口腔の不健康が、全身に影響するという事実①
一度は「歯周病は万病の元」という言葉を聞いたことがあると思います。
いつから言われ始めたのかは知りませんが、近年、その関係性が科学的に証明され始めていることはご存知ですか。
私が講演の依頼を頂いたりするときに、しばしば使う動画があります↓これ。
カナダ心臓病予防財団のコマーシャルなのですが、対極する2つの人生がとてもセンセーショナルに描かれていますよね。
健康で生きられる健康寿命と、死を迎える平均寿命には平均すると10年の乖離があるとされています。
この10年間、どんな生活なのかというと、ほとんどが寝たきりや介護といった現実。
では、なぜそうなってしまうのか。
その原因の一つに「生活習慣病の悪化」が挙げられます。
生活習慣病が重症化する様は、まるでドミノが倒れるように進むことから、慶應大学医学部内科学教室教授の伊藤裕先生が提唱されているメタボリックドミノという概念があります。
(上図は、伊藤先生の図を改変したもの)
本当にドミノが間違って倒れていくように連鎖的に進んでしまうため、下流の方でどこかを止めても、違うドミノが倒れてしまう。
すなわち、このメタボリックドミノは出来る限り上流で止める必要があると言えます。
その上流の方に「生活習慣」があるのですが、まさしく歯科医療が関わるところでしょう。
医科が「命を守る」ところであれば、歯科は「生活の質を守る」ところなんです。
う蝕(虫歯)や歯周病になり、お口から十分に栄養が取れない状態が続いていたり、適合の悪い状態の義歯で過ごしていたりすると、実際に栄養指導や栄養療法が必要になった場合に十分に咀嚼できず、口腔ケアも困難になる。
そしてますます全身の状態は悪化するという悪循環が生まれます。
歯周病は特に循環器系疾患と相関があることが証明されています。(これは次回)
ライオン がどれだけ強くたって、歯が全部なくなれば単純に死んでしまいますよね?
(https://www.amazon.co.jp/-/en/dp/B089R5Y5MX)
歯や口腔の健康を維持することは、生活の質を変えると言って良い。
それだけの価値がある。
そして、誰でも出来るし、やっている。
あと少し、コツを掴めば良いだけ。
そのコツは、歯科医師や歯科衛生士が、責任を持ってきちんと教えます。