論文紹介 冷戦終結が世界的な内戦の増加の原因だったわけではない
1991年にソビエト連邦が崩壊し、冷戦構造がなくなったことによって、世界では途上国を中心に内戦が増加したといわれることがあります。また、その原因については、途上国の民族的、宗教的な対立が激化したことが取り上げられることがありますが、このような見方の妥当性については複数の研究者から疑問視されてきました。
FearonとLaitin(2003)の論文もそのような疑問を投げかけた研究の一つでした。ポスト冷戦の国際システムが構造的に変化したことで世界的に武力紛争が増加したのではなく