永遠に馬体が見れない人
過去記事ピックアップ~2009/11/04配信
※過去私自身のブログメルマガ等で配信した記事等を”読み易くリニュアル”掲載
今回は実際に「読者さんから頂いた質問のやりとり」を一部紹介。
ある読者の方からこんな質問を受けました。
Q.私は馬体は見れない素人なんですけど
「パドック解説者のOさんは、本当に馬体を見れているんでしょうか?」
先日、タケトラダンディという馬がパドックで素人目にも明らかに太いにも関わらず、このOさんは、『タケトラダンディは太くないですし、大丈夫でしょう。』といいましたが、案の定タケトラダンディは惨敗しました。「本当にOさんは、馬体を見れているんでしょうか?」
私はこう答えました。
A.あくまで私の意見ですが
「Oさんはきちんと馬体を見れている方だと思います。」
しかし今回いただいた質問から察するに、あなたの中ではすでに『Oさんは馬体が見れない!』という結論が出ているのではないでしょうか。
ただ、「その結論が正しいかどうか?」は、あなた自身が本当に馬体を見れるようになって”初めてわかる”ことだと思います。
今回の質問に限らず、こうしたパドック解説などへの懐疑的(疑った)見方というのは、結構見聞きします。今回も質問をいただいた時点で、正直「答えにくいなぁ」と思いました。
そして再度、お返事をいただきました。
Q.「パドック解説者Oさんは馬体を見れている」とのことですが、確かに、私自身、馬体の見方はわかりません。
しかし、今回のタケトラダンディは輸送もなく、馬体重もプラス16キロで、数字の上でも明らかに太いようでした。それにいくら休み明けとは言え、あれほど惨敗するとは、太め以外に考えられません。
今後馬体も見れるようになりたいのですが、Oさんのパドック解説はやはり疑問です。
「今回、Oさんのパドック解説が間違っていたとは考えられませんか?」
……うーーーん、とっても困りました^^;
確かに“馬体が見れる”パドック解説者でも、かぎられた短い時間で、馬体を判断していくわけですから、実際は『あやまった見方をすることが当然ある』と思います。
しかし、今回の質問に、「確かにOさんの見方が間違っていたかもしれませんね」と答えたところで、おそらくこのままでは、『この方はずっと馬体を見れるようにはならないだろう!』と私は思いました。
とはいえ、こうした質問をされるということ自体、馬体に興味を持たれている方だというのがわかります。それに、わざわざ私なんかに質問して下さっているわけで「なんとかいい答えはないものかなぁ」と考えました。
そこで、私自身も同じような感覚を抱いた経験から、ちょっと視点を変える意味で、このような返事を書きました。
A.一度、今回のOさんのパドック解説やそのレース結果など、それらすべて忘れてみてください。
その上で、パドック解説者のOさん含め
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『他の人が馬体を見れているのかどうか?』
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それよりも
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『あなた自身が馬体を見れているのかどうか?』
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これに、あなたの意識すべてを注いでみてください。
今現在、”馬体を見れない素人”だということですが、仮に、あなたが”馬体が見れるようになった自分”を想像して下さい
”今のあなた”と”馬体が見れるようになったあなた”
その馬体や物事の見え方が、今と何も変わず全く同じ、これではつまらなくないですか?
”今のあなたにはわからない部分”が、”馬体が見れるようになったこと”で
「もっともっと見えてくる!」そう思いたくありませんか?
一度、パドック解説を“レース結果”うんぬんを全く意識せず、『あなたならどう解説するのか?』これを考えてみてはいかがでしょう。
と、なんとも抽象的な感じの答えを書きました^^;
このパドック解説に限らず、そもそも競馬というモノは、金銭がからむので、どうしても
物事を“結果から逆算”して考えてしまいがちです。
・凡走したから ⇒ 「レース前に細く見えた」と言える、考える
・激走したから ⇒ 「かなり仕上げていた」と言える、考える
レースの結果次第で「レース前なんとなくこうだった」というのは
誰しも思うし、誰でもが書けるわけです。
しかし、そんなことよりも重要なのは
・太く見える ⇒ この”自分なりの基準”がある
・仕上げている ⇒ この”自分なりの基準”がある
100頭100レースで同じ判断ができる一貫した”自分なりの基準”
これは多くの方があやふやで、もっていないわけです。
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パドックや馬体を見て、”走らなかった(結果)”から正解ではなく
”自分なりに走らない!と、判断できる基準”をもつことこそ重要
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今回の記事タイトルである“永遠に馬体が見れない人”とは、馬体の見方やテクニックうんぬんでなく、“永遠に自分自身を見ようとしない人”です。
『馬券が上手い人・馬体が見れる人と、そうでない人の違い』は
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自分にまずは目を向ける
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たったこれだけの違いなんです。
私武虎も、馬体が見れるようになって、馬券も決まったお金でやりくりできるようになったのは、素晴らしい理論でもテクニックでもなんでもなく、嘘のようですが、本当にただ
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自分にまずは目を向ける
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これを意識しただけなんです。
>「大坪さん本当かよ~!?」なんて愚痴るだけだったパドック解説
一度、自分で同じように解説してみてください。
>「凄い理論&回収率だなぁ!」と憧れているだけの他人の回収率
まずは、自分の予想法と回収率を明確にしてみてください。
そんな意識で毎週の馬体診断予想や馬券成績の数字を、参考にしてもらえれば、と考えています。
PS.ちなみに今回登場したタケトラダンディ号は、もちろん架空の馬名です