【ブラッドベリ1000日チャレンジ】#0030
09■短編小説 ある研究/星新一 ジャッジ:○
男性がわけの分からない研究に没頭していて、妻から「私と研究、どっちか大切なの?」と言われてしまい、挙げ句の果てに、条件を突きつけられ、村のみんなが手伝ってくれなければ、その研究を諦めることに。男性はなぜかしら、心をひかれている研究を続けるために、村の権力者の老人に相談に行ったところ、そんな誰も理解できない危ない研究に、みんなを手伝わせられないと。
冬がもう少しで来るから毛布を手に入れてきてって言われたけど、「火があればその必要もないのに」って思いながら、火を発生させる道具を捨ててしまった・・・。もったいない。こうやって、火を人間が使うことが遅れてしまう。こうやって機会を逸した発明は、めちゃくちゃありそう。
基礎研究って理解されないけど、めちゃくちゃ大切なことがわかる小説やな~。
■詩・俳句・短歌・歌詞 宙船(そらふね)/ 中島みゆきジャッジ:〇
その船を漕いでゆけ おまえの手で漕いでゆけ
お前が消えて喜ぶ者に お前のオールをまかせるな
その船は舞い上がるその時を 忘れているのか
地平の果て 水平の果て そこが船の離陸地点
なぜか、不思議と、自らを激励してもらって気になる詩。
■論考 人間らしさについて / 森本哲郎ジャッジ:○
「レット・イット・ビー」 ビートルズ
この一節で始まる。
レット・イット・ビーは、「あるがまま」とか「ほおっておく」と意味があるが、ビートルズの詩では「知恵のことば」になっている。
作者が「レット・イット・ビー」の言葉にひかれているのは、たった三語が、じつにさまざまな解釈ができ、そこからいろいろな「知恵」を引き出すことができそうな気がしたからとのこと。現代社会で雄弁に社会の在り方をそして、そこに生きている人の気持ちを端的に語ったことばはない。
確かに、いろんな意味もあるし、ビートルズがこの曲を出した時、世の中、若者の間では、そんなせかせかしてどうするという対抗文化(カウンターカルチャー)があり、社会のあり方を示して
いた歌と改めて思い出させてくれる。