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『Blue Note Tokyo』④
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ーリチャード・ボナ(RICHARD BONA)。
おそらく 彼との出会いは8年前、同じく「BLUE NOTE TOKYO」だったと思う。
はじめて目にした超絶技巧的プレイはその当時の観客に衝撃と感動を与えたのを今でも覚えている。
今回はその時の技巧的プレーからしたら多少肩透かしにあったと感じる観客もいたかもしれない。
が、しかし、彼のアカペラのヴォーカルから始まり、次々と繰り広げられるバランス感覚に優れた多彩な音から織りなす曲の数々には、カメルーンという故郷で、彼が自然と戯れながら音楽に親しんできた、その時の風景を色濃く彷彿させるような楽曲ばかりであったと思う。
確実にワールドシチズンとしての視点が備わってきていることを感じさせるライブであった。
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彼曰く、″自分の才能は神からの贈り物だ、その贈り物を大切にしたい″と。