突入電流などに対する最も簡単な対策
保護回路でお悩みの回路設計者の皆様、こんばんは。
私も絶賛ISO61000-4の各試験で悩んでおります。
この度は「自分の中の手法として持っているけど、皆にもこれを知らせたい!」と言う思いでこの記事を書きました。
前置きはさておき、その対策をご覧ください。
突入電流対策
これです。これはLDOの雷サージの際に発生する突入電流保護対策です。
端的に言えば保護対象と直列に抵抗を入れます。
回路を知っている人からしたら「なんだこのふざけた抵抗は!」と思うかも知れません。でもめちゃくちゃ効果あるんです!このふざけた抵抗!!
もちろんバリスタやツェナーダイオードなどのその他保護部品との併用を前提に考えております。しかし、それらの部品が働く前の突入電流で後段のICが壊れてしまう場合があります。そういう時に驚く位効果があります。
10ohmとか、それこそ5.1ohmとかの小さな抵抗でも、しっかりと効果はあります。無いよりかはマシです。
是非、行き詰った時に試してみて下さい。
過電流保護対策
これはハイサイドスイッチの過電流保護対策に加えた物です。
抵抗をGNDに入れて電流制限してください。
例によって舐め切っている抵抗の入れ方ですが、実はこのハイサイドスイッチは既にチップ内に過電流保護が組み込まれています。
しかし、過電流が発生すると電流値の大きさでは内蔵のツェナーが焼けて壊れます。
「壊れたのならしっかりと働いているんだからいいんじゃない?」と思うかも知れませんが、ISO61000-4はレベルで「ノイズを受けても動作すること」と言う段階があります。その試験を通す為に壊れちゃいけないんです!しっかりと働いていても!!
基本的にこういったICの蚊電流保護は内蔵ツェナーでGNDに過電流を落とします。つまりGND端子に抵抗を入れると電流制限出来ます。
基本はGNDから浮いちゃうのでセオリーではGNDに繋がる端子に抵抗なんて入れてはいけないです。
でもぶっちゃけ設定がシビアでも無ければGNDに抵抗入れてもあんまり関係ないです。
これも行き詰った時に試してみて下さい。
ノイズ対策をしながらのDC絶縁
これも「ふざけんな」と言うコンデンサの入れ方ですね。
普通GNDは可能な限りインピーダンスを下げてノイズを落とすものですよね。分かっています。こんなCの入れ方はクソそのものです。
でも世の中には「ノイズ対策はしたいけど、DC的には絶縁したい」って言う困った仕様があるんです。そんな時にCを直列挿入です。
Cを直列接続するとDC的には絶縁されますが、AC的にはつながっています。つまりDC絶縁しながらノイズを落とすことが出来ます。
こんな事したらインピーダンス上がって耐ノイズ性能落ちそうですが、意外な事にノイズは普通に落ちます。雷サージの突入電流波形も交流波として見ることが出来るので、雷サージも落ちます。
これも藁をつかみたい時に試してみて下さい。
ふざけた対策で、その他不具合が起こる可能性も否めませんが、これらは自分で全て試して製品の回路に採用しています。
この世のノイズに苦しめられている技術者の役に、少しでも立ちますように。
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