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【シン・ウルトラマン】なぜウルトラマンを「変態」として描いたのか。意図的なので嫌いにならないでほしい!【1200字無料】

2022年5月13日に公開した東宝映画作品・空想特撮映画「シン・ウルトラマン」。
ご覧頂いた方はお分かりかと思いますが、ウルトラマンを「変態」として描いています。
では今作ではなぜウルトラマンを「変態」として描いたのでしょうか。
※以下ネタバレパーティーです。

「シン・ウルトラマン」ではウルトラマンは変態

映画「シン・ウルトラマン」をご覧いただいた方には百聞は一見に如かず、ウルトラマンは変態です。

メフィラスパートにおいて、巨大ベータカプセルをメフィラスが政府に享受するのを防ぐため、亜空間の入口の場所を探る際に女性である禍特対の浅見のにおいをくまなく嗅ぐという変態行為を行います。

結果この変態行為により巨大ベータカプセルを奪取し人類につかの間の平穏が訪れます。

もっともここまでの変態行為は1966年テレビ版では行われておらず、完全に映画「シン・ウルトラマン」で入れた新要素です。

ウルトラマンを変態として描いたのは意図的

ただ、こんなウルトラマンの変態的行動を理由なく入れるはずがありません。ましてやウルトラマンの超ヲタクである脚本・企画の庵野秀明氏が理由もなく行うはずがありません。

ここで考えられるのが、異星人メフィラスとの比較です。

異星人メフィラスは極めて理知的です。禍特対の人たちと出会うにも部屋の鍵は魔法の力で開けたようですが、それ以外は基本的に日本人の立ち振る舞いとあまり変わりません。

ですがウルトラマンが禍特対の人たちと出会うまでに何をしたでしょうか?隕石が落ちる勢いで到着し、禍特対の神永を不慮ながら亡きものにし、渦威獣退治のためにスペシウム光線を撃ったため、辺り一面焼け野原です。

もっとも異星人メフィラスは巨大フジ隊員、いや巨大浅見を用いてビル破壊行為をしたのは事実ですが、そもそもビル破壊行為は一回だけなので幻覚ではないということの証明のために行ったと理由がつけられますし、ウルトラマンの初登場と比べたら被害が少ないのは言うまでもありません。初登場までの被害を考えたらメフィラスの方が圧倒的に被害が少なく、理知的と言えるでしょう。

その後、異星人メフィラスとウルトラマンの人間体での対峙シーンでは、異星人メフィラスは政府と密約をかわす一方、ウルトラマンは光の国の掟を破ってでも人間の成長発展側に就きます。正直ここでは甲乙つけがたいです。

ただその後巨大ベータカプセルを異星人メフィラスから政府に受け渡す式典にてウルトラマンが実質強奪、しかも変態行動により探すという極悪非道さを出します。異星人メフィラスからすればたまったものではありませんし、この式典ではウルトラマンよりメフィラスの方が理知的と言わざるを得ません。

これを反映しているのがこのすぐ後の異星人メフィラスとウルトラマンの巨大戦で、異星人メフィラスがやや優勢となります(特に光線対決では押している)。もっともウルトラマンの背後にゾーフィを感じたメフィラスは停戦という理知的判断をしたことで、ウルトラマンは難を逃れます。

つまり巨大戦でメフィラスが優位だったのは理知的さでメフィラスの方が優れているということを言いたかったのです。その明確な理知的さの欠如の象徴としてウルトラマンを「変態」として描いたのです

結論、ウルトラマンを変態にしたのはわざとなのでウルトラマンを嫌いにならないで!

結論を言うと、映画「シン・ウルトラマン」でウルトラマンを変態として描いたのは、制作側の意図的、つまりわざとです。

どうかみなさんにお願いがあります。今回ウルトラマンを「変態」と描いたのは演出上の都合です。今回の件でウルトラマンを嫌いにならないでください

ただ、現実世界ではどうでしょうか?

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