国家は本質的に軍事組織だったと論じた歴史学者ヒンツェの議論を紹介する
国家と戦争との間に密接な関係があり、両者が相互に影響を与えてきた歴史があります。この関係に着目した歴史学者オットー・ヒンツェ(1861~1940)は、あらゆる国家組織が戦争組織、つまり軍事組織として発達したと論じています。
今回は、ヒンツェが「国家組織と軍事組織(Staatsverfassung und Heeresverfassung)」(1906)と題する論文で、ヨーロッパ史における国家の発達を軍隊の発達とどのように関連付けているのかを説明してみたいと思います。そのため