競馬での大数の法則と控除率について
競馬もギャンブルである以上、”大数の法則”と”控除率”について
きちんと理解しておく必要があります。
大数の法則とは
まずは、“大数の法則”を簡単に説明します。
※詳細はネット以下検索してみてください。
大数の法則とは……「サイコロ振って1の目が出る確率は、振れば振るほど、6分の1に限りなく近づく」、こうした法則のこと。つまり、「試行回数を増やせば増やすほど、確率は一定になる」という法則。あらゆる短期間の偶然の出来事も、より長い時間でみれば一定の法則に従うことになる。
では一体
『大数の法則が、競馬においてどう影響してくるのか?』
以下図を見てください。
緑のライン … 回収率(運用成績)
控除率ゾーン … 75~80%=元本100%-20~25%(競馬の控除率)
図のように
競馬で馬券を買い続けていくと、その回収率の数字は、“大数の法則”により75~80%に近づいていくわけです。
では
『なぜ、回収率75~80%という数字なのか?』
ここで"控除率"が関係してきます。
控除率とは
控除率とは……ギャンブルにおける主催者(胴元)の取り分のこと。賭けられた金額全体から、控除率分の金額を差し引いた残りを、賭けの勝者に分配還元される。
要するに、この"控除率"とは、「胴元が安定して儲け続ける」ために設定した数値であり、その数値が大きければ大きいほど、「プレイヤー側に不利な条件の賭け(の場)」と言えます。
また、この"控除率"は、別にギャンブルに限ったことでなく、保険会社なども、"大数の法則"から"控除率"を算出、そこから保険料を設定し、堅実かつ安定した経営を成り立たせているわけです。
では、競馬の話に戻します。
競馬における控除率とは
競馬における控除率……JRAの取り分のことで、馬券収益全体から控除率20~25%を差し引いた残りのお金で配当に充てる。
よくいう“テラ銭”というやつです。馬券購入をする人全員、この「控除率分の手数料を支払っている(ようなもの)」と言えます。
『エッ、俺そんなの払っていないよ』
なんて思った方、いやいやあなたも例外なく支払済です。
よく「馬券の購入は20歳から」などと言いますが、この「手数料の支払う」ことも、馬券購入の資格条件の一つと言えます。
確かに、この手数料、単純に「馬券購入時に天引きされるわけではない」ので、わかりづらいかもしれません。「支払う」という言葉も少しニュアンスが異なるでしょうか。
とは言え、「どういった仕組みで、手数料を引かれているのか?」、これを明確に説明できないうちは、永遠に競馬で勝ち続けることは不可能。それでは、競馬で勝ち負けの舞台にすら上がっていないと言えます。
博打をする際、「手数料が引かれているかどうかもわからない」、これではいいカモです。
では、「どういった仕組みで、手数料が引かれているのか?」、詳しくは、ネットでもググって下さい。
今回はその答えだけ。ニュアンスとして、「配当の受け取り時に支払って(天引きされて)」います。
後、この競馬の"控除率"、一般的に言われている20~25%ではなく
単勝(複勝)式 …【控除率】21.2% 【還元率】78.8%
連勝式(ワイドを除く)…【控除率】26.2% 【還元率】73.8%
<JRA公式ホームページ引用>
このあたりの数値になるようです。(複雑な計算式でわかりづらいですが)
とにかく、競馬ではJRAの"控除率"の設定から"大数の法則"により
やればやるだけ75~80%付近の回数率に近づいていく
わけです。
余談ですが、それ以外のギャンブルの"控除率"を参考までに
ギャンブル全般の控除率比較
ギャンブル別 | 控除率(%)
宝くじ | 46~57%
サッカーくじ(toto) | 50%前後
公営競技(競馬・競輪・競艇・オート) | 20~25%
キノ(ビンゴ) | 約20%
パチンコ※胴元により意図的変動可 | 10~40%
ルーレット(アメリカン) | 5%
スタッドポーカー| 5%
バカラ(バンク)| 1.36%
バカラ | 1~4%
クラップス | 1%
麻雀 | 5~200%
ブラックジャック | -1~1%
為替(FX)| 約0.1%~0.5%
<ウィキペディアより引用>
海外の競馬の控除率
競馬開催国 | 控除率
日本 | 20~25%
ドイツ | 24%
イギリス | 23%
アメリカ | 21%
フランス | 15%
<WEB金融新聞より引用>
競馬での大数の法則と"控除率からわかること
確かに、競馬初心者の方などにとって、こうして"大数の法則"や"控除率"の話や数字を、目先の馬券収支や回収率と照らし合わせて考えることは難しいかもしれません。
特に、万馬券などを的中して回数率が一気に1000%オーバーといったことになると、益々、この回収率75~80%というの数字は、何の根拠もない非現実的な数字に思えるでしょう。
がしかし、だからこそ、
『あらゆる短期間の偶然の出来事も、
より長い時間でみれば一定の法則に従う』
この"大数の法則"と"控除率"の影響を肝に命じておく必要があります。
ちなみに、競馬の控除率は、その他のギャンブル全般と比較しても、かなりエゲツナイ数字だということがわかります。
『競馬は投資足り得るのか?』…ここでは結論を述べませんが、他のギャンブル、株や為替といった本物の投資商品と比較して、
単純に、
競馬は「かなり儲け続けることが難しい」投資商品である
と言えるかと思います。
競馬が好きでもなく、単純に、「お金を増やしたい人にとって、投資目的に競馬を選ぶメリットはあまりない」、と言えるのではないでしょうか。
以上、この"大数の法則"や"控除率"も含め、「競馬ギャンブル全般のお金のしくみなどをしっかりと理解する」には、入門書的な意味で、是非『こちらの一冊』がオススメです。
>>図解ツキの法則