【読書感想】村田沙耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』
2017.08.04 読了。
村田沙耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』
教室は生物だ。
私は得体の知れない生物の中に入っていくのがとても恐かった。
自分に矢印が向かないように、徹底して存在を消して、放課後がやってくるのをひたすら待った。
稀に優しい言葉などを「身分が上」の生徒から掛けられると認められたような心持ちになり、浮き足立った。
私は痛い子だった。
この小説の主人校、谷沢結佳は下等人間なのだと自覚しながらも、まだ自分は特別な人間なのだとどこかで信じている中学生。まるで自分の事を書かれているみたいな感じ。苦しくなって何度も本を閉じた。昔の自分と今の自分を行ったり来たりした。
今どんなにしんどくても「教室」よりはいいや。
読み終えると、不思議と体内の毒素が浄化されていくのを感じた。
村田沙耶香の世界は、とても美しい。
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