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戦争を学ぶ

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戦争を学びたい人のためのマガジンです。軍事学のテーマを中心に、戦略、戦術、兵站、戦史などに関する記事を収録します。
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2023年5月の記事一覧

論文紹介 戦争において国家は敵国とどのように外交を進めるのか?

戦争は他の手段をもって行われる政治的交渉の継続であるといわれていますが、実際に交戦国がど…

武内和人
1年前
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第一次世界大戦でドイツが英米に送り込んだスパイ:Spies of the Kaiser(2004)の紹介

1909年、イギリス陸軍省に外局として秘密情報局(Secret Service Bureau)が設置されました。…

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武内和人
1年前
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現代の陸軍の新しい組織構造を大胆に提案したBreaking the Phalanx(1997)の紹介

1990年代に発表された陸上戦の研究成果の中で、特に注目された著作の一つにアメリカ陸軍軍人ダ…

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武内和人
1年前
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手っ取り早く戦術の初歩を学びたい人のためのHow to Win on the Battlefield(2018)の…

軍事学で避けて通れないのが戦術の議論ですが、それを一から学習しようとすると、さまざまなハ…

武内和人
1年前
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いかに国家は戦費を調達するのか? How States Pay for Wars(2016)の紹介

戦争を遂行する能力を構築するためには、財政的な裏付けが必要です。軍隊を構成する人員、武器…

武内和人
1年前
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論文紹介 国際紛争で中途半端に妥協すると再発のリスクが高まる

交戦国の指導者が直面する外交上の難題の一つは、どのような条件の下で戦争を終わらせることが…

武内和人
1年前
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論文紹介 陸上戦力が展開していれば、航空作戦の効果は高まるのか?

20世紀の初頭にイタリアのジュリオ・ドゥーエはいち早く航空戦力の重要性を認識し、独立空軍の創設を主張した軍人でした。それ以来、航空作戦をめぐる議論では航空戦力において敵に優越することの重要性が強調されるようになり、時には陸上戦力や海上戦力の軽視が行き過ぎたこともありました。 現在では航空戦力の重要性を認めつつも、ロバート・ペイプのように陸上戦力や航空戦力との統合運用の重要性も確かめられつつあります(航空戦力だけでは戦略的効果を見込めない『勝利のための爆撃』の紹介)。今回の論

「意図せざる戦争」の脅しが交渉において効果を発揮する:シェリングの考察

政治学では、自分が武力を行使する決意の強さを示して脅すことにより、相手に特定の行動を思い…

武内和人
1年前
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