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使わない勇気

子供の野球で大事な事は何か...
勝つ事、気持ちや根性、礼儀や挨拶...人それぞれあると思う。
私は、肩や肘などをなるべく使わない事だと思う。
肩や肘は消耗品だ。
特に小・中学生はまだ成長世代。
投げ込みも連投もなるべく避けて、どうしても投げなくてはいけない場面があれば、球数や少ないイニングに限定するなど、酷使にならないよう指導者が最重要項目として考えるべきだと思う。

どうしても勝利至上主義の考えになってしまうと、コントロールが良く試合を作れるピッチャー、
球速で抑えれるピッチャーなど、勝ちに繋がりやすいピッチャーがたくさん投げる傾向がある。
勝つためには投げなくてはいけないという雰囲気や方針が当たり前になっている小・中学生のチームは多い。


痛めなければ良いわけではない。
痛める前に、できれば万全の状態から肩や肘を守っていく事を考えるべきだと思う。
私が連盟に加盟しないフリーの独立した組織をなぜ作ったかと言うと、やはりなるべく子供たちを守るためである。
高校や大学、その上の世界で目一杯活躍できるように、まだまだ体が出来上がる前の段階で、たくさん投げる事は正しいとは思わない。
昔は投げて投げて肩を強くすると言われた。
多少違和感があっても、勝つためには気合いと根性で投げ抜く。そんな姿を美談にする人はたくさんいたが、絶対に間違っている。

私が子供の頃より、今の方が圧倒的に子供の野球の試合数は多い。
これだけフォームや動作解析などインスタやYouTubeで色々な情報が飛び交い、医療も進んでいるのに、肩や肘を痛め、手術をする子供が昔より多いと言うのも、やはり、試合が多く、投げすぎ・酷使が多いという証拠だと思う。

野球をやっていれば完璧には防げないかもしれないが、そうならない努力は指導者がすべき。
勝ちたくても、本人が投げれると言っても、肩や肘を守る勇気、なるべく使わない勇気を持たなくてはいけないと思う。
痛めてから、何で言わないんだ!と怒る指導者もいるが、申し出れない空気感がチームにある事が原因。
たとえ勝てなくても、色々な選手が短いイニングで少しずつピッチャーをやったりして、経験を積みながら育成していく事も育てる観点から見たら一人一人の経験として大切。

小・中学生は勝つ事よりも育てる事、体が出来上がってからしっかり投げれるような、強さと柔軟性を養い身につけていく事を成長世代のうちに最優先に取り組んでいくべきだと思う。


個人差はあるが、人間は生まれ持って投げれる数は決まっていると聞いた事がある。
花は早く咲いてしまったら散るのも早い。
なるべく満開は遅い方が良い。
野球選手も早熟より遅咲きの方が良い。

私のような考えには必ず賛否はある。
でも、指導者は子供たちの体を守らなくてはいけない。
体全体が大事だが、特に野球は肩や肘。
ピッチャーだけではなく、野手も肩や肘は大切。
小・中学生の間は、使わない勇気を指導者が持つべきだと思う。

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