10月1週目ドル円振り返り

こんばんは。竹内です。
今週もお疲れ様でした。

金曜日に発表された雇用統計ですが、
全項目の上振れ、そして失業率の低下と米労働市場の底堅さを示すデータとなりました。

ここでドル円も9月の高値を超えていますが、
これから相場がどう動いていくのかと考えている人も多いと思います。

今回の記事ではまずは今週のおさらいを行い、
今後相場がどう動いていくのか解説をしました。

結論から言うとドル円は今後下がっていき、
大きく利幅をとれる日も近づいてきています。

ではなぜそう言えるのか見てみましょう。


ドル円週足振り返り(三尊右肩の形成)

まずは週足チャートを振り返ってみましょう。

週足の状況では、7月米CPIと日銀の追加利上げ、
そして8月雇用統計を機に2022年ごろからの上昇トレンドを下抜け。

アベノミクスによる金融緩和での円安に歯止めがかかる形になっています。
現況は週足単位での三尊を形成している形。

10月1週目金曜日に発表された雇用統計では強いデータが現れたことで、
8月雇用統計発表時の景気後退不安を払拭。

それによって現在ドル円が8月雇用統計発表時とほぼ同じ価格まで戻ってきたことで右肩部分を形成している最中です。

そして過去の歴史を振り返ってもアメリカの利下げ局面では似たような状況になっています。

2001年、2007年にFRBは利下げ

過去の利下げとして記憶に新しいのは2007年。
不動産バブルの崩壊により、FRBは0.5%の大幅利下げを決行。

ドル円チャートでも利下げ前に週足トレンドラインを下抜けし、
利下げ後にトレンドラインまで戻していますがそれがレジスタンスとして機能しレンジボックス下限を目指しています。

2002年のチャートでも、週足トレンドライン下抜け後、1段階目のレンジボックス下値を目指し反発。
ですがその後2段階目のレンジボックス下値を目指す展開になりました。

過去のチャートを振り返っても、週足トレンドライン下抜け後2段階のレンジボックス下値を目指す展開は100%の確率で起こっています。

そのためこれからどういった経済指標などが発表されるにせよ、日米の金利差の縮小に伴い
ドル円がコロナ禍後各国の金利差がなかった時代の
125円付近まで下落していくことは今の段階で決まってます。

そしてなぜそういったことが言えるのかというと、
それはチャートを動かしているのが人間で、
人間の心理はどれだけ技術が発達しようと変わらないからチャートは似た動きになります。

今回僕が話してる三尊もまさに人の不安の移り変わりですよ。

直近の例でいうと、
7月から8月の指標でみんな不安になりました。

ただそれからよさげなデータが出てくると、
「あれ、やっぱりいけんじゃね?」という気持ちになって相場は戻します。

今がまさにそう、三尊の右肩を作るのはこの「もしかしたらいけんじゃね」という、
不安から逃れたい人の心理を表しています。

ただその後やっぱり不安を冗長させるデータが出てくるともうだめだ~という失望から改めて強く価格を下げてくるんですよ。

単に三尊のチャートパターンはこうで~とか言ってても全く本質をとらえられていません。

過去の歴史を振り返り、その時みんながどんな気持ちの移り変わりだったのか考えると今の相場もきっと一歩引きで見れるようになるはずです👍

そうやって引きで見てる人が1割の稼げる人間になります。

自民党石破首相の金利への言及(発言コロコロ)

ではもっと細かい目で相場とニュースを振り返っていきましょう。

今週注目となったのは主に2点。

①自民党石破首相の金利への言及
②アメリカの強い雇用データ

こちらの2つです。
まず先週金曜日石破茂氏が自民党総裁選で当選したことで、
元からアベノミクスを批判する姿勢だったため円高方向に相場が推移。

ですがその後「利上げを行うような環境にはない」という発言からハト派的メッセージがされ円安方向に推移する流れになりました。

そして金曜日にはこういった日銀に圧力をかける姿勢への批判を避けるために利上げについては日銀の判断に任せるという発言がされ、
市場参加者は二転三転となる形になりましたが、

