サンリオピューロランドレスに道聞かれた

「サンリオピューロランドから徒歩15分」

「サンリオピューロランドから徒歩15分」
 目安にするにしては遠くないか? サンリオとは特に関わりのなさそうなパチンコ屋の看板。
 寝てる時に見た夢ではない。二十世紀末のある日、まだ日は高く、制服が少し暑かった。その看板から徒歩10分程の陸橋で、ホームレスに道を聞かれた。
「わかりません」
 迷子だから。

 Suicaは持ってなかったと思う。電車の定期が期限切れだっただろうか? 学校からのバスに乗るのが嫌で、駅まで歩いて来る途中、お菓子か何かを買ったら、電車に乗る金が無くなった。未だに直らない方向音痴の上、地図の読み方は今より下手。体力はあるから、能天気にずっと歩く。
 陸橋から目指していた駅を見る。駅がこっちだから、家はあっちか。それまでにも、一、二度駅から歩いて帰ったことがある。道は覚えていない。とりあえず、帰れる。
 「すいません、○○はどっちですか?」
 その時、陸橋でホームレスに聞かれたのだ。家に帰るのとは違う路線の二駅先の地名。その駅は知っていたが、歩いて行ったことはない。方向もわからない。子供なりの親切心で少し考えたが「わかりません」と言うしかなかった。
 ホームレスは俯いて縮こまっている人が多いが、その人はなかなか明るい感じだった。特に賑わってもいない地味な町に、何の用があったんだろう?

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竹馬バンブー
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