戦争と社会福祉の意外な関係:ティトマスが語る福祉国家の軍事的な意義
社会福祉(social welfare)とは、あらゆる国民を対象にして、その生活を向上させる社会的サービスをいいます。1945年に第二次世界大戦が終結すると、イギリスでは「揺り籠から墓場まで」というスローガンのもとで、国民に最小限度の生活水準を保障する社会福祉政策が展開され、政治的な重要性が増してきました。政治学の研究者は社会福祉を重視する国家体制を福祉国家(welfare state)という類型で区別しており、現代の工業先進国の特徴の一つとしてさまざまな研究を行っています。