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戦争を学ぶ

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戦争を学びたい人のためのマガジンです。軍事学のテーマを中心に、戦略、戦術、兵站、戦史などに関する記事を収録します。
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2022年1月の記事一覧

論文紹介 なぜカザフスタンの独裁体制は動揺しているのか?

中央アジアのカザフスタンでは、1991年にソ連から独立を果たてから30年にわたってヌルスルタン…

武内和人
3年前
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【翻訳資料】極寒の中で戦う過酷さを語る「ロシアにおける戦闘に気候が及ぼす影響」(…

以前投降した「【翻訳資料】軍事地理でウクライナ戦域の特性を解説する「ステップにおける戦闘…

200
武内和人
3年前
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論文紹介 敵国の首都を占領すれば、戦争を終わらせることができるのか?

19世紀のプロイセン軍人カール・フォン・クラウゼヴィッツは、敵の勢力の根源を「重心」と呼び…

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武内和人
3年前
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【翻訳資料】軍事地理でウクライナ戦域の特性を解説する「ステップにおける戦闘」(19…

戦争における軍隊の行動は気候、河川、地形、植生、人口、交通、産業など多種多様な地理的要因…

200
武内和人
3年前
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合理的な国家が戦争を選ぶ3条件を説明したフィアロンの交渉モデル

戦争は、多くの人命を犠牲にするだけでなく、多額の費用がかかり、また大きな危険を伴う行為で…

武内和人
3年前
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戦役分析とは何か? 現代軍事学の研究史を辿る

戦役分析(campaign analysis)とは、戦略から作戦の次元にかけて敵と味方の部隊の配備、移動…

武内和人
3年前
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翻訳資料 シュリーフェン「カンナエの戦い」『カンナエ』より

ドイツの陸軍軍人アルフレート・フォン・シュリーフェン(1833~1913)は1891年から1906年までドイツ陸軍の参謀総長を務めたことで知られています。シュリーフェンは第一次世界大戦が勃発する1914年の前年に亡くなっているので、第一次世界大戦の初期にドイツ軍がフランスに対して実施した攻勢が失敗したことと直接的な関係はありません。しかし、シュリーフェンの戦略構想がその後のドイツ軍の計画に影響を及ぼしたという観点から、彼の議論に批判を加える研究者もいます(Herwig 199

¥300

小部隊戦術をロンメルの戦記で学ぶ『歩兵は攻撃する』の紹介

エルヴィン・ロンメル(1891~1944)は、第一次世界大戦、第二次世界大戦に従軍したドイツの陸…

武内和人
3年前
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兵士の視点から歴史上の戦闘を記述した『戦場の素顔』の紹介

軍事史の著作には多かれ少なかれ指揮官としての視点が盛り込まれています。指揮官にとって重要…

武内和人
3年前
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数理モデルを使った作戦、戦術の運用解析を学べる『軍事ORの理論』の紹介

20世紀以降の軍事学の研究の特徴の一つは、数理モデルを積極的に理論の構築に活用し始めたこと…

武内和人
3年前
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近代戦の戦術を基本基礎から学べるドイツ軍の教範『軍隊指揮』の紹介

戦術(tactics)とは、戦場における部隊の配備、移動、運用をいいます。軍事学では軍隊の運用…

武内和人
3年前
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同盟国が連合作戦を実施する際に守るべき原則とは何か?

日本の防衛はさまざまな面でアメリカとの同盟関係に支えられており、有事には自衛隊とアメリカ…

武内和人
3年前
8

作戦線の方向と構成から戦況を判断するジョミニの分析方法

現代の軍事学研究者の立場から眺めれば、19世紀の軍人アントワーヌ・アンリ・ジョミニの戦略理…

武内和人
3年前
6

軍隊の作戦に影響を及ぼす要因を8つにまとめた「PMESII-PT」とは?

戦争は社会システムの中で遂行される行為であり、さまざまな環境の影響を受けます。特に戦略、作戦の研究では、軍事の観点だけでなく、多面的に状況を観察し、把握しておかなければなりません。 そのためにアメリカ軍の教範では、統合軍など主要な作戦部隊の行動に影響を及ぼす要素を作戦変数(operational variables)と呼び、それらをPMESII-PTにまとめています。 PMESII-PTは政治(political)、軍事(military)、経済(economic)、社会

¥100