは全体的な曲のボリュームは控えめですが、その他演出でこちらの涙を誘ってきます。
シャイニーカラーズはまず4ユニットから始まり、周年ライブ毎に1ユニット増えていって、今回の4thライブでようやく7ユニットが揃いました。
シャイニーカラーズは翼や空をテーマにしていて、7ユニットが揃う、つまりは4年の時を経てようやく虹が完成したのです。
今回は虹が完成してから初めての周年ライブで、4ユニットから始めた過去から7ユニット揃った現在、そして7ユニット揃った283プロの未来はどうなるのかを描いた「過去・現在・未来へ」がテーマとなっております。
このライブはとにかくまーエモい!!
個人的にこのライブを一言で表すとしたら「エモ散らかす」です!!!
演出がとにかくねっとりとしてる!!
だって曲の前に「過去の自分」と「未来の自分」に向けて手紙を読むんだよ!?お前、そんなの泣いちゃうじゃん!!
この手紙はそのアイドルのパーソナルを知っていれば知っているほど心に刺さります!!「そうだよ!そういうこと思ってるよね!」と泣いちゃいます!曲が始まる前から泣きます!!
シャニマスはとにかくシナリオを読ませるゲームで、アイマスシリーズで唯一シナリオブックが出ています。電話本みたいなサイズです。
そのシナリオもアイドルといちゃいちゃするだけじゃなく、アンチとかセンシティブな話題にもガンガン触れて、アイドルの悩みや葛藤も等身大の女の子の悩みそのままにぶつけてきます。湿度が高すぎてべちゃべちゃしています。「アイドル同士がわちゃわちゃしてるコミュが読みてぇ」って軽い気持ちでコミュ読むと、おかゆの中にハバネロ埋められてみたみたいな地雷を踏むときもあります。
とにかく重くて深いです。
しかもアイドルのパーソナルの深堀もアイドル本人だけでなく、ファンや周りの友達を含めて掘り下げてきます。
より実体を伴ってアイドルのパーソナルが迫ってきます。
そんなシャイニーカラーズのライブは全体曲を初期から現在までの曲を全て行い、今年から始まる新シリーズの楽曲を最後に持ってくることで「過去から現在、そして未来へ」を表しています。
またユニット曲で「最新の私たち」を表しつつ、シンセサイド楽曲で「これからの未来の可能性」も提示しております。
そしてアンコールの全員衣装を1stのビヨンドザブルースカイに統一することで「ここから始まる私たち」というような7ユニット揃っての再スタートを表現しています。
演者さんも「懐かしい」と言っていたように、1stライブを強く意識したライブで、温故知新といった言葉がとてもよく似合うライブの演出となっていたかと思います。
今回のライブで強く感じたことは、シャニマスはライブとゲームのシナリオを強く結びつけていて、やはりコミュを読んでアイドルのパーソナルに対する理解を深めた方がよりライブを楽しめます。
最後に
2つのライブで全く異なった表現で、その違いがとても面白く感じました。
コンテンツそれぞれに個性があり、またより深く知れば違う面も見えてくると思っているので、これからのアイマスから目が離せません。
またライブ見返したくなってきました。