客観的にみると市場参加者が石破氏の発言や姿勢を過度に評価しすぎていただけといったことが正しいです。

元々石破氏は積極的に利上げを行うという姿勢よりも、
行き過ぎた物価高を抑えるためのアベノミクスからの脱却を唱えており、
石破氏の当選は日銀と国会の足並みが揃ったことを示唆していました。

そして日銀はもとより積極的なタカ派ではなく、
「あくまでも金融緩和の調整としての利上げで金融引き締めの意図はない」というスタイルを維持しています。

来週以降こういった過度な円安の見方は修正される方向になるので、
円安観測の起点となった144.5付近への回帰が考えられます。

アメリカの強い雇用データ(盛りすぎ?)

そして今週はアメリカで雇用市場が堅調なデータが見られています。
JOLTS求人、ADP雇用統計、金曜日の雇用統計、新規失業保険申請件数と、まるで最後のバイデン政権に花を持たせ11月の新大統領に希望を持たせるようなデータが発表されましたね。

特に米雇用者、はっきり言うとこれは盛りに盛ってるデータにもなっています。

過去BLSはパートタイム労働者の増加や外国人労働者を弱い経済データを隠すために報じてきていましたが、
今回の雇用統計では、政府職員が過去例のない爆発的な増加をしています。

具体的に言うと、
2,142万人から2,221万人へと78万人の増加をしていますが、
これは記録上最大の政府職員の月間増加です。

この急増にはパートタイム労働者も含まれており、
選挙1か月前にアメリカの雇用状況が堅調な様子をアピールしたい政治的意図が見られます。

よって大統領選挙後このデータが下方修正される可能性は非常に高いです。

なおこれによって11月の利下げ見通しは0.25%が97.4%にまで急上昇

ちなみにそれまでは0.25%利下げが43.7%。
0.5%利下げ予想が51.3%となっていましたが雇用統計の発表で市場のほぼ10割が11月に0.25%の利下げを見込んでいます。

また、過去の米株でも利下げ直後はお祭りで株価は上昇しますが、
過去のどの局面を見てもしばらく時間が経つと景気後退によって株価の下落、バブルの崩壊が来ています。

現在の状況としてもアメリカの低所得者層の債務状況は変わらず苦しく、
兼業をしている労働者数は過去最高を記録しています。

兼業労働者数は過去最高を更新

ちなみにですが、利下げが実際の利子に影響をし、経済に反映がされるのは半年程度はかかるのが通例です。

今回のデータは大統領選挙を前に盛りまくったデータを公表する形になりましたが、
表向きにはFRBがソフトランディングに向けての一歩を踏み出したと市場は見ています。

ただ、先ほども言ったように今後データが下方修正される可能性は高く、週足チャートの振り返りからも見えてくるように、
三尊右肩部分を形成する形になってるので経済データを見ながら売りのポイントを探っていきましょう。

4時間足振り返り

流れとしては現在🟩トレンドラインに沿ってドル高方向に推移しており、
8月雇用統計発表時の🟪レンジボックス上値付近まで戻してきました。

ではこの🟪レンジボックスを上に抜けるのはいつなのかという話ですが、
さらなるドル高材料が出てくれば上抜きです。

現在の状況を振り返ると、
ドル→8月雇用統計発表前の状況にまで戻ってきた。→149円付近
円→7月末追加利上げ前の状況に近づいてきた。→150.80付近

こういった状況になっています。
つまるところ、新しいドル高材料、あるいは円安材料が出てくれば、
過去下値を抜けたレンジボックスにまでの回帰
そして週足トレンドラインにまで戻ってくる形になりますが、
この辺りが絶好の売りのポイントです。
死んでも離したくないくらいですね。

来週の指標にはFOMC議事要旨、そしてCPIがありますが、
前回のFOMCでは年内の失業率が4.4%に収束するサマリーも出ているのでこちらが公表されることで改めてドル安調整が入る可能性はあります。

相場が乱高下していることでつい焦ってしまう人もいるかもしれませんが、
これまで何度もお伝えしているようにチャートは過去の歴史通り推移しています。

他の市場参加者を横目に淡々とポジションを考えましょう。
今回は以上です!
ではお疲れ様でした!

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