【ブラッドベリ1000日チャレンジ】#0029
■短編小説 波状攻撃/星新一 ジャッジ:○
波状攻撃というタイトルなので、どういう話なんだろうと思ったら、そういう波状攻撃かぁ〜って納得した。
ある不景気な工場に男性がやってきて、すごい便利なものがあると社長に営業をかけるのだが、最初は全く取り合わなかった。
ただ、在庫が現金に変わる方法があると言って、火災保険を上手く使ってバレることなく、火事を起こさせて現金を得る方法を理論整然と説明されると一変して、話しを聞き、しかも別の装置まで付けて便利グッズの値段を上げて売り込んだ。
しかも、保険屋も紹介するという用意周到なやり方。
その後、社長は保険に入ってすぐに火災が起こるのは怪しまれると思い、数ヶ月後、その装置を活用して実行に移し、出張に行って戻ってくると、工場は全く燃えていない。
ダマされたって思って、その保険屋に電話したところ、全く別の会社で、それ詐欺ですよって言われるハメに。しかも、自分が保険屋をダマすつもりだったから、警察にも言えず・・・。
そんな時に、探偵社と名乗る男が来て・・・。これぞ詐欺のオンパレード。
■詩・俳句・短歌・歌詞 空と君との間には中島みゆきジャッジ:〇
空と君との間には 今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら 僕には悪にでもなる
好きな人との関係は、かなり冷ややかであり、何とかその人に振り向いて欲しい気持ちがひしひしと伝わってくる。
中島みゆきさんらしい、上手い表現。
冷たい雨で、その関係性が分かる。
■論考 嫉妬について/ 森本哲郎ジャッジ:○
おそろしいのは嫉妬です。
そいつは緑色の目をした怪獣です。 シェイクスピア
この一節から始まり、次に、
「そうですとも。こいつときたら、人の心をさんざんくいものにし、苦しめ、もてあそぶんですからね。」につづく。
そこから嫉妬について、嫉妬は羨望と似ている、嫉妬は劣等感から生まれ愛情と結びついたものであり「愛の権利を侵害された愛の所有者の怒り」といろんな定義が紹介されている。
最後に作者の定義が以下のように紹介されている。
「愛の想像力」すなわち、嫉妬とは自分の愛の体験を、別の人間に移して想像すること、その想像が身をさいなむことである。
つまり、嫉妬とはブーメランであり、自分が投げたブーメランが自分にもどってきて自分の胸につきささる。嫉妬は想像力の魔術である。
まさに、「嫉妬は想像力の魔術」だな~って思った。
「愛の想像力」の量と質によって、様々な嫉妬が生まれ、その嫉妬が、さらにさまざまなものを生み出す。」